反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

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「2000年の桜庭和志」

 『Number』に柳澤健の新連載『2000年の桜庭和志』がスタート。

 『Number』×柳澤といえば『1984年のUWF』が記憶に新しいところだが、自分にとって前田日明は格闘技ファンを始める前の「歴史の中の出来事」だったのに対し、PRIDEの桜庭は(ホイス戦以降だが)リアルタイムでその戦いを見続けてきた存在。こういうテーマのノンフィクションが出てくることに「自分も歳をとったな」という変な感慨を抱く一方、この連載の中で自分が知っている何が描かれ、知らなかった何が描かれるのかに今からハラハラしてしまう。

 『1984年~』は「前田中心のUWF史観」といういわば「通史」を打ち破ったことが大きな衝撃を呼んだわけだが、「初期リングスはワークの試合が含まれていた」という事実を関係者の証言の積み上げで描いてみせた点が個人的にはものすごい驚きだった。
 PRIDEの歴史を振り返れば、桜庭絡みではないものの「疑念」を招く試合は散見されたし、ワークの話を抜きにしても粗い階級設定、トップ選手の過密スケジュール、ドーピング検査の体制はどれだけ敷かれていたのか…など、競技の観点からするとグレーゾーンというか首をかしげる点は多々あった。(当時の自分がそこに目をつぶって熱狂していた、というのもまた事実なのだが。)
 桜庭を通じてPRIDEの歴史を描くとすればこれらの暗部、それこそPRIDE消滅につながった反社会勢力とのつながりにも触れておかしくないわけで、果たして関係者の口はどこまで軽くなっているのか、柳澤健のペンはどこまで切り込めるのか…というのを想像すると、期待したいような見るのが怖いような、なんとも言えない気持ちになってくる。

 連載第1話は昨年のUFC殿堂入り表彰式の様子から始まり、まずは無難なスタート。2000年代前半に日本を熱狂させた世界最高峰のリングは、10年強の時を経てどのように描き出されるのか。『Number』発売日にソワソワする状態がしばらく続きそう。

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by nugueira | 2018-05-31 23:02 | 雑記 | Comments(0)

〔こだわり〕バウト

 5月の各賞と6月のおすすめバウト。5月は当たり月だった。

MVP:井上尚弥(5/25 WBA世界バンタム級タイトルマッチ)
 他に誰を選べばいいの?という感想しか出てこない、あまりに圧倒的なパフォーマンス。物理的な体格差とかが全く意味をなしておらず、もはや別の生物種なのでは…とすら思える勝ち方。スーパーフライ級で防衛を重ねるうちに見ているこっちの感覚も麻痺しかけていたのだが、井上が規格外のモンスターであることを改めて思い知らされた。

ベストバウト:ホルヘ・リナレスvsワシル・ロマチェンコ(5/13 WBA世界ライト級タイトルマッチ)
 普通の月ならONEののび太vsシウバが選ばれているのだが、いかんせん相手が悪すぎた。現代ボクシング界最高峰の技術とスピードを持つ両者だからこそできる、至高のせめぎ合い。ロマチェンコと五分に渡り合ったリナレスと、それに応えてさらなる強さを示してみせたロマチェンコ。二人とも最高。

ベストKO:堀口恭司(5/6 RIZIN.10)
 マッコールに引導を渡す、衝撃のファーストコンタクトKO。見た瞬間「今月のMVP&ベストKOは決まりだな」と思ったのだが…。5月はやっぱり凄い試合揃いだった。

〔おすすめ〕バウト:那須川天心vsロッタン・ジットムアンノン(6/17 RISE125)
 那須川が「ホームリング」RISEで迎える、ムエタイ強豪との一戦。2月のKNOCK OUTと同様、強者相手のヒリヒリした試合で那須川の凄さを実感させてほしい。

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by nugueira | 2018-05-30 23:20 | 雑記 | Comments(2)

勝敗予想(5月の決算)

 5月の勝敗予想の決算を。

5/6 RIZIN.10(7/8)
5/13 UFC224(2/4)
5/13 リナレスvsロマチェンコ(1/1)
5/13 修斗(1/1)
5/13 ベラトール(1/1)
5/17 Krush.88(2/2)
5/20 UFN129(2/2)
5/20 パンクラス296(2/2)
5/27 UFN130(2/3)

 合計は20/24で的中率83.3%。全体的に私情を挟まずニュートラルに予想したのが好成績につながったか。

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by nugueira | 2018-05-29 23:10 | 雑記 | Comments(0)

UFN130の感想

 リバプール大会のメインの感想。

スティーブン・トンプソン×-〇ダレン・ティル(判定)
 どっしり構えてジリジリ前に出るティルに、トンプソンは距離を取りつつミドル。ティルがミドルを入れ返すが、トンプソンすぐさまワンツー。さらに飛び込んでのストレート。しかし両者手数が少ない。
 2R、プレッシャーを強めるティルに対し、トンプソンは飛び込んでのワンツー。依然としてお互い有効打が出ない。3Rもティルのパンチをバックステップとスウェーでかわすトンプソン。ワンツーを返すが、これも当たらない。サミングでの中断後にティルが手数を増やすが、有効打にはつながらず。
 4Rもタイミングを探り合うものの有効打が出ない両者。ティルが両脇を指してケージへ押し込むが、トンプソンすぐに振りほどく。
 迎えた最終ラウンドも両者決め手がないまま時間が経過するが、ティルがトンプソンをケージ際に詰める時間帯が長くなる。そして3分過ぎ、ティルの左をもらったトンプソンがバランスを崩しダウン!すぐ立ち上がるトンプソンは終了間際にテイクダウンを狙うが、ダウンの失点は取り返せず試合終了。
 判定は3-0でティル勝利。とはいえ5Rのダウンはともかく、その他はプレッシャーはかけていたものの有効打らしい有効打は皆無で、トンプソンも負けた気がしないのでは。ただ微妙な差ならホームタウンディシジョンが働くのは計算に入れておくべきで、もっと明確に攻める場面を作らなければいけなかった。
 セラーニに続きトンプソンも破ったティルだが、テイクダウン耐性が不明なのでウッドリー相手にどこまで戦えるのかは微妙。というかこの試合は体重オーバーしてるのか。本来ならタイトルマッチの前にもう1試合挟むべきだが、ロメロの例もあるからなあ。

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by nugueira | 2018-05-28 23:47 | UFC | Comments(0)

大月健在!

 先日のKNOCK OUT大阪大会のメイン、大月晴明vs山口侑馬の試合映像をチェック。

 大月はガードを下げ気味にしつつローからボディ、顔面へのフック。山口は大月の打ち終わりにパンチを返していくものの、大月はスッと間合いを外し、着実に有効打を集めていく。
 1R後半から圧力を強めた山口は、2R開始と同時に大月をコーナーへ詰め連打。パンチが大月の顔面を捉えるものの、逆に打ち合いから大月の左が入り山口がダウン。スリップと判定されたものの明らかに効いている様子の山口に、大月は左ストレート、左フックを次々と打ち込みダウンを重ねていく。最後は左右のフックを食らった山口がふらつくように倒れ試合終了。

 全日本キックで大月の試合を初めて生観戦したのが2004年頃で、あれからそろそろ14年が経過。全日本黄金期を支えた選手が軒並み引退し、山本真弘ですらとうにトップ戦線から脱落している中、44歳の大月があの頃と変わらぬスタイルでKO勝利を収めている…というのは14年前の自分に説明しても信じてもらえないだろうな。同じ40代の自分からすると「年齢のせいにしていたら何も始まらねえよ」というメッセージを叩きつけられたような気分になってくる。

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by nugueira | 2018-05-27 23:36 | KNOCK OUT | Comments(0)

ムサシ戴冠

 ベラトール200のミドル級タイトルマッチ、ゲガール・ムサシvsハファエル・カルバーリョを視聴。

 開始直後からローを入れるカルバーリョだが、ムサシは蹴り足をつかむとすぐさまタックルへ行きテイクダウン。カルバーリョが立ち上がりかけたところを引きずり倒し再びテイクダウンすると、キムラ狙いを振りほどいてバックを奪う。一度はカルバーリョが立ち上がるが、バックにつき続けたムサシは回り込みながらトップポジションを奪うと、マウントへ移行。最後は亀になったカルバーリョにパウンドを入れ続けたところでレフェリーがストップし、ムサシがあっさり王座奪取に成功。

 ムサシはこれでDREAM・ストライクフォースに続き3団体目の戴冠(マイナー団体で他にも獲ってるのかもしれないけど)。振り返ればDREAMミドル級GPの優勝から数えても早10年が経過しようとしているわけで、息の長い選手になっているなあ。
 UFCではタイトルマッチに手が届かなかったムサシだが、結果的に幻想性はそこそこ維持したままでの移籍に成功したともいえる。ベラトールはUFCと比べて選手層の薄さは一目瞭然なのだが、それでも「UFCとは違う強さのピラミッド」の構築に成功しつつあるのではないか。

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by nugueira | 2018-05-26 20:33 | その他(総合・寝技系) | Comments(2)
 WBA世界バンタム級タイトルマッチ、ジェイミー・マクドネルvs井上尚弥を視聴。

 リング上で対峙した両者を見て、今さらながら体格差に驚かされる。マクドネルは計量から12キロ増量した体重もさることながら身長でも大きく上回り、「同じ階級で対戦していいのか?」という疑念すら浮かんでくる。さすがに井上といえど立ち上がりは慎重にいかざるを得ないか…とこの時は思った。

 しかし、井上がマクドネルの間合いを測っていたのは開始直後だけ。30秒過ぎにボディを入れてからロープ際に詰め上下左右の連打を打ち込むと、瞬く間にペースは井上へ傾く。体格で圧倒的に上回るはずのマクドネルが井上のプレッシャーに下がらされると、左フックを頭部にもらいたたらを踏むようにバランスを崩す。すぐさま距離を詰めた井上は右から返しの左ボディを入れ、マクドネルがダウン。冷静に残り時間を確認した井上は、再開と同時にロープ際へ詰め猛ラッシュ。打たれっぱなしになったマクドネルが左右のフックをもらい崩れ落ちると同時にレフェリーがストップ。いとも簡単に、かすり傷一つすら負うことなく、井上が3階級制覇を成し遂げてみせた。

 どうして、人間は同じ間違いを何度も繰り返すのか。井上がナルバエスを2ラウンドKOに屠った時、「井上は規格外。常識的な感覚で心配するだけ無駄」ということを学んだはずだったのに…。とはいえバンタム級転向初戦で、相手はマクドネル。井上勝利を予想していた人間は多いだろうが、この結果を本気で予測できていた人はどれだけいるのか?スーパースターは凡人の想像の限界を軽々と飛び越え、それ故に輝きを増す。

 試合後の井上は噂されたWBSSへの出撃を宣言。過去に幾多の名ボクサーが、あのロマゴンでさえも、階級の壁にぶつかり、やがて屈していった。それでも今日の試合を見てしまったあとでは、もはやハラハラすることすら馬鹿馬鹿しくなってくる。逆に、世界に対して問いたい。「誰が、このモンスターに勝てると思うんだ?」と。

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by nugueira | 2018-05-25 23:50 | ボクシング | Comments(5)

ラミレスvsイマム

 エキサイトマッチの感想。まずWBC世界ライトヘビー級暫定王座決定戦、オレクサンダー・グボジークvsメディ・アーマー。
 
 グボジークが細かく圧力をかけながらジャブ、さらに打ち下ろしの右。1R後半からアーマーも打ち返していく。2Rもグボジークがジャブ連打から右、さらに左ボディ。アーマーも反撃するが、差し合いでグボジークが優勢。
 4R、アーマーをロープに詰めたグボジークが上下左右の連打。徐々に強いパンチを増やし、右をもらったアーマーの顔面が跳ね上がる。5Rも攻勢のグボジーク。顔面へパンチを集めてからボディ、さらに左右のアッパーを繰り出す。
 6Rはアーマーが前へ出てリズムを変えようとするものの、グボジークの距離の取り方がうまい。7Rはグボジークが再び前へ出て先手を取っていく。終盤に相打ち気味のパンチでアーマーを下がらせると、連打をまとめる。
 この後もグボジークのペースで試合が進むものの、攻めが一本調子で淡々としているせいか、決定的な場面を作れないままラウンドが経過。最終ラウンドはロープ際に詰めたグボジークが回転を上げ連打を繰り出すが、逆にアーマーのカウンターがヒット。グボジークが4~8ポイント差の完勝で暫定王座を獲得したが、試合内容的にはあまり見るべき点のない試合。

 続いてWBC世界スーパーライト級王座決定戦、ホセ・ラミレスvsアミール・イマム。
 
 序盤はイマムがパンチスピードの速さで先手を取る。ラミレスがボディを入れるが、イマムもアッパーがヒット。2R、ラミレスがコーナーに詰めボディから顔面への連打。ラミレスはガンガン前に出てくるが、イマムは速いパンチで突進を捌こうとする。
 3Rも前に出るラミレス。しかしイマムも目立つ有効打は許さず、パンチを返していく。イマムは左でラミレスを懐に入らせず、ラミレスがパンチを出してもヘッドスリップでかわす。
 イマムのペースで試合が進むが、ラミレスは5Rからジャブを増やし、パンチがイマムを捉える場面が増えてくる。迎えた6R、ラミレスがボディから右フックをヒット。イマムが効いた様子で後退!この後もラミレスが有効打を増やし、一気に流れが変わってくる。
 7R、ラミレスが前に出ながら左フック。前半は捉えることができなかったイマムの顔面にパンチが入りだす。8Rはイマムが左ジャブを連打するがラミレスも右を入れ返し、両者足を止めての打ち合いに。一進一退だがこの展開はラミレスに有利か?
 9Rはボディから右をもらったイマムが後退するものの、また距離を詰めるとボディの打ち合いに持ち込み、再び我慢比べの展開へ。
 10R、ラミレスが左ジャブからの右で攻めていきイマム後退。しかしラウンド後半に入るとイマムがジャブ連打でラミレスを下がらせる。ここはイマムが取り返すか、と思ったラウンド終盤、ラミレスの左フックが立て続けに入りイマムが顔面をのけぞらせる。
 11R、勝負を仕掛けたラミレスが開始から距離を詰めラッシュ。前半とは打って変わってラミレスが先手を取り、イマムが下がらされる場面が目立つ。12Rもラミレスの勢いは止まらず、イマムをロープ際に詰めノンストップの連打。ラウンド中盤からは見合う場面が増えるが、カウンター狙いのイマムは自分から仕掛けず試合終了。判定3-0でラミレスが勝利を収め、世界タイトルを獲得。
 プロモーター期待のホープ同士の対戦だけあって、見ごたえ十分のシーソーゲームに。特に10Rはイマムがペースを取り返したところからラミレスが力ずくで再び流れを引き戻し、これが試合を決定づけたか。最終ラウンドのあの状況で猛ラッシュが出てくるのもお見事だったし、ラミレスはこれから人気が出そう。

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by nugueira | 2018-05-24 23:02 | ボクシング | Comments(0)

UFN129の感想

ポリアナ・ボテーリョ○-×朱里(1R KO)
 開始早々、ボディーリョの左ミドルをもらった朱里が後退。そのままケージ際にうずくまる朱里にボテーリョがパンチを入れたところでストップ。アウェーで苦しい戦いになるとは思っていたが、秒殺KO負けはさすがにショック。交通事故的なものだと割り切ってほしいが、ここから立て直せるかなあ…。

デミアン・マイア×-○カマル・ウスマン(判定)
 マイアが浅いパンチを入れてからタックル。堪えるウスマンだが、マイアはケージ際でコブラツイストのような体勢をキープしたままウスマンの顔面へパンチを入れていく。
 クリーンテイクダウンは奪えないながらも1Rは優位なポジションをキープしたマイアだったが、2R以降はタックルを切られスタンドで削られる、ここ最近続いている負けパターンの展開。ウスマンもKO狙いの打撃ではなく圧倒するほどではないのだが、マイアは苦し紛れの引き込みを繰り返すだけで試合が進むにつれ打つ手がなくなってくる。
 後半は圧力を強めるウスマンに対しマイアは背中を向けながらサークリングで凌ぐ場面も増え、流れを変えられないまま判定負け。タイトルマッチ再挑戦の芽はないし、年齢と試合スタイルを考えるとリリースがちらつき始めても不思議じゃない状況になってきたか。

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by nugueira | 2018-05-22 23:32 | UFC | Comments(0)

UFN130の予想

 27日のUFCリバプール大会の予想。

ダン・ケリー×-〇トム・ブリーズ
 フィジカルの強さで面白い存在になるかな、と思っていたケリーも連敗で底が見えてきた感じ。ブリーズは2年近く試合間隔が空いたのが不安要素だけど。

ニール・マグニー〇-×クレイグ・ホワイト
 最近は勝ったり負けたりで一時期の勢いがなくなってきたマグニー。今回は無名選手相手にさすがにスカ勝ちしたい。

スティーブン・トンプソン〇-×ダレン・ティル
 ウェルター級元トップコンテンダーのトンプソンと、セラーニを破った成長株ティルが激突。タイトル奪取に2度にわたり失敗しかつての期待感はなくなったトンプソンだが、ストライカー同士で手の合うティルはやりやすいタイプなのでは。

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by nugueira | 2018-05-21 23:23 | UFC | Comments(0)