反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

カテゴリ:ボクシング( 520 )

 WBA世界バンタム級タイトルマッチ、ジェイミー・マクドネルvs井上尚弥を視聴。

 リング上で対峙した両者を見て、今さらながら体格差に驚かされる。マクドネルは計量から12キロ増量した体重もさることながら身長でも大きく上回り、「同じ階級で対戦していいのか?」という疑念すら浮かんでくる。さすがに井上といえど立ち上がりは慎重にいかざるを得ないか…とこの時は思った。

 しかし、井上がマクドネルの間合いを測っていたのは開始直後だけ。30秒過ぎにボディを入れてからロープ際に詰め上下左右の連打を打ち込むと、瞬く間にペースは井上へ傾く。体格で圧倒的に上回るはずのマクドネルが井上のプレッシャーに下がらされると、左フックを頭部にもらいたたらを踏むようにバランスを崩す。すぐさま距離を詰めた井上は右から返しの左ボディを入れ、マクドネルがダウン。冷静に残り時間を確認した井上は、再開と同時にロープ際へ詰め猛ラッシュ。打たれっぱなしになったマクドネルが左右のフックをもらい崩れ落ちると同時にレフェリーがストップ。いとも簡単に、かすり傷一つすら負うことなく、井上が3階級制覇を成し遂げてみせた。

 どうして、人間は同じ間違いを何度も繰り返すのか。井上がナルバエスを2ラウンドKOに屠った時、「井上は規格外。常識的な感覚で心配するだけ無駄」ということを学んだはずだったのに…。とはいえバンタム級転向初戦で、相手はマクドネル。井上勝利を予想していた人間は多いだろうが、この結果を本気で予測できていた人はどれだけいるのか?スーパースターは凡人の想像の限界を軽々と飛び越え、それ故に輝きを増す。

 試合後の井上は噂されたWBSSへの出撃を宣言。過去に幾多の名ボクサーが、あのロマゴンでさえも、階級の壁にぶつかり、やがて屈していった。それでも今日の試合を見てしまったあとでは、もはやハラハラすることすら馬鹿馬鹿しくなってくる。逆に、世界に対して問いたい。「誰が、このモンスターに勝てると思うんだ?」と。

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by nugueira | 2018-05-25 23:50 | ボクシング | Comments(3)
 WBA世界ライト級タイトルマッチ、ホルヘ・リナレスvsワシル・ロマチェンコを視聴。まず一言、ボクシング最高!もうUFC要らない!

 リング上で対峙するとやはりリナレスの大きさが目立つ。1R、先に仕掛けていくのはロマチェンコ。序盤は様子を見るかと思ったが、自分から前に出て手数を出していく。中間距離ではリナレスのリーチ差が活きてくるので間合いを潰す作戦か。
 2R、ロマチェンコがアッパーから得意の高速コンビネーション。だがリナレスも後手に回りつつきっちり打ち返し、ボディを繰り返し入れていく。
 いつものロマチェンコならスピードで圧倒して相手の真横に回り込むところだが、リナレスはそれをさせず、これまでの相手に比べれば段違いの頻度でロマチェンコにパンチを届かせる。それでもスピードで優位に立つロマチェンコは打ち下ろしの右やフックを次々と打ち込み、いつもの得意な展開に引き込んでいく。リナレスも必殺のアッパーが繰り返し空を切り、一発入ればひっくり返せそうな雰囲気はあるのだが、ロマチェンコのパンチに顔面を跳ね上げられる場面が増え徐々に苦しい流れになってくる。
 ロマチェンコにペースが傾きつつあるムードで迎えた6R、ロマチェンコは強めのパンチを増やし一層攻勢を仕掛ける。しかしラウンド終盤、ロマチェンコが踏み込もうとしたところにリナレスがドンピシャのタイミングで右ショート!ロマチェンコが尻餅をつくようにダウンし、試合の行方が一気に分からなくなってくる。(ロマチェンコのダウンはプロでは初めてか?)
 7Rは回復待ちのロマチェンコがガードを固め手を出さないものの、リナレスも様子見をしてしまい静かな展開に。続く8Rは持ち直したロマチェンコが再び手数でリード。とはいえ距離が詰まったところでのリナレスの右には神経質になっているようで、ヒリヒリした緊迫感を漂わせたまま試合は終盤戦へ。
 9Rも手数で先手を取るロマチェンコだが、リナレスはアッパーから高速コンビネーションの4連打!ブロックはされたものの、ロマチェンコは迂闊に踏み込めない。
 迎えた10R、リナレスは流れを変えに来たか自分から前に出て距離を詰めると、先手を取りロマチェンコをロープ際へ下がらせる。しかしロマチェンコはこれに応戦して三度手数でリナレスを下がらせると、アッパーからの連打を叩き込み最後はボディ!崩れ落ちたリナレスはそのまま10カウントを聞き、至高の技術戦を制したロマチェンコが3階級制覇を達成!

 もう「シビれた」の一言。予想はロマチェンコが勝つにしても判定だと思っていたのだが、勝負所で攻めに来たリナレスに逆に打ち勝ってのKO勝ちとは…。リナレスの強さがロマチェンコの一段階上の凄さを引き出してしまった形。
 敗れはしたがリナレスもお見事。これまで並み居る挑戦者が根負けするしかなかったロマチェンコのスピードに食らいつき続けたどころか、一度は起死回生のダウンを奪取。9Rまでのスコアが1-1だったことも示す通り、フィニッシュ直前までどちらが勝ってもおかしくない、ヒリヒリした空気を堪能させてくれた。
 3階級制覇と同時に最大の難敵と目されたリナレスを粉砕してみせたロマチェンコ。こりゃライト級でも無双状態になりそう…と思ったがマイキー・ガルシア戦の話もあるのか。これまた実現したら面白くなるなあ。

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by nugueira | 2018-05-13 20:58 | ボクシング | Comments(2)
 日本時間13日に行われるWBA世界ライト級タイトルマッチ、ホルヘ・リナレスvsワシル・ロマチェンコの予想を。

 今更ながらになるが両者の最近の試合ぶりを振り返ると、ロマチェンコは別次元のスピードと精密なテクニックで相手を圧倒。フェザー級時代の詰めの甘さはなりを潜め、スーパーフェザー級での4度の防衛戦はいずれもロマチェンコのスピードに対応できず殴られっぱなしになった挑戦者がラウンドインターバルに音を上げるという「ギブアップ勝利」。ボクシングという競技の技術体系を変えようとしているのでは、という気にさえなってくる驚異的なパフォーマンスを見せている。

 一方のリナレスも過去は勝負所で不用意な一発に倒れる脆さが目立ったが、ライト級では安定政権を樹立。クローラとの2度の激闘を含め、WBCとWBAで合計5度の防衛に成功している。無類のハンドスピードに加え、競り合いになっても崩れないタフさを身に着けてきた。

 ともに全階級を通じた屈指のテクニシャンであり、高度な技術戦になることは必至。誇張でなくまばたき厳禁の試合になりそう。
 両者のスペックを比較すると、スピードではやはりロマチェンコ。高速のフットワークを駆使しながらの連打は真似のしようがなく、リナレスといえどロマチェンコを捉えて先手を打つことは簡単ではなさそう。
 その一方で、ロマチェンコにとって壁になりそうなのはパワー差。スーパーフェザーでも一発で倒すようなパンチを入れる場面はなく、ダメージの蓄積以上に相手の心を折ってギブアップへ追い込むというのが得意の展開だった。ライト級に上げるとなると体格差はより顕著になるわけで、KOにつながるようなビッグショットはますます期待できない。ましてやリナレス相手となると、スピードで上回りつつも有効打にはつながらず、じりじりと長引いたところで逆に捕まってしまう…という想像もできなくはない。

 WOWOWの勝敗予想に応募してみたところ両者の得票はかなり拮抗しており、ファンからしても予想しにくい一戦なのが見て取れる。それでも敢えて予想するなら、やはりロマチェンコ優位。これまでの試合も後半のラウンドに相手のギブアップを呼び込んでおり、長丁場の展開にさほど苦手意識はないはず。なによりロマチェンコのケタ外れのスピードについていくこと自体が一苦労なはずで、試合が長引くとリナレスの方が消耗してくるのではないか。終始スピード差で圧倒したロマチェンコが、ダウンは奪えないもののリナレスに有効打を許さず判定勝利、と予想。

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by nugueira | 2018-05-09 23:45 | ボクシング | Comments(2)

ゴロフキン強し!

 WBA・WBC世界ミドル級タイトルマッチ、ゲンナディ・ゴロフキンvsバーネス・マーティロスヤンを視聴。

 先にパンチを振るっていくのはマーティロスヤン。しかしゴロフキンはジャブから右クロスを打ち込むと、じわじわ圧力をかけながらジャブで相手を制する得意な展開。早くも呑まれてしまったかに見えたマーティロスヤンだが、ラウンド終盤に左ボディ。嫌がる様子を見せたゴロフキンに、さらに右カウンターから返しの左を打ち込む。
 不安な出だしとなったゴロフキンだが、2R早々に右ストレート、さらに左アッパーをヒット。効かされた様子のマーティロスヤンを容赦なく追撃すると、左を効かせてからの右フックを打ち込み、ロープ際に詰めて左右の連打。倒れこんだマーティロスヤンはそのまま10カウントを聞き、ゴロフキンがKO防衛。

 1R終了時は「ゴロフキン大丈夫か?」と思ったが、終わってみれば「ダメだよ、本気出しちゃ」と言いたくなる久々のKO劇。緊急出場のマーティロスヤンには荷が重かった…というコメントはもはや言うだけ野暮か。
 これでゴロフキンはボクシング史上7人目となる20連続防衛。数字との闘いにあまり意味はない、というよりゴロフキンの年齢を考えると歴代1位のジョー・ルイスまでの「残り5戦」は決して低くないハードルなので、陣営が望むのはビッグマッチか。今回ほぼノーダメージでクリアしたことで、9月のカネロ戦は現実味を増してきたか。

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by nugueira | 2018-05-06 15:04 | ボクシング | Comments(2)
 ある意味、残念ながら村田の初防衛戦以上に注目を集めてしまったWBC世界フライ級 タイトルマッチ、比嘉大吾vsクリストファー・ロサレス。
 まず比嘉の計量オーバーについては、先月ネリについてあれだけのバッシングをした以上、批判しないわけにはいかないだろう、というのが個人的感想。体重超過が故意かどうかは問題ではなく(突き詰めるとこの点は客観的に証明できないわけだし)、契約体重まで落とせない選手が試合をしてしまうことは本人にとっても相手にとっても危険、というのがことの本質だと思うので。

 紆余曲折の末に敢行されたタイトルマッチ。やはり比嘉はこれまでの試合に比べると序盤のプレッシャーが弱まっているか。それでも2R辺りから接近してのボディでリズムを作れてきたように見えたが、いつもなら執拗に連打しているボディが、この日は単発で終わってしまう。ボディを入れてもロサレスに打ちおろしのパンチを返され、手数で劣勢の印象で4Rが終了。ジャッジは2者ロサレス、1者比嘉を支持。
 5Rには両者足を止めて接近戦でのボディとアッパーの打ち合い。我慢比べの展開になれば今までの比嘉なら押しきっているのだが、ロサレスが先手を取り続け、比嘉の方に疲労の色が濃くなってくる。自分の土俵であるはずの削り合いで打ち負ける、非常に苦しい流れ。
 それでも7Rに入るとボディをもらったロサレスが距離を取るようになり、比嘉の攻撃が効いてきた様子が見てとれる。しかし一気に流れを変えたいこの場面で攻めきることができず、逆に8Rは一転して前に出たロサレスが連打をヒット。すぐに流れを取り戻してしまう。
 比嘉がジリ貧になりつつある状態で迎えた9R、全く手数が出なくなった比嘉をロサレスが一方的に攻め続けたところで陣営がストップ。リングに上がる前にベルトを失った比嘉は、キャリア初の黒星を背負いリングを降りることになった。

 この試合に何を期待して、どういう展開を望めば良かったのか。仮に比嘉がKO勝利を収めても「偽りの日本新記録」に納得できるはずもなく、やはり試合の決行自体に無理があった。とはいえ、立場が入れ替わって外国人王者が計量オーバーしていたとしたら(比嘉の戴冠した試合がまさにそうだったわけだが)「ベルトを獲るチャンスを逃すわけにはいかない!戦って勝ってくれ!」となっていたはず。日本人王者初の計量オーバーという失態が、図らずもファンの側が抱える矛盾も明らかにした、ということは間違いないのではないか。
 今回の件で誰が一番悪いのか、という戦犯探しの順位付けをここでする気はないが、ボクシングの世界戦が相手選びからコンディション作り、そしてテレビ局からの有形無形のプレッシャーをどう処理するかという点も含め、陣営全体での「団体戦」である、というのは今さら指摘する必要もない事実。階級転向、試合間隔、そして計量失敗後の対応。結果論でしかないのだが、本人も含めた陣営の判断ミスが最悪の結果を招いてしまった。比嘉はまだ22歳。まだまだ建て直しは可能な年齢だが、それでも今回の試合の代償は、あまりに大きい。

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by nugueira | 2018-04-16 23:53 | ボクシング | Comments(0)

村田V1

 比嘉を巡るあれこれや試合結果については日を改めて書くとして、WBA世界ミドル級タイトルマッチ、村田諒太vsエマヌエール・ブランダムラの感想を先に。

 1Rからジリジリと圧力をかけていく村田。手数は出ないもののラウンド終盤には右ストレートも繰り出し、どっしり構えてブランダムラを呑んでかかっている感じ。この時点で「今日はもう安心して見てられるわ」という雰囲気に。
 2R以降も下がり続けて細かいパンチを出すだけのブランダムラに全く怖さは感じられず、村田は3R辺りから強いパンチを増やしてくる。村田はジャブからの右ストレートを繰り出すがクリーンヒットには至らず、ならばと5Rにはボディを増やして攻勢。効かされた様子で下がるブランダムラが何かをしでかす気配は微塵もなく、焦点は村田がいつフィニッシュできるか、の一点に絞られてくる。
 しかしここまで極端に守りに徹する相手を崩すのは簡単ではなく、村田は繰り返し右を出していくもののブランダムラのガードをこじ開けることができない。これは判定も覚悟しないといけないか…という思いも頭をよぎった8R、ジャブを丁寧についてから右へつなげる攻撃を続けた村田が、何度目かの右を入れたところでブランダムラが後退。ロープ際に詰めた村田が右フックを打ち抜き、ブランダムラが根負けしたようにダウン。ブランダムラは何とか立ち上がるがダメージの蓄積もそれなりにあったか、レフェリーがストップ。

 いやー、世界ランクひとケタでこれほどお手頃な相手も見つかるもんなんだね。やはり世界は広い。と嫌味も少々言いたくなるぐらい、実力に差があって勝負論的な面白みは皆無だった試合。とはいえ初防衛戦の難しさはボクシング界では常々言われる話で、ましてや黄金のミドル級で遂にベルトを手にした日本の至宝。今回については勝利優先で低めのハードルを設定した陣営の判断にケチをつけてもしょうがないでしょう。逆に言えばあそこまで逃げ回る相手を仕留めるのも間違いなく一苦労なわけで、きっちりKO防衛という結果を出した村田は王者としての仕事は果たした、と言ってあげていいのでは。
 ボブ・アラムがいきなりぶち上げたゴロフキン戦の現実味はさておき(というか無視して)、村田の真価が問われるのはこれから。次戦はリオ五輪決勝の再戦となるファルカオが有力視されているが、ラスベガスで防衛戦となったらこれはテンション上がるなあ。

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by nugueira | 2018-04-15 23:29 | ボクシング | Comments(2)
 エキサイトマッチの感想。まずWBCシルバー・スーパーウェルター級王座決定戦、ケル・ブルックvsセルゲイ・ラブチェンコ。
 1Rからブルックがワンツー、更にカウンターのアッパーをヒットさせる。続く2R、ブルックがアッパーを入れてからカウンターの右!ダウンしたラブチェンコはカウントぎりぎりに立ち上がるが足元がおぼつかず、ブルックが再起戦をKOで飾った。

 続いてスーパーミドル級12回戦、カラム・スミスvsニキー・ホルツケン。井上参戦の噂もあるWBSSの準決勝…というか、エキサイトマッチでホルツケンの姿を見ることになるとは。
 スミスが細かく左を突きながら右ストレート。ホルツケンはひるまず圧力をかけ続け右を狙っていく。2R、ホルツケンがボディから顔面へのコンビネーション。しかしスミスは左を出し続け、さらに右アッパーを叩き込む。3Rもスミスのアッパーが冴えるが、ホルツケンもしつこくプレッシャーをかけていき、スミスが鼻から出血。
 4R序盤はホルツケンが手数で攻めるが、スミスが左右のボディを効かせる。しつこく前に出るのはホルツケンだがスミスがリーチ差とパンチの精度で試合をコントロール、という展開が続いたまま後半戦へ。
 7Rはスミスが下がったところにホルツケンの右が入り、ようやくホルツケンが明確にラウンドを取る。スミスは攻め疲れか8Rも下がらされる場面が多く、嫌な流れになってくる。10Rはスミスがジャブの手数を増やし持ち直してくるが、最終ラウンドは再び圧力を強めたホルツケンがボディから顔面への連打を入れ終了。
 ざっくり言うと前半がスミス、後半がホルツケンの試合だったが、判定は6~8ポイント差でスミス勝利。後半もリードジャブを入れていたラウンドは多かったので、それほど違和感はないか。ホルツケンが思った以上に健闘した。

 最期はWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ミゲール・ベルチェルトvsマクスウェル・アウク。
 ジリジリ間合いを詰めつつタイミングを測るベルチェルト。アウクが突進しながらの連打を繰り出すが、これで火が付いたかベルチェルトも手数を増やす。
 2Rもアウクの変則的な動きに少しやりにくそうなベルチェルトだが、ボディからの連打を入れていく。迎えた3R、ボディを起点に攻めていったベルチェルトは右ストレートを突き刺しダウン奪取!再開後もすぐさまロープ際に詰めてのラッシュで2度目のダウンを奪うと、最後は連打をもらったアウクが腰を落としたところでレフェリーストップ。なかなかリズムに乗り切れなかったベルチェルトだが、チャンスをつかんでから一気に押し切る決定力はさすが。

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by nugueira | 2018-04-12 23:22 | ボクシング | Comments(0)

ポベトキンvsプライス

 ジョシュアの前座で組まれていたWBAインターコンチネンタル・WBOインターナショナルヘビー級タイトルマッチ、アレクサンデル・ポベトキンvsデビッド・プライスの感想を。

 上背で勝るのはプライスだが、ポベトキンは開始から懐に潜り込むと、ボディ連打からオーバーハンド気味のフックを入れ先手を取る。2Rもポベトキンがガードの横から回り込むように左右のフック。打ちおろしのパンチを返すプライスだが、後手に回る場面が多い。
 3R、引き続き懐に入ってフックを入れるポベトキン。プライスのパンチも顔面を捉えるが、ラウンド中盤にポベトキンの左フックがクリーンヒット!仰向けにダウンしたプライスは立ち上がるが、ポベトキンはなおも攻勢を仕掛ける。しかし終盤に、今度はプライスの右フックがカウンターでヒット!コーナーまで吹き飛ばされたポベトキンに、レフェリーはスタンディングダウンを宣告!
 にわかに試合の行方が分からなくなってくるが、4Rは持ち直したポベトキンが再びボディからフック。しかしプライスのパンチを警戒してか、前のラウンドほど思い切りがなくなってきたか。しかし続く5R、ポベトキンの頭を下げてからの右フックがヒット!棒立ちになったプライスに今度は左フック!倒れたプライスはそのまま起き上がれず、ポベトキンがシーソーゲームをKOで制し防衛に成功。終わってみればポベトキンが元世界王者の貫録を見せたが、3Rの攻防がとにかく面白すぎた。

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by nugueira | 2018-04-03 23:25 | ボクシング | Comments(0)

ジョシュアvsパーカー

 世界ヘビー級3団体王座統一戦、アンソニー・ジョシュアvsジョセフ・パーカーを視聴。

 1Rからじわじわと圧力をかけつつジャブを繰り出すジョシュア。2Rはパーカーが手数を増やすが、ジョシュアが右ボディをヒット。3Rも圧力をかけるジョシュアに、パーカーはなかなか自分の距離を作れない。
 4R、ジョシュアがカウンター気味の左をコンパクトにヒット。パーカーはロープ際へ下がる。5Rもジョシュアの左がヒット。打つ手がなくなってきた感じもあるパーカーだが、それでもワンツーを打ち込んでジョシュアを一旦下がらせる。6R、パーカーが前に出ながら左右のフックを振るうが、ジョシュアも踏み込んでのワンツーをヒット。
 後半戦に入ってもジョシュアが距離をコントロールし、着実に有効打を入れていく。劣勢が続くパーカーだがそれでも決定打は許さず、気づけば試合は終盤戦へ。結局ジョシュアは終始ペースは握り続けるものの、粘るパーカーを崩しきれず12Rが終了。とはいえジョシュアの優勢は明らかで、8~10ポイントの大差をつけ3団体統一に成功。

 ジョシュアはデビュー以来全勝全KOのパーフェクトレコードが途絶えたわけだが、まあいつかこういう日は来るはずで、それがたまたま今日だったのかな、という感じ。もともと狙ってKOを取るというよりは着実に試合を組み立てた結果KOにつながるというタイプなので、そこまでガッカリ感はない。
 と言いつつも、この試合を「4団体統一王座決定トーナメントの準決勝第2試合」と捉えると、ジョシュアに快勝してもらい統一戦に向け盛り上げてほしかったのは確か。ジョシュアvsワイルダーは「未だに底を見せないジョシュアと、毎回底を見せそうになってからが強いワイルダーの激突」という構図で見ていたのだが、今回の結果を受けて「ワイルダーに勝機あり」と考える人も増えるのでは。ジョシュアが長丁場になってもポイントアウトする可能性が高まった、とも取れるのだけど。

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by nugueira | 2018-04-01 23:20 | ボクシング | Comments(2)
 エキサイトマッチの感想。まずIBF世界フライ級タイトルマッチ、ドニー・ニエテスvsファン・カルロス・レベコ。
 
 距離の測り合い。レベコがボディを入れるとニエテスも上下のコンビネーションを返し、ラウンド終盤には両者手数が増えパンチが交錯。
 2Rはレベコが飛び込んでのボディ。両者ハンドスピードのあるパンチを繰り出すが、ブロッキングとダッキングで有効打を許さない。3Rに入るとニエテスがジャブから右ショート、さらにボディ。強いパンチを増やしてきた。
 4Rはレベコが手数を増やすが、ニエテス落ち着いて対処。レベコのガードの空いているところにパンチを入れる。5Rもニエテスのジャブが着実にヒット。レベコのスピードに慣れてきたか、打ち終わりを狙っていく。
 6R、ニエテスは相打ち気味の左フックを入れると、そこからワンツー、アッパーをヒット。強い有効打を増やしてくる。さらに終了間際に右を入れ、コーナーへ戻るレベコは足元がふらついている。続く7R、ニエテスは右を入れるとボディ連打から顔面へフックを叩き込み、レベコを吹き飛ばすようにダウンさせる。なんとか立ち上がるレベコだが陣営がストップし、ニエテスが快勝で初防衛。

 続いてWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ、シーサケット・ソールンビサイvsファン・フランシスコ・エストラーダ。
 細かい出入りを繰り返すエストラーダに対し、どっしり構えたシーサケットは距離が詰まると強いパンチ。シーサケットが右を入れるが、エストラーダも右を入れ返す。
 2R、シーサケットは前に出ながらパンチを強振。エストラーダは下がる場面もあるものの、きっちり打ち返す。突っ込んだところにパンチをもらったシーサケットが膝をつくが、これはスリップの判定。だがエストラーダはすぐさま顔面へストレートを入れる。3Rも構わず前へ出続けるシーサケットだが、エストラーダが下がりながら着実に有効打を入れる。
 4R、頭から飛び込むようにしながらボディを入れるシーサケット。エストラーダはボディが効いたのか嫌がりだした。5Rもシーサケットは飛び込んでの右、さらにそこから返しの左。連打は出ないが、強いパンチがエストラーダを捉え始める。カウンターを狙いたいエストラーダだが、完全に受けに回ってしまい6R以降はパンチをもらう場面が目立つ。
 流れがシーサケットに傾いてきたか…と思った8R、シーサケットが飛び込んできたところにエストラーダのワンツー。シーサケットの踏み込みのタイミングをつかんできたか、再びペースを取り戻す。それでもシーサケットは前に出続けエストラーダの顔面へワンツーを入れ、一進一退の攻防に。
 9R、エストラーダが左に回り込みながらシーサケットの顔面へワンツー。シーサケットも手数は出すが有効打につながらない。10Rもエストラーダが距離をキープしつつ着実にヒットを重ね、シーサケットは前に出れなくなってきた。
 11Rもシーサケットの突進を落ち着いて捌いたエストラーダは、最終ラウンドは自ら前に出て足を止めての打ち合い。シーサケットにとっては自分の土俵のはずだが、疲れのせいか手数が出ず、後手に回ってしまい試合終了。
 ジャッジ泣かせの好勝負だったが、ドロー1名、115-113、117-111でシーサケットが防衛。個人的採点はドロー。判断に悩むラウンドが多かったとはいえ、エストラーダが3つしか取っていないというジャッジはひどいなあ。まあプレッシャーと積極性を評価するか、下がりながらの有効打を評価するか、というボクシングにとって永遠の課題が今回も繰り返されたわけだが。難敵を下したシーサケットは安定政権も見えてきたか。

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by nugueira | 2018-03-28 22:12 | ボクシング | Comments(0)