HERO’S観戦記
2006年 10月 10日
秋山成勲○-×ケスタティス・スミルノヴァス(1R KO)
遂に柔道着を脱いだ秋山。それにしてもすげえ筋肉してるなあ、コイツ。
秋山のローはチョコチョコ当ててるようにしか見えないのに、いつの間にかスミルノヴァスの太腿が真っ赤に。打撃慣れしてきたのもあるし、馬力がすごいんだろうね。最後はハイキックからパンチをまとめて、寝技に持ち込むまでもなく圧勝。もう「元・柔道家」ではなく、完全に「現役の総合格闘家」だ。
やっぱり桜庭が出ていたとしても、秋山勝利という結果は変わっていなかったと思う。
大山峻護×-○メルヴィン・マヌーフ(1R KO)
展開と結果はあまりに予想どおり、だけど衝撃はあまりに予想以上。大山はタックルを切られてからは何もする暇を与えてもらえなかった。
マヌーフはあの回転力に加えて、振り回すだけじゃなく一発一発の精度が高い。全盛期のシウバ以上の存在かもしれない。
宇野薫○-×アイヴァン・メンジバー(判定)
宇野がここまでゴツゴツした打撃戦をやってみせたことってあまり記憶にない。左ミドルが上手く効いてたね。
負けたとはいえ、メンジバーもよかった。めちゃくちゃ腰が強いし、終了間際もバックマウントを取られたのに、そこから決定的なポジションへ行かせなかったのがすごい。こういうパワーは日本人には絶対ない要素だよなあ。
勝ちはしたものの、宇野はワンデイトーナメントではできるだけ避けたい消耗戦をやってしまった感じ。はたして決勝にどう響くか。
J.Z.カルバン○-×ハニ・ヤヒーラ(1R ギロチンチョーク)
カルバンがヤヒーラのタックルを捕らえると、そのままギロチンで一本。
なんじゃこりゃ!カルバン勝つとは思ってたけど、誰がヤヒーラから寝技で一本取っていいと言った!こりゃ正真正銘の化け物だな。
アントニオ・シウバ○-×カイシノフ・ゲオルギー(1R KO)
アントニオ・シウバ、やっぱり強い。こいつ見るためだけに横浜まで行ってもよかったかな、と少し後悔した。
こうなるともっと強い相手とぶつけて欲しいなあ。アレキサンダー戦が流れたということは、このままHERO’Sが囲っちゃうのだろうか。大した相手を用意できずに飼い殺しになりそうで勿体ない。まあ今アレキサンダーと対戦したら、さすがにボクシング技術の差で負けそうだけど。
ドン・フライ○-×キム・ミンス(2R KO)
1R後半あたりから、両者ガス欠になりグダグダな空気。うわあ、先月のPRIDEで同じような映像を見た記憶が。
フライはテイクダウンを取られて以降はガクッと動きが落ちたね。年齢が年齢だから仕方ないんだけど。一方のミンスはグラウンドに持ち込んでから攻めあぐねたのが響いた。オリンピックで銀メダル取ったほどの選手なんだから、寝技でどうにかできなかったものか。
HERO’Sのヘビー級戦線は、面子がマンネリな上に試合内容がつまらないという最悪の流れになってきている。本当に来年ヘビー級GPやるつもりかよ。
所英男○-×金子賢(1R 腕十字)
まあ格闘技を本格的に始めて1年ちょっとの人と、プロで実績を積み重ねている選手がやればこうなりますよね。もう他に感想の書きようがない。
とりあえず今回の放送が低視聴率に終わってくれることを願う。「金子はあまり数字を持っていない」ということになれば、これ以上同じような騒ぎを繰り返さずに済むし、その方が長い目で見れば金子本人のためにも、格闘技界のためにもプラスになるはずだから。
宇野薫×-○J.Z.カルバン(判定)
とりあえず、宇野のディフェンスは素晴らしかった。1R終盤に倒れたところへラッシュを仕掛けられても慌てず見切っていたし、すぐ相手の腕をつかんで追撃を許さなかったのが上手い。2Rもテイクダウンは奪われたが、終了間際のバックマウント以外は決定的なポジションを取らせなかった。
だが、自分からの攻め手が少なすぎた。スタンドの打撃を磨いてきた効果は出ていたけど、それでもせいぜい五分五分だったし、グラウンドは完全に防戦一方。「宇野の完敗」というのは語弊があるかもしれないけど、「カルバンの完勝」と表現することは全く問題ないと思う。
カルバンは準決勝までの圧勝劇に加えて、決勝は歴戦の勇・宇野を撃破。よく見たらこいつまだ23歳なのか。HERO’Sのミドル級が「カルバン王朝」になってもおかしくない気がしてきた。とりあえず大晦日に須藤元気とぶつけるのかなあ・・・。
秋山成勲○-×メルヴィン・マヌーフ(1R 腕十字)
宇野の試合が先に放送された時点で「あれ?」とは思ったんですよ。日本人が勝つ絵で番組を締めたいはずだし、日本人全滅なら全滅で、秋山KO負けを最後に持ってきちゃうの?というのも何か変だし。
もうねえ、「秋山最高!」この一言に尽きますよ。組み付く前に殴られて終わっちゃうだろう、と思っていたんだけど、マヌーフのラッシュが来ても致命打を食らう前に落ち着いて見切っていた。そして一度組み付いた後は、マヌーフに投げ飛ばされても(マヌーフのこのパワーにもめちゃくちゃビックリした。やっぱりこいつ、怪物だわ。)体を離さず、最後は腕十字で一本。
去年のバンナ戦では打撃に対応できずにKO負けを食らっていたのが、1年半を経て同じストライカーに完勝。総合用の打撃という意味では今回の方が格段に厄介な相手だったわけで、今回の結果は本当に大きな意味を持っていると思う。KIDが長期欠場に入ったと思ったら、すぐさま秋山がベルトを獲得。HERO’Sは日本人が核になるいい流れができている。
こうなると大晦日は一度流れた秋山VS桜庭戦を実現、という流れだろうか。残念ながらもう、桜庭が勝つ映像が頭に浮かばなくなってきているけど。
解説の桜庭、しゃべらなかったなあ。人気blogランキングへ
でも相手が相手なだけにそのくらいやってはじめて「公平」かも。
「怪物」と同じ条件でやるのは逆に不公平ですよねw
でも来年、マヌーフが寝技を真剣に練習したら、さらに手強くなってますけどね
道衣の着用もプラスマイナス両面あるので、まあ直前の決定でもいいのかなという気はします。
>ヒデ様
会場行けばよかったかなあ、と若干悔しい思いをしています。
今回で秋山の評価がかなり上がりましたねえ。仮に三崎・郷野とやったら、という仮定にもすぐは答えを出せないです。本当に面白い勝負になりそう。
>k様
マヌーフ、寝技に関しては今以上の上積みがありますかね。昨日の試合を見るに、もう秋山の進化するスピードの方が完全に上回ってるのでは、と思います。
結局数字取っちゃいましたねえ。前田も金子を容認するような発言をしているし、何か妙な流れに。大晦日のことを考えると今から気が重いです。
一番注目を浴びたとは限らない、、、、
そうなんですが、金子の場合は現実的に考えると
最も注目されたと見ていいでしょうね。
それにしても金子はだめもと、勝ったらもうけもの。
所などの対戦相手は勝って当たり前、しょぼい勝ち方だと
文句いわれ、万が一負けでもしたら親子三代までたたかれるでしょう。
よほど金がよくない限り割があわないですね。
まあ、知名度を売るには抜群の効果がありますが。
金子の対戦相手にプレッシャー、というのは確かにあるでしょうね。所も最初断ってますし。そうなると大晦日の金子の相手は?というのを今日考えたので、いずれ書きます。