PRIDE武士道-其の十二- 観戦記
2006年 08月 27日
格闘技観戦目的での名古屋訪問は今回が初めて。レインボーホールも当然初めてだけど、ホールというよりでかい体育館みたいな感じ。周りにコンビニの類がほとんどないのは参った。
日沖発○-×ジェフ・カラン(判定)
両者が並ぶと身長差がやたら目立つ。日沖のプロフィールを見ると身長177センチだけど、よくライト級でやってるな。
試合は日沖がリーチ差を活かして、遠い間合いからのローとパンチを織り交ぜて序盤から優勢に。カランは飛び込みながらフックを振り回すが、なかなか有効打に結びつかない。なんか佐藤VSザンビディスの試合のようだ。
1R終盤からカランがグラウンドで上を取ったりして徐々に盛り返したものの、日沖が逃げ切って判定勝ち。正直インパクトのある内容ではないけど、地元での大一番できっちり結果を出した。
青木真也○-×ジェイソン・ブラック(1R 三角絞め)
青木は黄色のロングスパッツで登場。ブルース・リー?キル・ビル?
開始早々に青木が引き込んで下になると、足を軟体動物のようにブラックに絡める。何を食ったらこんなに軟らかくなるんだ。このままスルスルッと青木の足が上がっていき、あっさりと三角絞めに移行してフィニッシュ。
時間にしてわずか2分弱、ビッグマウスの問題児が有言実行の一本勝ち。少々大げさかもしれないが、ノゲイラのPRIDEデビューのときを思い出した。
帯谷信弘×-○ギルバート・メレンデス(判定)
試合は予想どおり序盤からゴツゴツした殴り合いになったが、とにかくメレンデスがすごい。左右の連打・すぐさまタックル・離れ際にヒザとパンチ・テイクダウンからパウンドと、一瞬も休まず攻め続ける。ルミナ戦は時間が短くて分からなかったけど、こいつどういうスタミナしてるんだ?
1R中盤にスタンドの打ち合いから、メレンデスのパンチがヒットして帯谷がダウン。正直、ここで試合を止めてよかったと思うんだけどなあ。この後は帯谷が一瞬逆襲に転じたり、メレンデスの攻め疲れもあって判定までもつれこんだけど、結果は文句なしでメレンデス。
桜庭戦の後だから言うわけでもないけど、レフェリーはもう少し安全性を考えたレフェリングをしてほしい。帯谷のダメージが心配。
川尻達也○-×クリス・ブレナン(1R KO)
「僕ハ負ケテ強クナル」で始まる紹介Vがなかなかの出来。煽りVについては正直今回も苦戦気味だったけど、頑張ってこういうクオリティーの高いものを生み出してほしい。
試合の方は、川尻が昨年来のボクシング練習の成果を発揮する内容に。相手のパンチをよく見切ってダッキングした後は、パンチの連打を集めて最後はヒザ蹴り。一瞬にしてブレナンを破壊し、「クラッシャー」が完全復活。
格下の相手だったことは割り引かないといけないかもしれないけど、五味戦での敗北を経て川尻が確実に強くなったことが実感できた一戦。もしも、今五味と川尻がリマッチしたとしたら?簡単には予想できないが、確実に差は縮まっていると思う。
石田光洋○-×クリスチャーノ・マルセロ(判定)
マルセロのパンチの打ち終わりを狙って石田がドンピシャの弾丸タックル。以前自分で「絶対に切られないタックル」と言っていたけど、本当にスピード・タイミング・粘り強さのどれを取っても完璧。
試合はこのまま、石田がテイクダウン&パウンドを繰り返す展開。2Rにマルセロが一瞬の隙を突いて下から腕十字を極めそうになったけど、ここもなんとか凌いで石田が判定勝利。
石田はこれで無傷の3連勝。五味への王座挑戦の第1コンテンダーではあるんだろうけど・・・どうも地味なんだよな。今回の試合も完勝ではあるけど、タイトルマッチへの前哨戦にしては少々物足りなさが。
桜井“マッハ”速人○-×ルシアノ・アゼベド(1R ドクターストップ)
しつこくタックルを狙うアゼベドにマッハはヒザを見舞っていくが、粘り強く押し込んだアゼベドがテイクダウンに成功。ねちっこいグラウンドからマッハはなかなか脱出できず、マッハにグリーンカードが出されてブレイク。
引き続きタックル狙いのアゼベド、立って戦いたいマッハ、という展開の中、アゼベドが頭を下げ気味にしていたところにマッハの跳びヒザがクリーンヒット。これでアゼベドの額がザックリ割れてしまいドクターストップ。ややスッキリしない内容だったが、マッハが復帰2連勝。
美濃輪育久○-×バタービーン(1R 腕十字)
バタービーン、やはりデカい。
対する美濃輪、今回は黒タイツで入場。新日の若手みたい。
ゴング直後、美濃輪がドロップキックを2連発。会場大爆発。何というかもう、「お前はプロだ!」という以外に感想が見つからない。
ドロップキック後にバタービーンが上にのしかかってきたものの、そこから上を取り返した美濃輪が完全にコントロール。最後は腕十字を極めてフィニッシュ。またもや場内大歓声。
前にも書いたが、今の美濃輪は「PRIDEの治外法権」としてのポジションを確立している。対戦相手のレベルがどうだとかいう雑音を封じるだけの大歓声を呼んじゃってるんだから、完全に美濃輪の勝ちですよ。美濃輪を勝負論最優先のウェルター級GPの世界に放り込まなかったのは大正解だった。
後半戦へ続く。長い・・・。人気blogランキングへ
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青木選手の黄色いスパッツは好きになりました。
ドロップキックを生で観戦されたのはウラヤマシイです。
美濃輪は確かにそういう位置を獲得しましたよね。
美濃輪同様、郷野、三崎もパンクラス出身ということで、パンクラス好きだった私としてはとても嬉しい大会でした。
nugueiraさんは今日横文ですよね。楽しんできてください。
青木とメレンデスが加わって、ライト級は層が厚くなる一方ですね。来年ライト級GPをやった場合はメンツが凄いことになりそうです。
> はっぱ 様
えっ、ローソンあったんですか!
美濃輪のドロップキックは最高でした。総合格闘家云々ではなく、「プロ」としてトップクラスの才能を持ってますね。
> waraneko様
その横文がひどい内容で・・・。美濃輪やGRABAKAがパンクラスを離れたのは正解だったな、と思わざるを得ない興行でした。
> ヴィンセント 様
五味は一夜明け会見でアウレリオを指名したみたいですね。石田のインパクトがいまいち不十分なことを考えると妥当な選択ですかね。