エキサイトマッチのレジェンド特集、今回はローマン・ゴンサレス。
ロマゴンは新井田から世界ミニマム級王座を奪取した試合を当時テレ東の中継で見ていて、「何だこいつ!?」と思ったのをよく覚えているのだが、その映像もきっちり紹介。改めて見返しても、ストップ直前の新井田の顔面の腫れあがり方が4Rのそれじゃないもんなあ。
ここからはライトフライ級からフライ級にかけての無双時代。『ボクシングマガジン』のオールタイム・トーナメントではロマゴンはライトフライ級にエントリーされているけど、フライ級でアジャストまでに時間を要したことを考えると、確かにライトフライ時代を最強と見るのが妥当な評価か。この頃のロマゴンは自分の顔には傷一つつけずに相手を打ちのめしていて、さながらハリケーンが人間を呑み込む場面を見ているような感覚だった。そのロマゴンでさえスーパーフライ級では階級の壁に向き合わざるを得なかった、というのが複数階級制覇の難しさをよく表していると思う。
番組の最後には世界王座に返り咲いた今年2月のカリッド・ヤファイ戦もオンエア。これ未見だよな…と思ったらDAZNでの放送だったか。
こうして経年での映像を見せられると全盛期に比べ回転力が多少落ちていることは否めないのだが、上下左右全ての角度からパンチを繰り出す攻撃パターンの豊富さはさすが。体格差を見てとって序盤はパワープレーを仕掛けてきたヤファイに押し込まれることなく、後半には逆に下がらせると最後は右フックでフィニッシュ。久しぶりに強いロマゴンの試合を見れた。
スーパーフライ級には井岡、田中恒成といった日本勢もいるだけに、この辺りとの絡みも楽しみ(ロマゴン本人はバンタム級への転向も口にしているようだが)。軽量級はロマゴンを中心に回る時代がもうしばらく続きそう。