エキサイトマッチのライブ配信を視聴。セミはWBC世界スーパーミドル級タイトルマッチ、アンソニー・ディレル対デビッド・ベナビデス。
大柄なベナビデスが序盤からプレスをかける。ディレルは流れを変えようと3Rに自ら前に出て押し返そうとするが、ベナビデスの圧力は弱まらない。きれいなジャブでディレルの顔面を繰り返し跳ね上げる。
この後もベナビデスの圧力と手数は止まらず、6Rにはディレルがパンチで出血。7Rもベナビデスの左がヒットしドクターのチェックが入る。後がないディレルは8Rにサウスポーにチェンジし攻撃のギアを上げるが、ベナビデスがボディ連打から顔面への連打で押し返す。
迎えた9R、ベナビデスが距離を詰めボディからアッパー、左を次々とヒット。ディレルが逃げ回るだけとなりパンチをもらい続けたところでストップとなり、ベナビデスが1年半ぶりの王座奪還に成功。
ベナビデスはただただ強い、の一言。単なるパワープレーではなく、丁寧なジャブを起点にしたコンビネーションがお見事だった。
メインはIBF・WBC世界ウェルター級王座統一戦、エロール・スペンス対ショーン・ポーター。
1Rの出だしは様子見の場面が続いたものの、そこからポーターが踏み込んでの連打。得意の展開に持ち込む。2Rはスペンスがポーターの入り際にカウンターを合わせる!しかしポーターはひるむことなく懐に入っての連打を繰り返す。
この後も細かいボディを連打するスペンスに対し、ポーターが飛び込んで連打を仕掛ける展開が続く。ポーターは時おり休む時間を作りつつ飛び込んでのアタックを繰り返す。スペンスはパンチは合わせるものの当たりが浅く、なかなかリズムに乗れない。
6Rはスペンスがコーナーに押し込んでボディ連打。ポーターはさすがに少しペースが落ちてきたか。しかし続く7Rは再びポーターが攻勢。ガードの下を潜り抜けるようにパンチを出していく。
後半戦に入っても頭をくっつけるような体制での削り合いとなるが、8Rにスペンスがボディから顔面へのコンビネーションをヒット。正確性では上回っている。ポーターはペースダウンの気配を見せつつも、緩急のある攻撃を続ける。
9Rはポーターが息を吹き返したように突進を繰り返し、再度攻勢。終盤に入ってもラウンドごとに攻防が入れ替わる目まぐるしい展開が続く。11R、中盤まではポーターがアタックを繰り返し優勢に進めるが、スペンスが左フックを打ち抜きダウンを奪取!ポーターは終盤ギアを上げてきていただけに痛恨の展開。
全体を通じてスペンスの正確性とポーターの圧力・手数どちらを評価するか悩ましい試合。案の定ジャッジは割れたが、スペンスが2-1で接戦を制し王座を統一。とはいえ、評価を上げたのは敗れたポーターの方か。持ち味の突進力を活かしたスタイルを最後まで貫き、スペンスに自分のリズムで試合をさせなかった。11Rも一瞬フラッシュダウンに見えたが、スローで確認すると立ち上がったのが不思議なぐらいの一撃だった。
激戦区・ウェルター級はこれで王座統一戦の流れが加速していくか?最終的にはクロフォード対スペンスの実現を期待したいが、さてどうなるか。