反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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比嘉陥落。余りに大きい、判断ミスの代償

 ある意味、残念ながら村田の初防衛戦以上に注目を集めてしまったWBC世界フライ級 タイトルマッチ、比嘉大吾vsクリストファー・ロサレス。
 まず比嘉の計量オーバーについては、先月ネリについてあれだけのバッシングをした以上、批判しないわけにはいかないだろう、というのが個人的感想。体重超過が故意かどうかは問題ではなく(突き詰めるとこの点は客観的に証明できないわけだし)、契約体重まで落とせない選手が試合をしてしまうことは本人にとっても相手にとっても危険、というのがことの本質だと思うので。

 紆余曲折の末に敢行されたタイトルマッチ。やはり比嘉はこれまでの試合に比べると序盤のプレッシャーが弱まっているか。それでも2R辺りから接近してのボディでリズムを作れてきたように見えたが、いつもなら執拗に連打しているボディが、この日は単発で終わってしまう。ボディを入れてもロサレスに打ちおろしのパンチを返され、手数で劣勢の印象で4Rが終了。ジャッジは2者ロサレス、1者比嘉を支持。
 5Rには両者足を止めて接近戦でのボディとアッパーの打ち合い。我慢比べの展開になれば今までの比嘉なら押しきっているのだが、ロサレスが先手を取り続け、比嘉の方に疲労の色が濃くなってくる。自分の土俵であるはずの削り合いで打ち負ける、非常に苦しい流れ。
 それでも7Rに入るとボディをもらったロサレスが距離を取るようになり、比嘉の攻撃が効いてきた様子が見てとれる。しかし一気に流れを変えたいこの場面で攻めきることができず、逆に8Rは一転して前に出たロサレスが連打をヒット。すぐに流れを取り戻してしまう。
 比嘉がジリ貧になりつつある状態で迎えた9R、全く手数が出なくなった比嘉をロサレスが一方的に攻め続けたところで陣営がストップ。リングに上がる前にベルトを失った比嘉は、キャリア初の黒星を背負いリングを降りることになった。

 この試合に何を期待して、どういう展開を望めば良かったのか。仮に比嘉がKO勝利を収めても「偽りの日本新記録」に納得できるはずもなく、やはり試合の決行自体に無理があった。とはいえ、立場が入れ替わって外国人王者が計量オーバーしていたとしたら(比嘉の戴冠した試合がまさにそうだったわけだが)「ベルトを獲るチャンスを逃すわけにはいかない!戦って勝ってくれ!」となっていたはず。日本人王者初の計量オーバーという失態が、図らずもファンの側が抱える矛盾も明らかにした、ということは間違いないのではないか。
 今回の件で誰が一番悪いのか、という戦犯探しの順位付けをここでする気はないが、ボクシングの世界戦が相手選びからコンディション作り、そしてテレビ局からの有形無形のプレッシャーをどう処理するかという点も含め、陣営全体での「団体戦」である、というのは今さら指摘する必要もない事実。階級転向、試合間隔、そして計量失敗後の対応。結果論でしかないのだが、本人も含めた陣営の判断ミスが最悪の結果を招いてしまった。比嘉はまだ22歳。まだまだ建て直しは可能な年齢だが、それでも今回の試合の代償は、あまりに大きい。

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by nugueira | 2018-04-16 23:53 | ボクシング | Comments(0)