山中敗れる。名王者の、余りに理不尽な終幕。
2018年 03月 01日
山中の入場に大歓声が送られる一方、ネリに対しては大ブーイング。まあこの扱いは当然。
1R序盤は山中が前に出て、ボディストレートをヒット。最初は様子見だったネリだが、ラウンド中盤から左右のボディ、さらにフックを次々と振るっていく。山中はしっかりガード固めないと危ないのでは…と思っているうちに、ネリのパンチをもらった山中がスリップ。正直この場面も微妙な裁定だったが、再開後ネリが連打を仕掛け今度は明確なダウン。山中はゴングに救われる。
2Rは開始と同時にネリが攻勢。山中は右のカウンターをもらいダウンを喫してしまう。この後もネリの攻撃は止まず、ダウンを重ねる山中。ネリの連打で山中が敢え無くこのラウンド3度目のダウンを喫し、ベルト奪回の夢は潰えた。
試合後に山中は引退を表明。どんな名王者でもグローブを壁にかけなければならない時は来るわけで、この決断自体は妥当。だが、日本ボクシング史に残る「神の左」の最後がこんな形になってしまうのは、ただただ理不尽という他ない。
体重超過が意図的か否か、というのはもはや突きとめようがないのだが、試合後に臆面もなく喜びを爆発させるネリ陣営には呆れるしかなかった。客席からは「井上、お前しかいない!」という声も飛んでいたが、階級別スポーツの根本的なルールを守れない人間と関わるのは時間の無駄でしかないでしょう。日本ボクシング界はベルトを持っていようがいまいがこんな選手は相手にしない、というのが唯一にして最善の対処だと思う。
最後になってしまったが、戴冠から引退に至るまでの山中の全ての世界戦を見れたのは、自分にとって本当に大きな財産だった。ツニャカオ戦や、2度にわたるモレノ戦。「神の左」に何度叫び声を上げ、酔いしれ、戦慄すら覚えたことか。名王者よ、胸を張ってリングを降りろ。本当に、お疲れ様でした。
まったく捌けていなかったですし、
パンチスピードも力強さも、全てネリが上回っていました。
ヌゲイラさん同様、現時点での実力差は明らかだと思います。
山中選手本人が、ゴタゴタ関係なく完敗と感じたからこその潔い引退表明にも見えました。
もちろんですが、ヌゲイラさん同様私も本当に納得できておりません。
あの動きのキレからして、なんとか落とそうと努力してきたとは到底思えません。
WBCバンタムのベルトは日本ボクシング界にとって本当に特別な意味のあるものだと思います。
こんな選手が再度奪取するなんてことにはなって欲しくないものです。
なので万が一ネリがWBCで王者に返り咲いてしまった場合のみ、
井上選手にはベルトを取り上げるために、ネリに制裁を与えてもらいたいかな、と。
大橋会長も(リップサービス込みでしょうが)色気ありみたいな発言をしていましたが、私は断固反対です。軽量級の1・5キロオーバーはあまりに非常識ですし、「日本は体重超過してもビジネスができるボロい相手だ」と思われるのは我慢ならないですね。外務省には是非ネリを入国禁止にしてほしいぐらいです。
しかもドーピングの前科があるわけですし、再戦でその疑惑を払拭しなければならなかったのに前日計量時に2kg以上の超過。明らかにネリ陣営には「勝つためなら何してもいい」の考え方があったのだと思います。
正直悔しくて悲しいです。
「井上尚弥、仇を!」との声もネットでは聞かれますが、現段階では絶対に受けるべきではないと思います。というかネリのいるジムの選手との試合は日本でもう受けるべきではありません。疑惑しかないですから。
WBCが処分に動いたのは、時すでに遅しではありますが多少なりともホッとしました。山中という名王者が人柱になったのが本当に残念ですが、これを機に計量オーバー厳罰化への議論が進むことを願っています。