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by nugueira
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ロマゴン敗れる。不敗神話の唐突な終焉

 19日のボクシングダブル世界戦はライブ観戦できなかったのだが、終わってみれば2試合とも大きな節目になる試合だった。まずはWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ、ローマン・ゴンザレスvsシーサケット・ソールンビサイ。

 1R、ボディを起点に攻めるロマゴンに、シーサケットもボディから強いパンチを返していく。1R終盤に近距離でパンチが交錯するが、ロマゴンの足が揃ったところにシーサケットのボディが入りロマゴンがダウン!
 2R、勢いづいたシーサケットが前に出続けて左右の連打。手数が出ず受けに回るロマゴンだが、ラウンド後半にはワンツーを打ち返し少し立て直す。3Rもシーサケットのワンツーがヒット。バッティングで流血したロマゴンは回転を上げ、得意の上下の連打でシーサケットを下がらせる。
 4Rはロマゴンの右がヒット。シーサケットもボディからの右で下がらせるが、終盤は再びロマゴンの右がヒットし、そこから左右の連打へつなげる。
 5R、手数で勝るのはシーサケット。しかしロマゴンは左アッパーで顔面を跳ね上げると、下がったシーサケットに連打。
 6R、ボディから攻めるロマゴン。バッティングで中断の後に近距離での打ち合いとなるが、ロマゴンが左ボディから顔面へつなげるコンビネーションでシーサケットを下がらせる。ラウンド終盤に再びバッティングがあり、シーサケットに減点。ロマゴンは序盤の出遅れを取り返してきたか。
 7Rも至近距離でパンチの応酬。ロマゴンがボディとアッパーを入れるが、シーサケットもボディを起点に反撃。終盤にはシーサケットの連打でロマゴンの動きが止まる。8Rもシーサケットが圧力をかけ続け、手数でも優勢。しかしロマゴンは左右のフックを顔面に叩き込み、ラウンド後半はシーサケットを下がらせる。
 9R、再び出血が激しくなり視界が悪くなるロマゴン。シーサケットが顔面にパンチを入れれば、ロマゴンも顔面に左右のパンチを入れ返す。10R、依然として流血が激しいロマゴンは序盤シーサケットに手数で後れを取るが、中盤から打ち返す。手数でシーサケット、有効打でロマゴンという展開で終盤戦へ。
 11R、シーサケットは足を使って下がりながら軽いパンチを連打。逃げ切りモードに入っているが、ロマゴンは追いきれない。12R序盤、シーサケットは距離を詰めてボディ。中盤からロマゴンが左右のフックを入れ下がらせる。背中を向けて距離をとったシーサケットは、下がりながらの軽いパンチとクリンチで凌ぎ試合終了。

 結果を知ったうえで映像を見たのだが、自己採点では113-113のドロー。ダメージを基準に考えればロマゴンが負けた試合ではないと思うのだが、判定はドロー一者、残る二者は114-112でシーサケット。ロマゴンがプロ47戦目にして初黒星を喫した。
 出だしでダウンを喫してしまい、さらにバッティングで流血。序盤で崩れたリズムを取り戻しきれず、あまりに展開に恵まれなかった。
 とはいえ、これまでのロマゴンなら序盤に相手が粘ろうとも、圧倒的な回転力で気が付けば自分の土俵に引きずり込んでいたはず。今回も3R以降は得意の連打でシーサケットを下がらせる場面がたびたびあったが、そこから最後の一押しができずシーサケットに逃げ切りを許してしまった。前戦でもみられた「階級の壁」に遂に屈してしまったわけで、そういう意味では唐突ではあったがそこまで予想外でもない、と受け止めるのが妥当なのかもしれない。

 完敗ではないが、現在進行形の不敗神話を続けていたロマゴンに黒星がついたのは紛れもない事実。ファン待望の井上との怪物対決の実現にこの結果がどう影響するかは読みにくいが、この日がボクシング軽量級戦線にとって大きな転換点になることは間違いない。

by nugueira | 2017-03-23 23:42 | ボクシング | Comments(0)