RIZIN(29日)の感想①
2016年 12月 30日
観客数は昨年29日から約4千人増の1万6千人。主催者発表を鵜呑みにするのは危険だけど、2年目に入りスケジュール調整をしたうえで年末を迎える人が増えたというのはあるのでは。
北岡悟○-×ダロン・クルックシャンク(1R ギロチンチョーク)
スタンドで戦いたいクルックシャンクに、北岡は細かいフットワークを使いながら打撃で応戦。時おり北岡のパンチも入るが、ハイキックを織り交ぜたクルックシャンクのコンビネーションが回転力で上回る。徐々に劣勢になる北岡はパンチをもらいダウンするが、クルックシャンクは深追いしない。
顔面から流血した北岡は序盤ほどフットワークを使えなくなるが、それでもスタンド勝負。タックルに敢えていかないのかそれともいけないのか、どちらにせよもう勝負ありか…と思った1R終盤、北岡が遂にタックルへ!一度はロープ外へ逃げられるが、組んでの状態からの再開後にすぐさまテイクダウンを奪い、クルックシャンクの動きに合わせてギロチンへ!一度きりのチャンスをものにした北岡が強豪クルックシャンク相手に大逆転の一本勝ち。
北岡のここ一番での勝負運のなさを何度も見てきただけに、グッとくる勝利。最後の「明日また生きるぞ!」のマイクは元ネタが分かる人間も少なくなってきてるだろうと思うが、のっけから会場を北岡劇場に引きずり込んでみせた。
ワジム・ネムコフ○-×アリソン・ヴィセンテ(1R KO)
開始早々ネムコフが足を滑らせるが、組み付いてきたヴィセンテを逆にテイクダウンすると強烈なパウンドを連打。かつてのヒョードルを思い起こさせるパウンドアウトで秒殺勝利。
浅倉カンナ×-○アリーシャ・ガルシア(判定)
タックルで押し込む浅倉だが、投げを潰されバックを奪われる。1Rはガルシアがバックキープからチョークを狙い優勢に試合を進める。
グラップリングでは分が悪そうな浅倉だが、スタンドでもガルシアの思い切りのいいパンチに押され気味。2R以降もタックルは狙うがガルシアに優位なポジションを取られる展開が続く。時おりトップを奪った浅倉がパウンドで攻め込む場面はあったが、試合の流れはひっくり返せず判定負け。大舞台で戦うにはまだ全局面でスキルの積み上げが必要な感じ。チケット購買力はありそうなので(会場内2か所に応援団が分かれて陣取っていた)、レギュラー確定なのかもしらんが。
矢地祐介○-×マリオ・シスムンド(1R KO)
シスムンドは何度見てもパッキャオに似てる。というか絶対それが理由でオファーしただろ。
開始早々矢地が跳びヒザを入れると、効かされたシスムンドにパンチ連打。最後は跳びヒザをボディに突き刺して秒殺KO。向かい合った時点でもシスムンドが小さいのは明らかで、矢地が噛ませ犬相手にきっちり仕事をした感じ。試合後のマイクの話し方がアホっぽいので今後の扱いが難しそうだが。
和田竜光○-×カイ・カラフランス(判定)
開始からスピードのあるパンチを振るっていくカラフランス。右をもらった和田が一瞬ヒザを着きダウン。だがカラフランスもローが効いている様子。
2Rに入るとカラフランスのローのダメージが顕著になり、足の踏ん張りが効かなくなってくる。和田はボディとローで攻めると、3Rにはテイクダウンからバックをキープし続け判定で完勝。計量オーバーの相手に勝ってくれて良かったが、きっちりフィニッシュして欲しい試合だった。
元谷友貴○-×アラン・ナシメント(判定)
ナシメントは鋭い打撃から元谷が下になると踏みつけ、といかにもシュートボクセなスタイル。ナシメントに上を取られた元谷はなかなか脱出できず嫌な流れになるが、オモプラッタからのリバースに成功。ラウンド後半は元谷がパウンドで削りギロチンも狙う。
2Rは元谷のパンチにナシメントがタックルを合わせテイクダウンするが、元谷はフットチョークの後にまたもオモプラッタからリバース。ギロチンを極めかけた元谷が判定でナシメントに勝利。
和田と同様一本勝ちでアピールしてほしかったが、このレベルの相手に勝ったのは大きい。それにしても元谷がここまで柔術スタイルの選手に変貌していたとは驚き。オモプラッタからのリバースはぜひ真似したい(どこで?)。
宮田和幸○-×アンディ・サワー(1R 腕十字)
開始早々宮田が組み付くとあっさりテイクダウン。この後は宮田の独壇場で、サワーの動きに合わせ三角、ノースサウスチョーク、立とうとするサワーをがぶってギロチンと圧倒。最後はマウントから三角に移行し、サワーが脱出しようとしたところで腕十字を極め一本。正直宮田がここまでサブミッションをつかいこなせるとは意外だったが、サワー相手だとスパーリング感覚だったか。サワーはこの負け方をしてしまうと、次以降のマッチメイクが難しくなってくる。