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by nugueira
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ダンヘン、ラストマッチ。MMAの鉄人は堂々とオクタゴンを去る!

 UFC204、まずはメインの感想を。

マイケル・ビスピン○-×ダン・ヘンダーソン(判定)
 開始からじりじりと圧力をかけるビスピン。ダンヘンは無駄な手数を出すことなく、大振りな右を繰り出すいつものパターン。ビスピンが細かいパンチを出し続けるが、1ラウンド終盤にダンヘンの右がヒット!ビスピンはダウンしながらもガードの体勢を取るが、ダンヘンは上からエルボー!ビスピンは何とか凌いでラウンド終了のホーン。
 痛いダウンを喫したビスピンだが、動きは落ちることなく2Rも前に出ていくと、ワンツー、ハイを打ち込んでいく。1R以上にビスピンが攻勢で迎えたラウンド終盤、ダンヘンのローブローのアピールをレフェリーが流した後にダンヘンの右がまたもヒット!ダウンしたビスピンはガードポジションでこれ以上の追撃を防ぐ。ダンヘン、やはり追い込まれてからが強い。
 3Rも圧力をかけるビスピン。決定打は出ないがワンツー、ローを次々と打ち込んでいく。ダンヘンはさすがにしんどくなってきたか、手数がガクリと減ってきた。
 4Rに入るとダンヘンは再びペースを上げ、ローやパンチ。逆にビスピンは疲れてきたか。それでもビスピンは前に出てハイキックや関節蹴りを出していく。このラウンドはこれまでで最も微妙だが、圧力と手数でビスピンか?
 5R、ダンヘンも前に出るが、ビスピンは下がりながら右アッパーをヒット。終盤にダンヘンが組み付いてテイクダウンするが、ビスピンは立ち上がる。ダンヘンの浴びせ蹴りが空振りに終わったところで試合終了。

 1、2がダンヘン、3、5がビスピン。4Rがかなり微妙だが…と思いつつジャッジを聴いたが、三者ともビスピンを支持。地元で7年ぶりのリベンジとタイトル防衛に成功した。49-46が一名いたことにツイッター上では不満の声も多くみられたが、2Rは終盤のダウン以外はビスピンが押し続けていたので、ビスピンにつけるジャッジがいるのもギリギリ許容範囲では。

 タイトルマッチが決まった時点では批判も多かったマッチメイクだが、終わってみればそんな声も吹き飛ばすような名勝負に。とにかくダンヘンが凄すぎた。唯一絶対の武器である右を炸裂させ、2度まで「あわや」という場面を作ったのはお見事。逆にビスピンはこのピンチを凌いでダンヘンのガス欠を呼び込んだのが逆転につながった。変な言い方だが、ダンヘンの一発をもらう前提で戦っていたようにも見える。

 試合後のマイクでは既定路線通りこの試合限りでの引退を表明したダンヘン。リングスKOKに始まりPRIDE、ストライクフォースでベルトを獲得し、最後はUFCのベルトに指先がかかるところまでたどり着いてみせた。キャリアの長さ以上に特筆すべきは、そのキャリアを通じて「変わらなかった」こと。高阪が雑誌の記事で「ダンヘンの戦い方はガンガン前に出て右。それだけです」と解説していたのはもう7~8年前だったはずだが、そのスタイルを貫いたまま今回も5Rを戦い抜いてみせた。キャリア終盤の明らかな打たれ弱さは見ていて危険を感じるレベルであり、引退の決断はもう少し早くても良かったのではないかというのが正直なところだが、とにもかくにも「鉄人」という表現がこれ以上ないほどしっくりくるMMA人生だった。

 ダンヘンがマイクで話していたコメントの中に「歳の割にオレ、頑張っただろう?」という発言があったが、頑張りすぎだよ。今はとにかくゆっくり身体を休めてください。本当に、本当にお疲れ様。そしてありがとうございました。

by nugueira | 2016-10-09 22:13 | UFC | Comments(0)