亀海快挙、ロマゴンまさかの大苦戦
2016年 09月 14日
1Rから亀海がいきなり左ボディを効かせる好スタート。だがソト・カラスもすぐに反撃に転じ、2Rはボディの削り合いに。時おり飛んでくるソト・カラスのアッパーが怖い。
3R以降も亀海はいいパンチを入れていくが、打たれても手数が減らないのがソト・カラスの厄介なところ。亀海は与えたダメージでは上回っているはずだが、手数と回転力で五分の印象に戻される我慢比べの展開が続く。それでも亀海は圧力で押し続け、5R辺りからソト・カラスのスピードと手数が落ち始める。
6Rに強打でソト・カラスを下がらせた亀海は、7Rに強烈なボディ!ソト・カラスは露骨に効いた様子を見せるが、それでもクリンチで凌ぎながら反撃。亀海は攻め切れなかったのが痛い。
だが続く8R、亀海の右が入るとソト・カラスが根負けしたようにダウン!カウント9で立ち上がり残り時間を凌ぐが、ラウンド終了後に陣営が棄権し亀海がTKO勝利。
前回のドローから通算して18ラウンド目にして、亀海が遂に曲者ソト・カラスを振り切ったという感じ。この階級で日本人がこういう勝ち方をできるとはなあ。この勝利でアメリカでの評価も上がるはずなので、さらなるステップアップへつながってほしい。
続いてWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ、ローマン・ゴンザレスvsカルロス・クアドラス。
1R、クアドラスの速いパンチにやや様子見の感じもあるロマゴン。のっけからもの凄いスピード合戦が繰り広げられる。
それでもロマゴンは2Rから圧力を強めてクアドラスを徐々につかまえだすと、有効打の数を増やしていく。気づけばいつものロマゴンのペースか…と思いきや、4Rからクアドラスがパンチの回転を上げて反撃。このラウンドは有効打でロマゴンが取ったと思うが、クアドラスは5Rになおもギアを上げ、ボディを起点に連打を出していく。6Rに入ると有効打の数でもクアドラスが五分に引き戻し、試合の行方がにわかに分からなくなってくる。
7Rはロマゴンがボディ連打でやや持ち直すものの、8Rは再びクアドラスが手数で優勢。まさかロマゴンが回転力で後れを取る展開になろうとは。
9R以降はどちらについてもおかしくない展開が続く、まさに死力を振り絞るような試合。基本的にロマゴンが圧力をかけ続けるのだがクリーンヒットに結びつかず、クアドラスの方は後半に入ってもスピードが全く落ちない。それでも11・12Rはロマゴンが最後の力を絞り出したように連打を仕掛け、盛り返した印象で試合終了。判定は2~6ポイント差で三者ともロマゴン。傷だらけの勝利で4階級制覇に成功。
ロマゴン勝利という結果をうっかり知ってしまってから試合を見たのだが、ライブで見ていたら「ロマゴン負けた」と思っていたはず。圧力が評価されたんだろうけど、6ポイント差はないよなあ。
とはいえ、もはや勝敗に関係なくクアドラスが評価を上げ、ロマゴンが限界を感じさせてしまった試合。これまで近距離の打ち合いでも顔にキズ一つつけないディフェンス勘を誇っていたロマゴンが、顔を腫れ上がらせて試合終了のゴングを聴く日が来るとは。後半はクアドラスのスピードについていけていなかったが、今までならフットワークを使う相手でも問答無用に自分の土俵に引きずり込んでいたはず。やはり階級を上げてフィジカルで不利になっている分、相手のスピードを殺すことができなくなっているのだろうか。体調不良説もあったので、次の試合ではあっさりチューンナップしてるかもしれないが。
とにもかくにも、これで井上とロマゴンが同階級のベルトを持つことになった。旬の時期を外さないうちに、という意味でも両者の対戦を一刻も早く実現させてほしい。
帝拳の本田会長も、まだSフライにアジャストしきれていないと判断しているのでしょうね。
井上との統一戦は来年年末を目指し、それまでにエストラーダとの再戦、クアドラスとの再戦を挟みたいという目論みのようですね。
あと1年以上先で、果たしてまだまだ成長している井上の体が待ってくれるのでしょうか。
視察に訪れた井上とロマゴンの2ショット写真がありましたが、身長差ありすぎでしたからね。
先週の井上、今週のGGGとロマゴン。
この三者には、あまりに大きく期待してしまうため、
どの試合もあまりすっきりとさせてもらえなかったなぁ、
というのが率直な感想です。
1年経ったら「あの時は失礼しました」と謝っているパターンですかね。先週とは対照的に、金曜以降の山中・長谷川・カネロの試合が凄すぎましたね。
>ユウツギ様
とはいえロマゴンもフライ級のままだとモチベーションが上がらないんでしょうね。井上は拳が万全なら勝てるんじゃないかと思えてきましたが、この前提条件をクリアするのがかなり難しいんではないかと。