MMAの判定基準
2015年 05月 27日
「(パンクラスでは)二度と戦うつもりはない。このままなら、またバカにされるだけだから、もうパンクラスでは戦いたくない」
「(日本で戦いたいと思っているブラジル人ファイターには)日本では外国人選手はリスペクトされないと伝えるよ。日本ではゴミのようにしか扱われないから、日本のことは忘れた方が良いと伝えたい」
というサンドロの激しい言葉は、誌面からでも怒りが伝わってくる。判定の是非についてコメントはできないが、日本で数々の名勝負を見せてくれた選手がこういうイザコザで本当に来なくなってしまうとしたら寂しい。
サンドロの去就は一旦さておいて、今回の特集がしっかりしているのはパンクラスの梅木レフェリーや修斗の鈴木事務局長といったジャッジをする側にもインタビューをして、ジャッジの考え方を質問している点。一般のファンとしては「あの試合のジャッジはおかしかった」と思うことはできても「じゃあなんでジャッジはああいう採点をしたんだ?」と聞くことはできないので、こういう記事は本当にありがたい。
梅木・鈴木の両名ともユニファイドルールへの適応については試行錯誤という雰囲気だが、それでも
・塩水に例えると、従来のジャッジはドンと塩を入れた場面(ダウンなど)が重要視されるのに対し、ユニファイドは5分間塩を入れ続けて、5分間の塩分量の濃さを判断する。(梅木)
・まず評価されるのは効果があること、続いて有効かどうか。お尻や肩に当たっても相手がすごく効いて逃げ回ったらこれは効果的。そこで差がつけられない場合は、どちらが綺麗に当てていたか(有効か)を評価する。(鈴木)
といった発言はなるほどね、と思わされた。見る側も文句つけるだけでなく、どういう基準でジャッジが判断しているかは理解しないといけない。そのうえで「この判断基準自体がおかしい」と思ったらそういう声を上げればいいわけだし。
あと梅木レフェリーが紹介していた「大会終了後に審判団のなかで意見交換を行い、アメリカでライセンスを持つジャッジに質問をするなどして意思統一を図っている」という事実には安心した。まあアメリカも含めそれでも変なジャッジは後を絶たないわけで、勉強会をやっていることを免罪符にしては駄目なんだろうけど。