ワイルダー&サンタクルス
2015年 02月 11日
1Rから両者積極的に手数を出していく展開になり、近距離でのボディの打ち合い。2Rに入ってもお互いペースは変わらず、ルイスは打ち負けることなくサンタクルスにパンチを見舞っていく。
それでもこの展開はやはりサンタクルスの得意な土俵。3R終盤にアッパーを効かせると、回転力の差で徐々に優勢になっていく。ルイスは押し負ける場面が増え始め、7Rにはサンタクルスの有効打が繰り返しヒット。そろそろダウンが欲しいか・・・という空気で迎えた8R開始早々、サンタクルスが右ストレートをヒットさせると、下がったルイスをロープ際に詰めて滅多打ち。ルイスが反撃できなくなったところでレフェリーが止め、サンタクルスがKO防衛。
流れが傾いてきた勝負所を逃さずきっちり仕留めるのはさすが。噂されているリゴンドーとの統一戦、ぜひ実現してくれないものだろうか。
続いてWBC世界ヘビー級タイトルマッチ、バーメイン・スティバーンvsデオンテイ・ワイルダー。
並んでみるとけっこう上背に差のある両者。1Rは意外と静かな立ち上がりで、ワイルダーは丁寧にジャブを突いてワンツーで攻めていく。しかし2Rに入るとワイルダーは間合いをつかんだか、次々と右をヒット。ラウンド終了間際には連打を食らわせるが、ここはスティバーンがゴングに救われる。
3R以降もスティバーンは懐に入れる気配が全くないのだが、ワイルダーも攻め急いでいる感じはなく、キャリア初の5Rに突入。するとスティバーンはようやくリズムをつかんできたのか、急にワイルダーとの距離を詰める場面が増えてくる。5R終盤には連打を食らわせて流れを取り戻したワイルダーだが、6Rには再び懐に入られてしまう危なっかしい展開。初の長丁場で攻め疲れになったか。
それでもワイルダーは7Rに右ストレートを効かせると、下がったスティバーンに猛ラッシュ。次の8Rには再度スティバーンに圧力をかけられてしまいどうもパフォーマンスが安定しないが、9・10Rはワンツーで着実にスティバーンを削り勝敗を決定づける。終盤はワイルダーは詰め切れない展開だったもののスティバーンにも反撃の余力は残っておらず、大差の判定でワイルダーの勝利。アメリカ人のヘビー級世界戦の連敗を20でストップし、久々のアメリカ人王者の誕生となった。
ワイルダーはフルラウンド戦えることも証明し、これまでの戦績がフロックではなかったことを示したが、一方でムラや粗さも目立った内容。クリチコの統一戦云々を言えるレベルではなく(本人や陣営が望んでいるのか知らないけど)、まずは防衛を重ねて実力を証明してほしい。
サンタクルス×リゴンドーは現時点では完全に消滅してしまいましたね。
さすがのリゴンドーもフェザーを視野に入れ始めているそうで。
デラホーヤとアラムの和解で、これまで実現不可能とされてきた対戦が行われていくかも、という期待が大きくありましたが、有力選手の相次ぐGBP→アル・ヘイモンへの売却で、またしてもボクシング業界も混沌としてきましたね。
今後ファンが楽しめるカードがどんどん組まれていくこととなるのか、はたまたトップランク、GBP、ヘイモン傘下の三つ巴で、さらに契約の壁が厚くなってしまうのか。
今後どうなっていくか目が離せませんね。