ゴロフキン激勝、ドネア撃沈
2014年 10月 19日
まずWBA世界フェザー級王座統一戦、ニコラス・ウォータースvsノニト・ドネア。1Rにまず圧力をかけていくのはウォータース。ドネアは下がりながらウォータースのパンチを受けたところで尻もちをつき「ダウンか?」とヒヤリとしたが、ここはスリップの裁定。ラウンド全体として前に出て左を入れ続けたウォータースのペースだが、距離が詰まるとドネアも左を強振。パンチが交錯する瞬間の緊張感がたまらない。
2Rに入ると一転してドネアが反撃。ウォータースのリズムをつかんできたのか、左フックをたびたび入れて主導権を握ると、ラウンド終了間際には左フックがヒットしグラついたウォータースに連打。ウォータースはゴングに救われる。
迂闊に前に出られなくなったウォータースに対し、3Rもドネアは攻勢。これは流れがドネアに傾くか・・・と思ったラウンド終盤、ウォータースの右アッパーが入りドネアがガクリと膝をつくようにダウン!ウォータースが一発で再び流れを手元に引き寄せてみせる。
4Rはドネアはとりあえず回復待ち。ウォータースはリーチ差もさることながら左がよく伸びるため、ドネアは細かいパンチをもらい続けてしまう。5Rにはドネアが再び反撃に転じ接近戦での打ち合いを挑むものの、ウォータースは逆にドネアを押し返し有効打を入れていく。この辺りはナチュラルウェイトの差が出てしまったか。
ドネアがジリ貧の状態で迎えた6R、ウォータースは圧力を強め攻勢。ドネアも起死回生の左を狙ってはいるのだが、ラウンド終盤にドネアのパンチをかわしたウォータースが打ち下ろしの右をヒット。テンプルを打ち抜かれたドネアは前のめりに崩れ落ちたまま立ち上がれず、ウォータースが5階級制覇の英雄をKOに斬って落とした。
勝敗も展開も予想していた通りではあるのだが、それでもドネアが崩れ落ちたフィニッシュシーンは衝撃的だった。パッキャオvsマルケスⅣのフィニッシュが頭の中でフラッシュバックしたが、あの日と同様、今日はボクシングの歴史が動いた日として語り継がれるのではないか。
ドネアは要所要所でいい動きは見せていたのだが、それでもウォータースには通じず。名王者が階級の壁に屈するのは寂しいが、やはり今回の負け方を見ているとこれ以上フェザー級で戦うのは無理がありそう。本人も階級転向を示唆していたが、今後果たしてファンを満足させるマッチメイクとパフォーマンスを見せることはできるのか。やはりドネアという稀代のボクサーの歴史は、今日をもって一つの区切りを迎えたと見ておくのが妥当か。
続いてWBA・WBC世界ミドル級王座統一戦、ゲンナディ・ゴロフキンvsマルコ・アントニオ・ルビオ。計量オーバーでWBC暫定王座を剥奪されたルビオは、ゴロフキンを体格で大幅に上回る。1R序盤こそ若干やりにくそうな気配もあったゴロフキンだが、ラウンド終盤には早くもルビオに左右の連打を浴びせ優勢。続く2R、無駄のないワンツーでルビオを下がらせると、ガードの隙間をすり抜けるように右アッパーを入れ、最後は左フックでテンプルを打ち抜き、ルビオはそのまま10カウント。パワープレーを仕掛ける暇も与えず、ゴロフキンが12連続KO防衛を達成。
馬鹿野郎ゴロフキン、多少は苦戦したフリしなきゃまた強豪から避けられるぞ!と怒りたくなるほどの相変わらずの圧勝劇。パンチ力がある上にきっちりガードの隙間を打ち抜いてくるんだから、相手は打つ手がないわな。ゴロフキンは試合後のマイクでミゲル・コットの名前を挙げたようだけど、コットお願いだから逃げて。本当に殺されるぞ。
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ちゃんとやる気あんの?って思っちゃうんですよねぇ。
パワー不足ならスピードで翻弄する、ってのが下から上げてきた選手の常套手段なはずなのに、肝心のスピード感まで薄れちゃってましたし。
リゴンドーにいいようにやられっちゃって、自分の限界を見ちゃったのではないでしょうか。今のドネアからは惰性で選手続けてますっていうふうにしか見えてきません。
1万人の観客集めたようで、アメリカでのゴロフキンの人気もなかなかいい感じみたいですね。
WBAよりは暫定に厳しいWBCなんで(最近そうでもないかw)統一戦指令でも出るかもしれないですね。
vsコットはかなり実現確率高いのではないでしょうか。
ますます今後が楽しみですね。
今週は山中選手の防衛戦もありますね。
でもあまりそそられませんw
ドネアはここ3試合の悪い面が凝縮されたようなパフォーマンスでした。本人もモチベーション探しに苦労している面は確かにありそうですね。
私もアルジェリが映った瞬間「この俳優誰だっけ?」と思いました。
>ユウツギ様
ウォータースは元から評価されて当然のボクサーだったわけですが、今回の試合で商品価値も一気に跳ね上がるでしょうね。言い方は悪いですが、ドネアの介錯をするには一番いい相手だったようにも思います。
「この黒人、リトル・ゴロフキンじゃん」と。
ドネアとの試合でも、2Rにあわやの場面があったように防御面での穴が大きいと思っています。体の柔らかさもあまり感じられませんし。
フィジカル負けさせられない相手に同じ戦い方してたら、いいパンチもらって倒れちゃうように思います。
ジョニゴン相手とかだとどうでしょうね。いずれやってくれないかなぁ。
一発の威力というより着実なパンチの積み重ねでKOを奪う、という点は確かにゴロフキンと共通するかもしれませんね。
>みゆパパ様
ただそのフィジカルの強さが半端じゃないので、ウォータース相手に押し勝つのは難しい気がします。フェザー級はジョニゴン、グラドビッチ、ロマチェンコと面白い王者揃いなので今後の展開が楽しみです。
これは無いですよ。大げさすぎます。私も含めてドネアがKOで負けるの予想してた人はかなりいたと思います。パッキャオxマルケス4の状況とは注目度を含めて次元が違います。
ドネアは階級下のダルチニアンにもほぼ負けてましたから、フィジカルだけの問題ではないです。
2ラウンドまではドネアの動きも良かったように感じました、それで強引にきたウォータースに合わせてあわやの場面をつくったのですが、3ラウンドの意外性のあるアッパーで流れを断ち切られてしまいました。あのアッパーはまぐれなのか狙って打ったのかわかりませんが。
ウォータースは長いジャブ、コンパクトなパンチも上手く当ててテクニカルなことも出来るんだと感心しました、ただ自分もゆみパパさんと同じでまだ懐疑的部分はあるので評価は保留にしておきます。
私自身もドネアKO負けという予想はしていましたが、それでも現実の光景として目の辺りにするとなかなかの衝撃です。ウォータースは他団体の同級王者と戦ってもあっさり勝ちそうな気がするんですが。