UFC on FOX12の感想
2014年 07月 27日
ジョシュ・トムソン×-○ボビー・グリーン(判定)
両者ともにローとパンチのコンビネーションで手数を出し続ける。前に出続けているのはグリーンで、トムソンはクリーンヒットはもらっていないもののフィジカルで押されかけている、少し嫌な展開。
2Rに入るとグリーンが引き続き圧力と手数で押していくが、トムソンは浅いながらもハイキックを入れて反撃。さらにラウンド終盤にはテイクダウンを取るが、ここはグリーンがすぐさま立ち上がる。微妙なラウンドだがトムソンの方が目立つ有効打が多かったか。
勝負所の3Rだが、ここはグリーンがまたも圧力の強さでペースを握っていく。組み付いてケージに押し込みながら細かい打撃を入れ続け、手数がガクッと減ったトムソンを圧倒。判定はスプリットにもつれこんだが、2-1でグリーンの勝利。これでライト級トップ集団がまた大混戦に。トムソンは最後に手数が減ったのがあまりに痛すぎた。
クレイ・グイダ×-○デニス・バミューデス(2R チョークスリーパー)
打撃の交錯からグイダがタックルに行くがテイクダウンは奪えず、逆にバミューデスは首相撲からのヒザを叩き込んでグイダを削ると、グイダのタックルをがぶってバックへ。チョークスリーパーはグイダが何とか凌ぐが、得意のスクランブル戦で圧倒される苦しい展開。
2Rに入ってもバミューデス優位の流れは変わらず、打撃で押し込んでテイクダウンを奪うと、そのままバックへ。グイダは今度はチョークを凌ぐことができず、敢え無くタップ。バミューデスはこれで6連勝。
これまで五味、日沖、川尻といった面々をなで斬りにしてきたグイダが完敗という、間接的に日本勢には厳しい現実。UFCの選手層は果てしなく厚い。
アンソニー・ジョンソン○-×アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(1R KO)
開始と同時に圧力をかけていくジョンソンは、そのままホジェリオをケージ際に詰めてパンチ連打。右アッパーがクリーンヒットしホジェリオのアゴが思い切り跳ね上がると、そのままジョンソンが連打を叩き込みレフェリーストップ。わずか44秒でジョンソンがホジェリオを粉砕し、これでUFC復帰後2連勝。
ジョンソン勝利を予想していたとはいえ、ここまで一方的な展開になったのはショック。奇しくもノゲイラ兄弟が同じ年に相次いでKO負け。今更ながらかもしれないが、一つの時代が明らかに終わった。
ロビー・ローラー○-×マット・ブラウン(5R)
予想通りの打撃戦からスタート。ローラーは右アッパーを打ち込み序盤を優位に進めるが、中盤にブラウンの左フックをもらったローラーの動きが止まり、一気に形勢逆転。ブラウンはテイクダウン、更には首相撲からのヒザでローラーを攻め立てる。しかしラウンド終盤に入るとローラーが左ミドルとカウンターのパンチを入れ再度優勢に。1Rだけで流れが二転三転するとんでもない試合展開。
2Rに入るとブラウンが少し距離をおき、テイクダウンも混ぜながら戦いだす。ローラーはカウンター狙いのせいもあってか目立つ有効打の数が減り、このラウンドはブラウンが取った印象。
しかし3R、ローラーの左ミドルが入り、ブラウンの動きが一気に落ちる。エリック・シウバ戦で攻められた脇腹がやはりウィークポイントなのか、この後もローラーの左ミドルが入るたびにブラウンは下がり続け、試合の流れが一気にローラーへ傾いていく。続く4Rは蹴り足をつかんだローラーがテイクダウンから上をキープし、スタンド勝負以外でもブラウンを圧倒。試合の大勢はほぼ決した印象になる。
最終ラウンド、後がないブラウンは自ら前に出て打撃戦を挑む。序盤はローラー優勢だったもののブラウンはヒジを繰り返し打ち込んでいき、ローラーは下がる場面が増えてくる。ローラーが再度左ミドルを叩き込んでブラウンを止めるものの、ブラウンはそこからなおも前に出て反撃を続け、両者譲らぬ打撃戦が続いたまま試合終了。判定は3-0でローラーが制し、タイトルマッチへの挑戦権を獲得した。
個人的採点は2・5Rがブラウン、他はローラー。シーソーゲームの1Rと5Rの打撃戦がとにかく素晴らしく、勢いに乗る選手同士ならではの激闘だった。ローラーは最終ラウンドにやや集中力を切らしてしまったのが懸念材料だが、ジョニヘンとの再戦はとにかく楽しみ。ジョニヘンの回復待ちだろうが、何としても年内には実現してほしい。
「よくそのコンディションで試合するわ。しかも『まだまだ俺はトップを狙える』というような発言なんてありえんだろ」
と、まさに声に出してテレビに向かって嘆いてしまいました。
二人をオクタゴンに上げ続けるなんてことは、本当にUFC初の・・・なんてことになりかねないので、誰かが止めてほしいです。
重量級なので、特に試合勘戻る前に一発貰うとかは気をつけないと。
ホジェリオがもう通用しないかどうかはわからないですが、ジョンソンが強い事は疑いようのない事実ですね。
ウェルターで揉まれてた選手がライトヘビーに来ると技術的には楽だろうなとは思います。
ましてあのフィジカルですし。
ブラウンは相変わらずの不気味な程の不死身ぶりですが、ローラーは冷静かつ激しく、よく5R戦い切ったなと思いました。
あれだけボディなんかを効かせたのに、強烈な打撃を出しまくってくる相手にはどこかで飲まれてしまいそうなもんですけど。
やはりローラーは地力がある。
今はジョニヘン、ローラー、ロリマクの三人が抜けてるのかなと思いました。
グイダは昔ほど動きまくってなかったので、身体能力は落ちてるように見えますね。
ロンゲの揺れが足りないというか。
バミューデスの充実は間違いないですが、グイダはペティスや五味を倒した時ほどの動きのキレには見えなかったですね。
ホジェリオはキャリアでのKO負けも少なくミノタウロに比べてダメージの蓄積は小さいはずですが、ここからの巻き返しは正直想像しにくい、と言わざるを得ない負け方だったと思います。ジョンソンがかつてウェルター級だったのは何かの冗談としか思えないですね。
グイダも動きに精彩がなかったのは確かで、このまま下降線に入っちゃうんですかね。
ノゲイラ兄弟については、足裁きというかぎこちない足の動きを見ているにつけ、あっさりと対戦相手の距離で戦わざるを得ないように思います。
かといって、上体の動きだけで捌くような機敏さも持ち合わせておらず、
誰と対戦しても、いいようにパンチをもらうだけではないかと思ってしまいます。
どちらにしても、PRIDE幻想を引きずっている世代としては寂しい限りではあります。
フットワークは元からそんなに良くないですし、おっさんさんが仰っているようにその前にいいの貰ってしまっているので…
試合勘が戻ってないのもそうでしょうし、自分はもう一戦ホジョリオに期待したいと思います。兄の方はもうちょっと厳しいかもしれませんが…
相手が悪かったのも多分にあるでしょうが、もう一戦やらせてあげるのが本当に本人のためになるかどうか・・・。この前書いた川尻の記事とも関係しますが、ベテラン選手の引き際は本当に難しいです。