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by nugueira
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高山vs小野

 IBF世界ミニマム級タイトルマッチ、高山勝成vs小野心の感想を。こちらは掛け値なしの名勝負に。

 1Rは高山が相変わらずの軽快なステップワークで自分のリズムを作り、主導権を握った印象でスタート。しかしサウスポーでリーチに勝る小野は高山を簡単に懐に入らせず、ジャブからの左ストレートを入れていく。高山は手数は出そうとしているのだが、小野に先手を取られリズムを握られてしまう苦しい展開。それでも4Rには素早い出入りでリーチ差を克服し始め、五分のポイントで序盤戦を終了。
 しかし5Rからは再び小野のペースに。競った展開にはなるのだが、そうなると要所要所で左ストレートを入れる小野の印象が良くなってくる。懐に入るチャンスを探り続けながらも攻めあぐねる高山は7Rには手数で遅れを取り始め、かなり厳しいムードに。
 だがしぶとく前に出て距離を詰め続けた高山は、8Rに乱打戦に持ち込むことに成功。小野のパンチも入っているので主導権を完全に奪い返したわけではないが、打ち合いの場面が増えるにつれ少しずつ流れが変わってくる。5~7Rは小野、8・9Rは高山という印象。
 迎えた10R、もみ合うような体勢から小野の上半身がロープの外に出るが、ブレイクはかからず。レフェリーの動きを確認した高山は小野に連打を叩き込みダウンを奪取。さらにラウンド終了間際には飛び込みながらの右フックをヒットさせる。レフェリーの判断に問題があり小野にとって不運な展開だが、これで高山はポイントで逆転。
 11Rは逆転を狙う小野が前に出ていくが、両者ともに消耗しており手数が出ない。個人的採点ではこのラウンドは小野で、11R終了時に全くのイーブン。最終ラウンドを取った方がそのまま勝者になるか。
 その最終ラウンドで底力を見せたのはやはり高山。近距離での連打を入れると、小野はクリンチしながら膝をついてしまい痛恨の2度目のダウン。事実上これで勝負ありだったが、高山は逃げ切りは狙わず最後まで倒しにいく姿勢を見せ続ける。逆転の余力は残っていなかった小野だがこれ以上のダウンはせずに耐え抜き試合終了。高山が判定で2度目の防衛に成功。

 実績を考えると高山にとって小野は安パイの挑戦者、という見方が多かったと思うのだが、小野が大方の予想を裏切る大健闘。7Rが終了した時点では高山はもう負けるんじゃないかと本気で思った。
 だがここから強引に試合を自分のペースに引き戻してしまうのが高山のしぶとさであり強さ。レフェリングの不運があったとはいえ、小野が終盤に集中力を切らしたところを見逃さなかったのはさすが。最終ラウンドのダウン奪取後に攻め続けた場面もしびれた。昨日の記事のコメント欄でも同じ指摘をいただいたが、井岡にもこういう泥臭さやがむしゃらさがあれば・・・と思わずにはいられない。
by nugueira | 2014-05-08 22:55 | ボクシング | Comments(0)