ビカvsシジェロカ、ギールvsマンディン
2013年 03月 21日
1試合目はWBC世界スーパーミドル級挑戦者決定戦、サキオ・ビカ vs ニコラ・シジェロカ。
1R、ビカの左がヒット。さらにボディーなどで攻め込む。2Rもビカが重いパンチを着実に打ち込んでいき、シジェロカは徐々に劣勢に。
3Rに入るとシジェロカが足を止めて打ち合いを挑む展開に。シジェロカのパンチも当たるのだが、一発の重さではビカに分がある感じ。4Rにはビカの右をもらったシジェロカの動きが止まり、ビカが追い打ちのパンチを連打。5R以降もビカがゴツゴツした削りあいの展開でペースを握る。
7・8Rはビカが少しペースダウンの気配を見せるものの、それでも手数でリード。9Rにはシジェロカがいいパンチを入れるものの後が続かず、逆にビカに反撃を許してしまう。シジェロカはどうも攻めが単発でペースを奪い返せない。
11Rもシジェロカが右アッパーを出すものの入りが浅く、逆転の糸口をつかめないまま試合終了。1人はフルマークをつける大差の判定でビカが勝利。シジェロカは所々で上手さは見せたものの、ビカの手数と一発の重さにかき消されてしまった形。全勝かつKO率は低いという戦績からすると丁寧なボクシングをするタイプなのだろうが、この試合に関しては戦い方が丁寧すぎたか。
ビカはこれで挑戦権獲得だが、相手はP4Pの呼び声も高いウォード。相当厳しい試合になりそう。
続いてIBF世界ミドル級タイトルマッチ、ダニエル・ギールvsアンソニー・マンディン。
1Rにギールの左がいきなりヒット。先手を取ったギールは2Rも前に出てボディから顔面へのコンビネーションで攻め込んでいき、リズムに乗ってくる。
3R以降もギールは手数で圧倒。一発の重さはないものの圧力と手数でそれをカバーし、マンディンは受けに回る時間が多くなってしまう。
後半に入るとギールは若干ペースダウンしつつも、相変わらずプレッシャーと手数でリード。マンディンはなかなか試合の流れを変えられない。10R辺りから近距離での打ち合いの場面が増えるがギールはここも無難に乗り切り、最後まで主導権を譲らずに試合終了。判定3-0でギールがマンディンへのリベンジを果たすとともに4度目の防衛に成功。
ギールの戦い方は面白味は皆無だったが、自分が勝つスタイルをきっちり固めている感じ。先日来Sウェルター~Sミドルの試合を見ると「村田はこの相手にどこまで通用するか」というフィルターが無意識のうちに作動してしまうのだが、その意味でいくとギールは同階級のゴロフキンやマルチネスのような怪物性は感じられず、まだ戦い様はあるかな、という感じ。村田陣営は最終的にはこういう「相手をしてもらえる余地がありそうな王者」に狙いを定めていくのかな。
まあこれはあくまで相対的な評価であって、前述のとおり自分の持ち味を把握して勝つためのスタイルを確立しているギールは十分過ぎるほど強い王者なんだろうけど。そもそも村田が世界戦にたどり着くまでに越えなきゃいけないステップは山ほどあるわけだし。
やっぱり金メダリストの実力は伊達ではないということでしょうね。ただ国内の選手でも村田を食ってやろうと思っている選手はいるはずで、当面はそういう相手とのマッチメイクでもそれなりに盛り上がりそうですね。