UFC128の感想
2011年 03月 20日
ミルコ・クロコップ×-○ブレンダン・シャウブ(3R KO)
ケージに押し込まれつつもスタンド勝負を続けるミルコだが、左ストレートに完璧なタイミングでタックルを合わせられテイクダウンを許し、パウンドでコツコツと削られてしまう。ゴンザガ戦のような嫌な展開。
それでも2Rには組み付き際でヒジをヒットさせ、さらにシャウブが後頭部への打撃で減点。一方的な展開にはさせないミルコだが、3R終盤にローキックにドンピシャの右フックを合わせられ、頭から崩れ落ちる衝撃的なKO負け。
悪いなりによく戦っていたとは思うが、やっぱり今のミルコにはUFC戦線で勝ち抜いていくだけの力は残っていない。大会後にダナから「今日がミルコのUFCラストファイト」という発言があったらしいが、さすがにもう潮時では。
ダン・ミラー×-○ネイト・マーコート(判定)
ミラーにギロチンに捕らえられつつも、マーコートが相手をリフトしながらのパワフルなテイクダウン。2Rは打撃で先手を取り続け、ラウンド終盤にもきっちりテイクダウン。攻め疲れか3Rはややガス欠の気配も感じたが、最後まできっちりテイクダウンからトップをキープし続け、危なげない内容での判定勝ち。やっぱり試合運びが安定してるなあ。
エリック・コク○-×ハファエル・アスンソン(1R KO)
アスンソンが突っ込んできたところにコクが完璧なタイミングでショートの右フック。インパクト十分のKO勝利。
ジム・ミラー○-×カマル・シャルロス(3R TKO)
序盤はバチバチの打撃戦からスタート。ミラーはギロチンのすっぽ抜けなどなかなかペースをつかめなかったが、2Rに低空タックルからテイクダウンを取るとあっという間にバックに回り、フェイスロックで締め上げる。
3Rは疲れの見えるシャルロスを圧倒し、左アッパーからヒザ蹴り、パウンド連打できっちりKO勝利。そろそろタイトルマッチが射程圏内に入ってきたか。
ユライア・フェイバー○-×エディ・ワインランド(判定)
1Rはワインランドのリーチ差と腰の重さに手を焼いていた感じのフェイバーだが、2Rに入るとワインランドのパンチを見切り出し、タックルからテイクダウンに成功。この後はタックルが決まるとパンチも入るようになる、パンチが入るとタックルも決まりやすくなる、という好循環で試合のペースをつかみ、元WECバンタム級王者に完勝。これでタイトルマッチへのレールは完璧か。
フェイバーの試合運びは(好きか嫌いかはさておき)今のUFCで戦う際の教科書と言っていいような内容。とりあえずフェイバーとKIDとの間には簡単には越えられない壁があるな。
マウリシオ“ショーグン”フア×-○ジョン・ジョーンズ(3R TKO)
開始と同時に積極的に前へ出るジョーンズ。ショーグンのパンチに合わせて懐へ入ると、そのまま難なくテイクダウン。下からのもぐりスイープには定評のあるショーグンだが、ジョーンズの手足の長さと腰の重さに脱出できる気配すらない。立ち上がり際にジョーンズのヒザとパンチがクリーンヒットし、ショーグンは一気に動きが落ちる。
ダメージが明らかなショーグンとは対照的に、ジョーンズはどこまでも落ち着き払った動きで2R以降も圧倒。2R終盤には上を取った体勢からヒザ十字を狙うような動きまで見せる。
ショーグンにとっては完全に打つ手がなくなってきた3R。ショーグンがヒールホールドを狙うものの、それを逃れたジョーンズはパウンド・エルボーを浴びせ続け、最後は立ち上がったショーグンにボディブローとヒザを入れ勝負あり。ショーグンに攻撃らしい攻撃を全く出させることなく、23歳の新王者が誕生。
今回のジョーンズについては「一体何なんだ」という以外に言葉が出てこない。技術的にはまだ粗い面も見受けられて、有態に言えば「フィジカルの強さが最大の武器」というタイプだと思うのだが、そのフィジカルがケタ外れ。近代MMAが生んだ最強の怪物がここにいる。
エヴァンスとの同門対決が実現せずともランペイジやらリョートやら、まだ対戦していない上位陣は色々いるけど、今日の試合を見る限りこいつに勝てる人間が本当にいるのかどうか・・・。とにかく、とてつもない王者が誕生してしまった。
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負け濃厚だとは思ってたけど嫌倒れKOはショックがでかい
JJ打倒はリョートが相性的にいいかなぁと見ています
ショーグンは大幅にスタイル変えないと無理ですね
下からの仕掛けもほとんどつぶされてたしパンチも見切られてた
キックの間合いもJJのパンチが飛んでくるし詰みの状態
ほんと何も出来なかったしさせてもらえなかったですね
あとミルコお疲れ様です
私もここまでワンサイドの展開は想像しておらず、本当に度肝を抜かれました。ジョーンズからテイクダウンを取るのはほぼ不可能なので、勝つとすれば打撃で活路を見出すしかないですね。確かにリョートがベルト獲得時のように間合いをコントロールできれば面白い試合になりそうです。
絶対にテイクダウンされないと思われたBJですらテイクダウンされましたからね。
レスリングエリートのエバンスならテイクダウンは可能だと思います。
それはモーでも、ランディーでもダンヘンでも…
身体能力を活かした大技は隙も大きいので、狙うとしたらそこですね。
ジョーンズがアンデウソンさんじやなくてGSPのスタイルに憧れたら完全にお手上げです。
しかし、大技を出しつつも最後はレバー狙いの左ボディアッパーですからね、
メキシコのボクサーやホーストを彷彿とさせる技術レベルでした…
とにかく強すぎ。これからも無人の荒野をひた走りそう。。。
分析ありがとうございます。参考になります。
1Rで仕留めにいかなかったあたりは「ジャクソンズMMA仕様」なのかな、という印象もありますが、このままいくと「決定力の強いGSP」という一番手のつけられないタイプになるんじゃないかという気が・・・。
>tarou様
本人も以前ヘビー級への転向を視野に入れていると言っていた記憶があるので、アリスターかどうかはともかく、将来的にはヘビー級勢との対戦も十分ありうるだろうと思います。