佐伯氏の自伝
2011年 01月 09日
佐伯さんに自伝書くだけの文章力あるのかなあ・・・と不謹慎なことを考えながら読み始めたのだが、予想通り(?)自伝というよりはロングインタビューという感じの構成。
とりあえず全体を通じて一番驚かされるのが、DEEP立ち上げ前に実業家として成功するまでの下り。高校卒業後、父親が用意した配管工事の会社で働き始める→映像制作会社に転職してカメラマンとして修行→独立して会社立ち上げ、という感じなのだが、失礼ながら佐伯さん本人が特に戦略性や高い志を持って行動していたようには見受けられず、その場その場の雰囲気で動いているうちに成功しちゃった、としか読み取れない。
そんな印象を与えつつも成功してしまう佐伯繁という人物が大物なのか、それともこれがバブルという時代だったのか。とりあえず、DEEP立ち上げ後の苦労話よりもこの辺の話が一番の読みどころといってしまっていいでしょう。(←コラコラ)
でまあDEEP立ち上げ後の話については「旗上げ興行は4000万円の赤字」だとか身も蓋もない話も多少は出てくるものの、全体的に大人しめの印象。というわけで暴露本的内容を期待して読むとやや拍子抜けの内容なんですが、端々に出てくる佐伯さんの団体運営に関する考え方が至極真っ当なのに驚かされる(当たり前といえば当たり前なんだけど)。読み終えた後は「ああ、この人格闘技が心底好きで堪らないんだなあ」ということを今さらながら再確認できて、少し暖かい気分になれます。
ちょうどこの本を読み終えた時期に、DEEPマカオ大会中止のニュースが。10周年の年がトラブルで始まるのもDEEPらしいっちゃあらしいんですが、佐伯さんのツイッターなんかを見てると会社の存続にも関わってくる深刻な事態の模様。ここは遠まわしな寄付だと思って、まだ未読の方はぜひ御購入をお願いします。
もしくは「伊達直人」名義で寄付を。人気ブログランキングへ