K-1 WORLD GPの感想
2010年 12月 11日
マイティ・モー×-○ピーター・アーツ(1R KO)
モーの突進をものともせず、アーツが左ハイでダウンを奪った後パンチ連打を固めて無傷で初戦突破。アーツがハイでダウン奪う場面を久しぶりに見たが、今になってみるとこれがこの後の「大仕事」への序曲だったか。
セーム・シュルト○-×京太郎(判定)
京太郎は何度かシュルトの懐に入ることには成功するものの決定打は入れられず、逆に有効打を着実に入れ続けたシュルトが判定で完勝。シュルトはダメージはなかったろうけど体力を使ったことは確かで、準決勝に不安の残る展開に。結局この不安が当たるんだけど。
グーカン・サキ○-×ダニエル・ギタ(延長判定)
1Rはローからパンチのコンビネーションへつなげるサキに対し、ギタはミドルで応戦。サキの蹴り終わりに合わせるミドルは相当効いている感じ。1Rの攻防に関していえば、この大会のベストバウトだったと思う。
3Rになるとギタは手数がやや減ってきた感じで、一方のサキもローが効いてきたのかパンチ中心の攻め。結局本戦では差がつかず延長へもつれこみ、前に出て手数を出し続けたサキが勝利。ギタは1Rの調子で攻め続ければよかったのに。ローが効いてきて蹴りが出せなかったかな。
アリスター・オーフレイム○-×タイロン・スポーン(判定)
1R、スポーンの左フックをもらったアリスターがダウンこそしないものの防戦一方の展開に。「せっかくフジ側もここまでプッシュしてきたのに!?」と余計な心配をしてしまったが、2R以降は徐々にペースを取り戻したアリスターが体格差で押し込むようになり、3Rにはスタンディングダウンを奪って逆転判定勝利。とはいえこの試合はスポーンの健闘を褒めるべきか。アリスターはやはり打たれ弱さに難がありそう。
シュルト×-○アーツ(判定)
アーツは2年前の対戦と同様、序盤から前に出てシュルトの懐に入り続ける。シュルトもひるまず応戦し、1Rは逆にアーツを押し込んでいたものの、2R以降からアーツの攻勢が目立つように。ダメージ自体はアーツの方が大きかったと思うのだが、3Rにシュルトを下がらせてパンチを入れ続けたアーツが判定勝利。またもストップ・シュルトに成功。
1Rはシュルトにポイントが入っていてもいいんじゃないのかなあ・・・という気はしたものの、それを言い出すと2Rはアーツのポイントになっていておかしくなかったし、まあ判定は妥当なものだと思う。シュルトは最後の方はダメージ云々じゃなくアーツの気迫に完全に呑まれてしまっていた感じ。やっぱり衰え始めてきてるのかなあ。
逆に40歳でこれだけの試合をやってのけたアーツには、ただただ感服。シュルト贔屓の目線で見ていたせいもあるのだが、3Rは感動するのを通り越して唖然としてしまった。
サキ×-○アリスター(1R KO)
落ち着いて距離を詰めたアリスターが左ミドルでサキの肘を破壊し、体力を温存したまま決勝へ進出。体格面で劣るサキは、どうしてもこのあたりが限界か。
アーツ×-○アリスター(1R KO)
アリスターが1分そこそこでアーツを料理、と文章にしてしまうと身も蓋もなさすぎる内容。とはいえ、アーツはシュルトから金星を挙げた時点でやれるだけの仕事はやりきったので、この展開はもはやどうしようもないでしょう。
K-1って毎年プロモーション的に勝たせたい選手(ここ数年で言えばバダ・ハリ)がいて、番組的に前面に押し出すものの思い通りに勝ってはくれず・・・というのがお決まりの展開だったと思うのだが、今年は宣伝番組などで前面に押し出したアリスターが見事優勝。その意味では珍しい展開だったのでは。
アリスターの優勝は組み合わせに恵まれた面があるのは事実で、スポーン戦で見せた打たれ弱さなど穴もいくつかありそう。とはいえ、桁外れのパワーとそのパワーを最大限に活かす技術を持ち合わせているのは確かで、試合内容も分かりやすくて面白い、説得力十分の王者であることは間違いないでしょう。
K-1自体が来年以降どうなるか非常に不透明な状況だけど、バダ・ハリやギタとの絡みも見てみたいし、「王者」アリスターや、今回王座陥落したシュルトを巡る展開は色々と作れるはず。FEGがもう一踏ん張りしてくれることを期待してます。
というわけで投資家の皆さん、よろしくお願いします。人気ブログランキングへ
今後のK-1のことを考えるとサキかギタが優勝したほうがよかったと思うんですがあそこまで激しい削り合いになるとは
サキVSギタは「どっちが勝っても次は無理だろうな」というのが見えちゃいましたからね。難しいところです。
>骨骨様
サキVSギタが一番見ごたえありましたね。ギタは体格面でも上位陣を食う可能性があるので、今後に期待したいです。
>gsp様
ギタ戦で痛めていたんでしょうけど、半ばマンガのような終わり方でしたね・・・。