反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

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12月2日(土) 東京ドーム

 客側に大きな期待感や高揚感があるわけではないのだけど、とりあえずドームがそこそこ埋まる程度には集まる観客動員、というのが今のK-1ヘビー級の現状をよく現している気がする。

 オープニング、いきなり目の前にマイケル・バッファーが登場。いい場所に座った。
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 最初にセロがマジックを披露、と聞いていたので「いきなりトランプとかの細かい手品を始められたらどうしよう」と思っていたのだが、ちゃんと大掛かりなイリュージョンをやってくれて一安心。
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リザーブファイト
ピーター・アーツ○-×武蔵(1R KO)

 序盤からアーツがパンチ主体でガンガン圧力をかけていくのに対して、武蔵は自分の間合いが取れずバタバタとしている感じ。03年の準決勝のようにゆったりした間合いの攻防に持ち込みたい武蔵だが、アーツのペースに飲み込まれたまま流れをつかめず、パンチのまとめ打ちであっという間に2度のダウンを奪われKO負け。
 アーツは昔に比べて胸筋も大きくなっており、パンチ主体の戦い方を完全にものにした感じ。スタイルは変われど、全盛期に近い強さを取り戻しているように感じた。後ほど予想外の形でそれを改めて証明するのだけれど。
 一方の武蔵は、ここ数年間で積み上げてきたスタイルがこの1年で完全に崩されてしまった形。圧力の強さで仕掛けてくる外国人選手をどのように攻略するのか。復活への糸口は見えない。
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セーム・シュルト○-×ジェロム・レ・バンナ(判定)
 バンナ入場時の、期待感と不安感がないまぜになった客席のムード。困難だとは分かっていても、多くのファンは「番長」の意地を信じようとしている。
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 1R序盤から、シュルトは前蹴りを多用。バンナはボディーストレートから活路を開こうとするが、シュルトの蹴りに邪魔されて懐に入り込むことができない。
 ヒザ爆弾の直撃はどうにか防いできたバンナだが、2ラウンドにシュルトのハイキックがガードを回り込むようにして即頭部へヒット。遂にダウンを喫する。観客の悲鳴の中、ここはどうにか立ち上がるバンナだが、結局流れを引き戻すことはできず。最後までパンチの間合いに入れないまま、3R終了のゴングを聞くこととなった。

 終わってみれば、あまりに順当な結果。事前に打ち出した「バンナ優勝」の予想(希望?)は早くも打ち砕かれた。だけど、「やっぱり当てに行ってシュルトの勝ちを予想しておけばよかった」とは思わない。紹介Vのナレーションにあったとおり、何度裏切られても信じたくなる何かを、この男は持っている。
 今年も届かなかった頂点への願い。それでもバンナはこれまでどおりに挑戦し続けるだろうし、ファンはそんなバンナを応援し続けるのだろう。その先に待っているのが、切なさだけだったとしても。
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by nugueira | 2006-12-03 23:11 | K-1 | Comments(0)

真王杯観戦記②

真王杯 55kgトーナメント決勝
藤原あらし×-○米田貴志(5R KO)


 決勝まで勝ち上がった米田、あらしを倒して政権交代なるか。
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 写真を見てお分かりのとおり席は青コーナーの近く。というわけで周囲も根こそぎ米田ファン(というかジム関係者)だったため、全日本ファンの当方としては非常に騒ぎにくい雰囲気に。

 1、2Rは距離の取りあいからローとミドルの蹴り合い。あらしは米田の周りを回り続けながら先手を取り続ける。米田もしっかりミドルを蹴り返していくが、あらしがペースを作っている印象。
 3Rあたりから、あらしがパンチも織り交ぜて攻勢に出る。米田はあらしの蹴り終わりを狙ってパンチを出していくが、あらしが際のディフェンスの上手さを披露して決定打を打たせない。連打もしっかりまとめて、細かいローも効いている感じ。
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 このままでもあらしが逃げ切りそうなムードはあったが、最終ラウンドもあらしはペースを落とさず積極的に打って出る。ここで米田のパンチが連続してヒットし、さらに米田があらしの蹴り足を掴んだまま転倒。ここで倒れ際に米田のヒザが入り、あらしは起き上がれずに10カウント。あまりに唐突な大逆転勝利で、米田が優勝を手にした。
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 私の席からは逆転に沸き返る米田陣営の様子しか確認できなかったのだが、あらしサイドとしては納得の行かない終わり方だったのではないかと思う。実際、試合後にセコンドも猛抗議していたし。かく言う私自身もスッキリしないものは感じているのだが、キックの試合で度々起こりうる事態ではある。ここは結果を受け入れるしかないか・・・。

真王杯60kgトーナメント決勝
桜井洋平○-×中須賀芳徳(1R KO)

 試合開始前から「一瞬も目を離せない」という緊迫感が場内を包むが、結果的に桜井がこの観客の期待に完璧に応えてみせる。
 序盤に少しだけ様子見の気配を見せた後、桜井が先制のハイキック。これは中須賀がかわすが、すぐさま桜井は飛び込み様のパンチで猛攻をしかけると、中須賀をロープ際に追い込んでからヒジをクリーンヒット。中須賀の額が遠目にも分かるぐらいザックリと裂ける。歓声と怒号が飛び交う中、レフェリーは当然のように試合をストップ。この間わずかに37秒。桜井がまたも秒殺勝利で、文句のつけようのない完全優勝を達成した。
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 桜井は1回戦から決勝までの3試合を合計しても、試合時間は3分未満。キック観戦歴はある程度はこなしているつもりだが、ここまで「メチャクチャ」な勝ち方を連発する選手は今まで記憶にない。「最初のラッシュを凌がれたら分からない」というのが今回の決勝前に言われていた話だが、今日の試合を見る限り、一見もっともらしいそんな分析が全く説得力をもたなくなるレベルにまで達している感じがする。

 55kgトーナメントも好勝負続きの真王杯だったが、終わってみれば完全に桜井のためのトーナメントだった、と言っても言いすぎではないと思う。この男の次なる標的は何か。桜井の試合から目が離せなくなってきた。
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by nugueira | 2006-11-25 01:05 | その他(立ち技系) | Comments(0)

真王杯観戦記①

11月23日(木・祝) 後楽園ホール

 まずは前座で目についた試合から。ていうかこの日は前座からKOが続きっぱなしで、なかなかテンポのいい興行だった。それでも試合数多いけど。

森田泰男×-○健太(2R KO)
 両方ともパンチが速い印象があったけど、2Rに健太がローをまとめ打ちしてあっという間にKO勝ち。それでは健太選手の喜びの表情を。いや、今日座っていた席が青コーナーのすぐ近くで、つい勢いで撮ってしまったので。
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国分省吾×-○赤十字竜(2R KO)
 2R、赤十字のバックブローがもろにクリーンヒット。国分も一度は立ち上がるが、赤十字がまたもバックブローを交えつつ攻め立て、結局KO勝利。ここまできれいに入ったバックブローは久しぶりに見た。MAX初期の須藤元気みたい。

押炉花者×-○大和哲也(3R KO)
 押炉花者(オロカモノ)の入場テーマは近藤真彦の『愚か者』。対する大和の入場テーマは『宇宙戦艦ヤマト』。両者とも非常に分かりやすい選曲。試合は大和がパンチラッシュでペースをつかんだ後、徹底したロー攻めでダウンを奪い、最後はタオル投入で決着。

美保裕介×-○前田浩喜(4R TKO)
 前田は1Rにヒジで吹っ飛ばされるようにダウンを奪われるが、2Rからは距離を取ってインローを連打。3Rに2回、4Rに2回ダウンを取ったところでタオル投入。美保も一発の威力はありそうな選手だったけど、前田が上手く捌いたという感じ。

加藤健×-○北山高与志(3R TKO)
 のらくら距離を取りながらヒジ・ヒザで攻める北山に、加藤は1Rから額をカットしてしまい劣勢。しかし2Rに北山が飛び込んできたところにパンチを合わせてダウンを奪取。さあこれから逆襲、ということろで3Rに傷口が開いてしまいドクターストップ。仕方がないがやや可哀想な展開。

 休憩時間にラウンドガールの2人組(アイドルユニットらしいが名前忘れた)が歌を披露。マイクがハウリングしまくりで、終いには客から「頑張れ!」と暖かい声援が飛ぶ始末。何か可哀想になってきた。
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ヨーユット○-×砂田将祈(3R KO)
 ヨーユットが余裕たっぷりに砂田をあしらう展開が続いたが、3Rに突然エンジン全開。砂田を首相撲に捉えるとヒザの連打に持ち込む。これが単なるポイントを取るヒザではなく、しっかりタメを作って一撃一撃を強く狙いすまして打ってくる。ダウンした砂田はなんとか立ち上がるが、今度はヨーユットがテンカオをクリーンヒットさせて勝負あり。ムエタイ強し。
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by nugueira | 2006-11-24 00:56 | その他(立ち技系) | Comments(0)

UFC65

 待望の初参戦となった三島☆ド根性ノ助は、ジョー・スティーブンソンにギロチンを極められて一本負け。三島はパスガードの動きも非常によくてブランクを感じさせなかったんだけど、それ以上にスティーブンソンのギロチンが素早く、しつこかった。
 スティーブンソンはイーブス・エドワーズにも勝っているし、ライト級タイトルのネクストコンテンダーはこいつか?

 昔K-1に出てたアントニー・ハードンクが出てたのには驚いた。寝かされると防戦一方だが、なんとか凌いでスタンドで再開になると、ローキック連打であっさりKO勝利。総合でここまできれいなローでのKOもなかなか見れない。

 かたや元ヘビー級王者のフランク・ミアは、組み付く暇もなく打撃をもらい続けて、パウンドでのレフェリーストップ負け。復活への糸口が全く見えてこない。ブランドン・ベラはこれでタイトルマッチの切符獲得か?ヘビー級戦線にようやく第2集団が形成されてきて、少しは面白くなりそう。

 そのヘビー級タイトルマッチでは、下馬評どおりティム・シルビアジェフ・モンソンを退けて2度目の防衛に成功。モンソンは3ラウンドにテイクダウンに成功したのが最大のチャンスだったけど。ATTは今月はなかなかベルトに手が届かないねえ。
 一方のシルビア、防衛するにはしたけど、試合内容は最悪。モンソンのタックルをしっかり切っていたし、リーチの長さを活かした間合いの取り方も5ラウンドを戦うペース配分も上手いとは思うんだけど、いくらなんでもファイトスタイルが消極的過ぎ。見ていてワクワクする場面や感心させられるところが全くない。こんな説得力のない試合で防衛回数だけ重ねられてもなあ・・・。

 そしてウェルター級タイトルマッチのマット・ヒューズVSジョルジュ・サン・ピエール。もう、とにかく驚いた。他に言葉が見つからない。
 最近の充実ぶりから見てヒューズの勝利は揺るがないと思っていたんだけど、ヒューズのいいところを全く出させないまま、サン・ピエールが圧倒。スタンドで序盤から主導権を握って、ヒューズの必殺のタックルも完璧に切ってみせた上で、最後は事実上ハイキック一発でKO。ビッグマッチ続きのヒューズに連戦疲れがあったかもしれないが、それ以上にサン・ピエールの出来がよすぎた、という他ない。
 永遠に続くようにも思えたヒューズ王朝の、あまりにも突然の崩壊。政権交代とともに、黄金のUFCウェルター級は新たな時代を迎えた。

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by nugueira | 2006-11-21 02:02 | その他(総合・寝技系) | Comments(3)
 2週間経ってから蒸し返すのも何だが、先日の武士道の興行時間の件について触れていなかったので、ここで改めて。

 PRIDEで判定が続いたときにマラソン興行になるのはしばしば経験している話だけど、さすがに6時間半というのは初めて。「イヤなことを酒で流す」という行動は基本的にしないのだが、この日ばかりは帰りの電車の中で缶チューハイを浴びるように飲む以外にすることが思いつかなかった。

 とはいえ後で思い返してみると、試合内容までグダグダかというとそうでもないんですよねえ。

 ROBITA'S ROOMさんのこちらの記事で書かれている内容ともダブってくるんですが、判定にもつれこんだ試合もちゃんと意味のある攻防や見るべき内容のあるものが多くて、見ている最中は間延びした感じはしなかったんですよ。五味の試合も内容的には不合格なんだけど、あの五味がタイトルマッチの重圧に絡み取られたということ自体が1つのドラマではあるし、美濃輪VSバートンのグダグダな攻防はもはや芸(?)の域にまで達していたし。内容的にも興行の構成的にも不要だったのはブスタマンチVSドンシクと帯谷VSブスカペぐらいかなあ。

 一方で、このところの武士道が試合数を詰め込み過ぎだったのも事実。開始当初と比べて選手の陣容が厚くなっているのに、興行数は04年~06年とも、年間4興行のまま横ばい。そりゃ1興行あたりのボリュームも増えてきますわ。結局のところ、いつかは起こるはずだった事態が遂に今回やってきた、ということなんだと思う。

 とりあえずPRIDE本体の興行数はそんなに増やせないだろうから、武士道についてはどんなに多くても10試合ぐらいにして、出番が回ってこない選手はDEEPとかCAGE RAGEとか2H2Hとかの提携団体で試合の機会を作ってあげる、という解決方法でどうだろうか。DSE関係者でこのブログを御覧の方がいらしたら、是非御一考を。

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by nugueira | 2006-11-20 00:15 | PRIDE武士道 | Comments(2)

全日本キック観戦記③

小林聡×-○ジャルンチャイ・ケーサージム(判定)
 
 自らが保持するベルトを体中に巻きつけて入場してきた4冠王・ジャルンチャイ。団体乱立のキックボクシングの世界であっても、「ベルトコレクター」の肩書きは威圧感を放つ。
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 今の小林が持つ存在感を、いったいどのように表現したらいいのか。期待感とも不安感とも悲壮感ともつかない、大月の入場時とはまた異質な興奮が後楽園ホールを包み込む。
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 試合開始と同時にいきなり小林が前蹴り。その直後に今度はジャルンチャイが首相撲から小林をマットに投げ飛ばす。大胆不敵な小林、そしてそれに揺らぐことのない王者。
 ジャルンチャイは細かいローからミドル、小林はパンチ狙いという構図。出だしは静かなまま終わるかと思った1R終盤、小林が突然バランスを崩す。ジャルンチャイはこれを見逃さず、組み付いてからヒザを連打。いきなり攻勢をしかけてきた。
 2Rはジャルンチャイの首相撲からのヒザ地獄が開始。首相撲に抱えたまま後ろに回りこむような体勢から、太腿の同じ箇所に突き刺すようなヒザを連打してくる。小林はパンチに行きたいが、フックは空を切るばかりで、間合いが詰まるとすぐに首相撲。相手にパンチの距離を取らせてもらえない。
 中盤で完全に試合をコントロールしたジャルンチャイは、4Rから今度は前蹴りでの攻撃を多用。これが度々小林の顔面を捉え、さらには右フックをヒットさせて小林をぐらつかせてみせる。終盤のラウンドは小林のパンチがようやく当たり始めるが、完全に流しモードに入ったジャルンチャイが前蹴りと首相撲でいなし続けて試合終了。組み付くジャルンチャイに対するブーイングも微妙に聞こえたが、ムエタイの価値観からすれば横綱相撲。4冠王はどこまでも強く、巧く、ズルかった。
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 正直なところ、小林の負けは予想していた結果だったので、悔しいというよりも「やっぱり相手が強かった」というのが率直な感想。ここから小林はどう這い上がってくれるんだろう・・・と思っていた矢先、マイクを持った小林から衝撃の発言が。

「今日はありがとうございました。ふがいない試合をしてしまいすいません。精いっぱいやったんですけど。今日の試合を最後と決めてリングに上がりました。15年間ありがとうございました。これからもキックボクシングをよろしくお願いします」

 客席中からの戸惑うような悲鳴。「小林やめるな」「小林ありがとう」という声援を背に、小林はこれ以上何も話さずにリングを降りた。

 小林の試合を見るようになったのはここ2年ほどだが、この間にすっかり、この男の魅力に乗せられるようになっていた。決してズバ抜けて強いとは思えないのだが、不思議と存在感を発揮し続ける選手だった。泥臭くて不器用だが、決してブレることなく、自分に対して真っ直ぐに生き続ける。「今どきはやらない」という一言で片付けるのは簡単だ。だけどやっぱり、ファンはこういう「生き様」を見せてくれる選手には弱い。

 小林の引退に対して、外野の人間が「やめるな」というのは容易い。現に私自身も、リングを降りる小林に「小林、あきらめんな!」と叫びそうになった。だけど、その言葉は言わずに飲み込むことにした。
 ブレずに、自分の信念を揺るがせることなく戦い続けることが魅力だった男が下した、引退という選択。ブレることなく歩き続けたその先に、今回限りでグローブを置くという結論があった。小林にとっては今回の行動もまた、自分の信念に従い続けたが故の自然な結果だったのではないか。

 寂しくないと言ったら、絶対に嘘になる。だけど、小林の生き様に魅了されてきたファンであればこそ、今回の小林の選択は真正面から受け止めなければならない。これもまた、「野良犬」の生き様のはずなのだから。

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by nugueira | 2006-11-16 01:07 | 全日本キック | Comments(0)

全日本キック観戦記②

チューティン・シットクヴォンイム○-×増田博正(判定)
 元・ラジャ2階級王者のチューティンVS現・全日本2階級王者の増田。
 増田は序盤からヒジを出してムエタイ相手に真っ向勝負。対するチューティンも首相撲とヒジでお返し。決定的な場面はなかったけど、2R以降は完全にチューティンのペース。3Rも首相撲で増田を手玉に取り、余裕の判定勝ち。戴冠後初戦の増田はスコア上は惜敗とはいえ、ムエタイにいいようにやられてしまった感じ。

大月晴明○-×山本雅美(判定)
 これまでブログ上でも何度も「一刻も早い復活を望む」とは書いてきた。でもその一方で、「もう無理なんだろうな」と冷めてしまっている自分がいたことは否定しない。半ば願望の域に達してした「大月復帰」の瞬間が、あまりにも唐突にやってきた。大月入場の瞬間の、場内のすさまじい興奮。約2年ぶりの国内復帰戦。誰もが、この男を待ちわびていた。
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 リングに足を踏み入れた大月自身も、しきりに足を踏み鳴らし、ゴングが待ちきれないといった雰囲気。完全にスイッチが入っている。
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 大月はいつもどおり、ノーガードの独特の構えからローキックと飛び込み様のパンチで試合を組み立てていく。一方の山本は、がっちりガードを固めてローとカウンター狙い。大月の手数は少なめだが、時おりパンチが当たるとガード越しでも山本が吹っ飛ぶような状態になり、観客は騒然。
 山本はガードはしっかり固めてクリーンヒットは許さないが、攻めるチャンスをなかなかつかめない。2R以降は手数が出なくなり、失速した印象。対する大月も相変わらずの豪打は出すものの山本を攻めきれず、このまま3ラウンド終了。手数で圧倒した大月が判定3-0で勝利。
 復帰戦をKOで飾ることはできなかった大月。試合前はタイへの興味を口にしていたが、またその姿をリング上で見れる日は、意外と近くやってくるのだろうか。

ゲーンカート・チューワッタナ×-○大輝(判定)
 破竹の快進撃を続ける大輝、遂にムエタイトップランカーとの対戦。
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 ラジャ1位のゲーンカート。ていうかコイツ、眉毛描いてないか?
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 序盤はお互い相手の出方をじっくり見る静かな出だし。ロー、ミドルの応酬に時おり大輝がパンチを出すが、ゲーンカートもお返しとばかりに強いフックを見舞っていく。1・2Rはほとんど五分だが、大輝が相手につきあって様子を見すぎている印象。
 試合が動いたのが3R。ゲーンカートはたびたび首相撲に行くが、大輝は相手にペースをつかませず、逆に細かいヒザを連打。ポイント差がつくほどではないが、わずかながら手数で大輝が押し気味になってきた感じ。
 4R、焦れたゲーンカートがいきなり打ち合いに出るが、こうなると逆に大輝のペース。パンチ合戦でフックの連打を当てると、この後も大輝は右ストレート、ボディストレートを有効に使って完全にリードを奪う。
 5Rはゲーンカートがヒジを狙いに来るが、大輝はクリーンヒットをもらわず、逆に大輝のパンチをもらったゲーンカートが下る場面が目立つ。明らかに大輝の攻めが効いている様子のまま試合終了。ゴングの瞬間、勝利を確信した客席からは大歓声が起こる。

 判定は当然3-0で大輝。もう「スゲエ」という以外の感想が出てこない。白状するが、試合前は「さすがに今回は大輝でも厳しいだろう」と思い込んでいた。4月のタイトルマッチも9月のタイ遠征もそうだが、この選手はこちらの予想を越えるような結果を本当に軽々とやってのけてしまう。
 さらに今回の試合で驚きなのが、ムエタイのリズムそのものの試合運びで勝ってみせたこと。普通日本人がムエタイに勝つには早目に殴り合いに持ち込むパターンが多いと思うのだが、大輝は序盤はじっくりと様子見、中盤は首相撲合戦と、真っ向からムエタイの試合をやりきった上でラジャのランキング1位に勝ってしまった。
 いまだに底を見せないまま無敗街道を走り続ける大輝。もはや「ラジャダムナン王者」という言葉が、俄に現実味を帯びてきている。

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by nugueira | 2006-11-15 01:01 | 全日本キック | Comments(0)

長谷川VSガルシア

 WBC世界バンタム級タイトルマッチ 長谷川穂積VSヘナロ・ガルシアをテレビ観戦。

 冒頭Vの「俺は機関車」というガルシアの発言には失笑しかけたが、試合開始直後に頭からガンガン突っ込んでいくスタイルを見て納得。こりゃ面倒そうなタイプだなあ、と思っていたら危惧したとおり長谷川の大苦戦。

 2ラウンドに左が当たりだしてからは完全に主導権握ったように見えたし、4ラウンドのダウンで「こりゃ決まった」と思ったけど、ちょっと正面からの打ち合いにつきあいすぎた感じ。所々で織り交ぜたフットワークを使ったディフェンスでは上手くいなせていたんだから、終始あのペースでもよかった気もするけど。
 まあ3連続KOの周囲の期待もあったし、本人も打ち合いができる自信があったからこだわっちゃったんでしょうね。現に勝負どころは真っ向からの打ち合いでしっかり勝っていたし。

 カットの出血もあって終盤は失速気味だったけど、2度のダウンシーンなんかは本当に鮮やか。指名試合もきっちりとクリアして、いよいよ長期政権が見えてきた感じがする。

 試合後はかねてから話のあった徳山昌守が挑戦状を叩きつけたみたいね。階級が上で、しかもこれだけ安定している王者に今の徳山が通じるかなあ・・・。

 あと今回、日本で初めて導入されたオープンスコアリングシステムだけど、確かに負けている方の積極性を引き出すという意味では成功したみたい。まあ確かに、4ラウンド終わった時点で40-35とかいう数字見せられたら、ガンガン行くしかなくなるわなあ。

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by nugueira | 2006-11-14 01:16 | その他(立ち技系) | Comments(2)

全日本キック観戦記①

11月12日(日) 後楽園ホール

 ちょうど第1試合が始まった直後ぐらいに会場入りしたのだが、既に超満員の客入りになっていてビックリ。やっぱり今回のメンツには客も期待してるんだなあ。

 まずは前座の感想を。

洪太星○-×コンボイ山下(判定)
 最初の方は見てなかったけど、殴っても蹴っても圧倒していた洪が圧勝。ところで郷野はまだヘビー級のベルト返上しないのか?

藤元洋次×-○クリストフ・プルボー(判定)
 今日の前座のちょっとした掘り出し物がスクランブル渋谷所属のスイス人・プルボー。パンチのスピードはそれほどでもないけど打ち込むタイミングが的確で、特にアッパーを効果的に使えていた。相手の藤元も粘って最後まで手を出し続けたので少し押される場面もあったけど、これから少し注目しておきたい。
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安部康博×-○山宮恵一郎(3R TKO)
 この前見たときはキックルールに不慣れな印象しかなかった山宮だが、着実に力をつけている感じ。この日は飛び込み様のロングフックからの攻めをうまく使えていて、1Rにいきなり2度のダウンを奪取。パンチの上下の打ち分けがだいぶ上手くなっている。
 後半はロングフックのタイミングを見切られている感じがしたけど、3Rに相手のジャブに合わせた右がクリーンヒット。効いたところを見逃さずに攻め続けてあっという間に3ダウンを奪い、お見事なTKO勝利を飾った。場内からは「お前が郷野とやれ」という声援もチラホラ。

 自分の試合が終わった直後なのにちゃんとセコンドについている菊田。さすが総帥。
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 郷野いないの?と思っていたらリングサイドに登場。でもアドバイスしないで、携帯で写真撮ってるだけだった。
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後藤友宏×-○佐藤皓彦(延長判定)
 後藤は距離を取り続けてロー、対する佐藤はパンチで攻め込もうとする構図のまま試合が展開。佐藤がなかなか距離を詰めきれずローが効いている気配もあったが、終盤は組んでからのヒザで佐藤が反撃。本戦では決着がつかず試合は延長戦へ。
 延長ラウンド、攻め込むしかない後藤はこれまでの試合運びと一転していきなり前に出るが、こうなると体格に勝る佐藤が優位。このラウンドは終始攻め切って、接戦をものにした。
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 佐藤はいますぐ上位戦線に食い込める存在ではないけど、組み付いてのヒザしか攻撃がなかった今年の初め頃に比べると体格の活かし方を覚えてきた感じで、だんだん強くなってきているのが見てとれる。大輝といい佐藤といい、JMC横浜ジムはいい指導をしてるんだねえ。

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by nugueira | 2006-11-13 01:38 | 全日本キック | Comments(0)
 五味の試合終了後、なぜか島田ルールディレクターがリング上に登場。「?」と思っているうちに、

 「パウロ・フィリオが再ドクターチェックの結果、靭帯損傷の疑いがあり試合不可能に。代わりに三崎が繰り上がりで決勝へ進出」
 
 というアナウンスが。

 えーっ!何だよそれ!最初ドクターチェックで異常なしって言ってたじゃん!ていうかフィリオ、ひざを怪我するような場面あったか?まあ試合中はどの動きでどこを傷めるか、見ている方は全然分からないものではあるけれど。

 というわけで急遽タナボタで三崎が決勝進出。入場の準備で一時進行がストップしたところを見ると、決まったのは本当に直前だった模様。
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 カーンは直前の相手変更がどう影響するか。ていうかセコンド多すぎ。
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 カーンは右腕に大きなテーピング。おいおい、カーンまでいつの間にか怪我かよ。試合開始前、一緒に観戦していた知人に「これで三崎が勝ったら神だな」という冗談を言っていた。結論から言うと格闘技の神様はどうも本当にいるようだ。
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 最初はお互い様子を見合う雰囲気だったが、先手を取ったのはカーン。きれいなタックルからテイクダウンを取る。三崎は下から三角に行くが、カーンはバスターで叩きつける。ブレイクの後、再びカーンがテイクダウンからパウンド。しかし怪我の影響か、右のパンチがあまり出ていない。
 やや本調子ではない感じもするが、このままカーンが地力の差で押し切りそうだなあ。と思っていた矢先、再びスタンドで再開した状態から、いきなり三崎のパンチがヒット。カーンはよろめいた後、逃げるようにタックルに行くが、これをがぶった三崎がヒザを連打したところで1R終了。一気に勝負の行方は分からなくなり、会場は歓声なのか悲鳴なのかよく分からない大興奮状態。

 2R、カーンは再びタックルからテイクダウンを取るが、完全に勢いが落ちている。逆にイケイケムードになった三崎はまたもスタンドでパンチをクリーンヒット、さらにはカーンのタックルを切ってヒザ連打。場内は「三崎」コールが巻き起こる一方、「こんな展開があっていいのか」というものすごい微妙な雰囲気。ここまで来るともはや笑うしかない、という反応の客も若干。

 結局、勢いに乗った三崎が最後まで攻勢を保ったまま試合終了。判定は2-1で三崎。正直、1R後半以降の状況を見るに3-0で三崎でもおかしくなかったと思う。
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 試合後、マイクを持った三崎は

 「パウロ選手、僕は準決勝で負けましたが・・・」

 おっ、何だ?再戦を受けて立つか?

 「・・・喧嘩では負けてません!」

 わーっ!馬鹿野郎!何フィリオの神経逆撫でしてるんだよ!ウソでもいいから殊勝な発言しとけ!

 フィリオの負傷欠場というアクシデントは、ワンデイトーナメントでは不可避な事態ではあるので受け入れないといけない。これまでのPRIDEのGPで、一昨年のヘビー級GP決勝以外にアクシデントらしいアクシデントがなかったこと自体が奇跡的だと思う。

 それにしてもなあ。その挙句に優勝してしまうのが、何で三崎なの?以下、三崎ファンは怒るかもしれないが思うところをそのまま書きなぐります。

 仮に今年初めに「いやー武士道が今年ウェルター級GPやるらしいんだけどさ。俺、優勝は三崎だと思うんだよね」とか抜かす奴がいたとしよう。俺なら間違いなく「とりあえず家に帰ってゆっくり寝ろ」とアドバイスするね。だって、今年の初めにはDEEPで小路と対戦していた選手ですよ?
 ダンヘンに勝った時も思ったんだけど、三崎がここまでの結果を出すだけの「格」のある選手だとは思えないんですよ。この階級で日本人が世界のトップを取るってすごいことだと思うんだけど、三崎はその過程で凄味なり説得力なりを感じさせてないものだから、「展開に恵まれたんだな」という以上の感想が浮かんでこない。
 格闘技の世界でも「立場が人を作る」というのは往々にしてあるので、三崎もその流れに乗るのかなあ・・・やっぱりそうは思えないなあ。ワンマッチで試合したらボコボコ負けそうだもん。
 とりあえず三崎とダンヘンでタイトルマッチ、その一方でカーンとフィリオで次期挑戦者決定戦ですかね。やっぱり三崎の今回の優勝は、ウェルター級戦線を無用な大混乱に陥れているとしか思えない・・・。

 やっと観戦記終了。人気blogランキングへ
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by nugueira | 2006-11-10 02:42 | PRIDE武士道 | Comments(5)