反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

カテゴリ:ボクシング( 454 )

比嘉vsエルナンデス

 20日のWBC世界フライ級タイトルマッチ、比嘉大吾vsファン・エルナンデスの感想を。

 序盤から前に出る比嘉。エルナンデスはフットワークで距離を取りつつ、アッパーやフックを繰り出す。
 2Rはエルナンデスがやや前に出てくるが、比嘉の左ショートフックがヒットしエルナンデスダウン!これでリズムに乗りたい比嘉だが、逆に狙い過ぎてしまったか、3R以降は前に出るものの手数が少ない。4R終了時の公開採点は2-1でエルナンデスがリード。
 しかし5R開始早々、比嘉の左フックが突き刺さりエルナンデス2度目のダウン!ダメージのあるエルナンデスにさらにボディで追撃を入れるが、エルナンデスはまだキレのあるパンチを返してくる。続く6R、比嘉のボディからのアッパーでエルナンデスがまたもダウン。ここから比嘉は追撃の連打で次々ダウンを重ね、終盤にこのラウンド4度目のダウンを喫したところで遂にストップ。比嘉が13戦全KOのパーフェクトレコードで世界タイトルを奪取。

 比嘉の試合は今回初めて見たのだが、こりゃ強い、というか凄い。序盤は固さも見られたし、現にダウンを奪いつつ手数でポイントをリードされる嫌な展開だったが、最後はフィジカルとパワーで押しきってしまった。連打で崩したわけでなく本当に一発の強さでダウンさせてたからなあ。
 減量失敗とはいえ技巧派のメキシカンをあっさり捕えてKOしたのは自信にもなったはずで、これからいいチャンピオンになってくれそう。

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by nugueira | 2017-05-23 23:17 | ボクシング | Comments(0)
 ボクシングフェス二日目を視聴。

 まずIBF世界ライトフライ級王座統一戦、八重樫東vsミラン・メリンド。とはいえこれは経過を描写するほどの時間が経つ前に終わってしまった、としか言いようがない試合。八重樫は時おり脆さも見せる試合をしているだけに意外というよりは「こうなっちゃったか」という感じではあるが、やはり激闘によるダメージの蓄積が影響しているのかなあ。試合後の本人のサバサバしたというか達観したようなコメントを聞くと、もうここらで十分ではないか、と思ってしまう。

 続いてWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、井上尚弥vsリカルド・ロドリゲス。
 1R序盤はロドリゲスが距離を詰めてボディを連打するが、井上はキレのあるジャブでロドリゲスを懐に入らせず、ラウンド終盤には左アッパー。2Rも井上がワンツーからボディのコンビネーションを見せると、ここでサウスポーへスイッチ!完全に面食らったロドリゲスに、左ストレートを次々と突き刺す。
 完全に井上のペースで迎えた3R、井上が左フックでロドリゲスをグラつかせると、高速のコンビネーションからまたも左フック!ダウンしたロドリゲスは何とか立ち上がるが、距離を詰めた井上は最後もドンピシャのタイミングでカウンターの左フック一撃!ロドリゲスに立ち上がる余力はもはや残っておらず、井上が完璧な内容で5度目の防衛に成功。

 村田・八重樫が敗れる嫌な流れで迎えた大トリだったが、終わってみれば文句のつけようもない圧勝劇。試合後のインタビューで井上は9月のアメリカ進出を宣言。タイミング的には満を持してといった感じだが、ロマゴンに土がついた今、井上に見合う相手が見つかるのか?という余計な心配をしたくなってしまう。無人の荒野を突き進むモンスターは、遂に北米上陸の時を迎える。

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by nugueira | 2017-05-21 21:50 | ボクシング | Comments(3)
 WBA世界ミドル級王座決定戦、村田諒太vsアッサン・エンダムを視聴。

 1R、エンダムはサークリングしながらジャブ。村田は圧力はかけるものの終了間際に右ストレートを出しただけでほとんどパンチを出さずに終了。計算通りに動いている感じではあるが、どこから攻勢に転じられるか。
 2Rは、圧力を強めた村田が右ストレートから左ボディを入れるが、エンダムも連打を返す。3Rは村田がボディストレートと右のショート。手数を着実に増やしているが、ポイントを奪うところまでは行っていないか。
 迎えた4R、さらに手数を増やした村田が打ち合いの展開からカウンターの右ストレート!エンダムが前のめりにダウンし、村田が序盤の出遅れを一気に取り戻す。
 しぶとさに定評のあるエンダムは5Rは逃げることなく反撃に転じ、近距離での打ち合いの場面が増える。ここでも村田の右が入りエンダムが腰を落とすが、ダウンはなんとか回避。
 6Rに入るとさすがにエンダムも足腰の踏ん張りが効いていない様子で、村田の右で吹き飛ばされる。7Rも足を使って回復を図るエンダムに村田は右。エンダムはロープに手を掛けて何とかこらえる。
 8Rに入るとエンダムはダメージから回復してきたのか、再び手数が増えてくる。村田にとっては嫌な流れだが、続く9Rは左をもらったエンダムがバランスを崩したところに、村田がすかさず右のダブル。ここでペースを引き戻したのは大きいか。
 10R以降も村田はペースを崩すことなく右ストレートから左ボディで着実に構成。エンダムは時おり連打を返すが、流れをひっくり返すほどの強打は出ず、村田がペースを握り続け試合終了。

 個人的採点は116-111で村田。手数で多少持ってかれている可能性はあるが、さすがに勝ったでしょう。日本人がミドル級で世界制覇。いやもう、ここから日本ボクシングの新たな1ページが開きますよ。
 …と思いつつ判定を聞いたら110-117、116-111、115-112のスプリット判定でエンダムが勝利。茫然とする村田、ブーイングが巻き起こる場内、絶句する実況席。新たな歴史の始まりとなるべき瞬間は一転、悪夢の結末になってしまった。

 「村田の圧力よりエンダムの手数が評価された」の一言に尽きてしまうのだが、それにしたってこれはない。ジャッジペーパーを見るとエンダム勝利にした2名はいずれも9R以降すべてエンダムが取っているけど、9Rは後半村田が押し返していたはず。それ以降もエンダムは手数は出しても目立ったダメージを与えたわけではなく、有効打を基準にする限り村田のラウンドだったのでは。
 試合後のツイッター上で「海外ボクシングを見ていればよくある話」というコメントが散見され、確かにエキサイトマッチで年に何回かこういう理解不能な判定を見かけるのは確か。とはいえそれがこのタイミング、この試合で出てしまうとは…。ボクシングの神様が村田を見はなしたとしか思えない。

 試合前は「どういう結果になるにせよ、これで村田のストーリーに一つの結末が出る」と思っていたのだが、待っていたのはどうしようもないくらい消化不良なエンディング。これで終わりになるのはファンも本人も納得できないのは間違いない一方で、この階級で世界タイトルマッチに再びたどり着くのは簡単な話ではない。テレビ局も含めた村田陣営はここからどうストーリーを繋ぎ直していくのか。今はちょっと、自分自身にもそこまで想像を巡らすだけの余力が残っていない。

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by nugueira | 2017-05-20 23:01 | ボクシング | Comments(7)

村田vsエンダムの予想

 いよいよ20日に迫ったWBA世界ミドル級王座決定戦、村田諒太vsアッサン・エンダム。終わった後で「実はこう思っていた」と言い出すのが(当たるにせよ外れるにせよ)格好悪いので、事前に自分のスタンスを示しておくためにも勝敗予想を。

 エンダムの印象で強く残っているのはレミューとの試合で4回ダウンを奪われながら判定まで持ち込んだ試合。「打たれ脆い」と取るか「しぶとい」と取るかは人によって分かれると思うが、自分は後者。ダウンを奪われたラウンド以外では結構ポイントも取っていたしなあ。4連続KO中の村田とはいえ、強打のレミューでも仕留められなかった相手を倒せるとはちょっと考えにくい。
 一方でエンダムが攻撃のリズムをつかんだら村田が捌ききれるかというと…判断材料がないというのが正直なところ。これまでピンチらしいピンチがなかった、というよりそこまでシビアな相手との対戦経験がないだけに、劣勢になった時の村田のしぶとさがどの程度なのか、何とも言い難い。まだ底を見せていない、というよりはプロのリングでの修羅場を経験できていない、という評価の方がしっくりくるか。

 トータルで見るとやはりプロキャリアに勝るエンダム優位、と考えるのが妥当。じゃあ勝敗予想はどっちに印をつけるか、と聞かれたら迷わず村田。
 「何じゃそりゃ」と言われそうだが、この試合に関しては客観的な予想はさておき、前のめりになってテレビにかじりつきたい。日本人がミドル級で世界のベルトを視界に入れて戦うチャンスはこれが最後、とまでは言わないが、今回ダメだったらチャンスはあるにしても相当先になるはず。竹原の戴冠時にボクシングファンをやっていなかった自分としては、日本ボクシングの歴史的瞬間をやはりこの目で見たい。

 プロの実績では不利とはいえ、怪物ひしめくミドル級にあって相対的にはどうにかなりそうな相手を、ホームリングに引きずり込むという絶好の環境を作れているのは確か。何より、五輪金メダルという誰も想像できなかった頂を経験している村田なら、この一世一代の大勝負も自分のものにしてしまうのではないか…と思いたくなってしまうのだ。

 村田が判定勝利で王座戴冠。予想や期待というより、こうなることを信じて20日を迎えさせてもらいます。

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by nugueira | 2017-05-18 23:53 | ボクシング | Comments(0)

マティセ&レミュー

 昨日のボクシング、前座の感想を。まずルーカス・マティセvsエマニュエル・テイラー。
 出だしこそテイラーの手数に押され気味だったマティセだが、3Rにどんぴしゃの右ストレートを打ち込みダウンを奪取。ダメージの残るテイラーにマティセはこの後も攻め続け、4R終盤にはアッパーをヒット。最後はロープに詰めて打ちおろしの右から連打を入れたところでテイラーが倒れ勝負あり。怪我もあって久々の試合となったマティセだが、存在感を見せつける圧巻のKO勝利。強いし勝ち方も面白い選手なので、ここからもう一花咲かせてほしい。

 続いてデビッド・レミューvsマルコス・レイエス。序盤からレミューがガンガン攻めていき、こちらも早期KOが期待できる出だし。2Rには左フックをもらったレイエスが早くも出血する。
 この後もレミューはキレのある連打で攻め続け、4Rには右クロスをヒット。そろそろフィニッシュか…と思えたが、ここからレイエスがしぶとさを発揮。右をヒットさせ徐々に盛り返していく。
 レミューも攻め疲れがあるのか、後半は有効打は入れるものの最後のひと押しが出ない。レイエスはライフゲージが残り1つの状態になってからがしぶとく、気が付けば最終ラウンド。大差の判定でレミューが勝利したものの、前半戦の出来が良すぎただけに物足りなさが残る結果に。

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by nugueira | 2017-05-08 22:54 | ボクシング | Comments(0)

カネロvsチャベス

 ゴールデンウィークのトリを飾る(?)サウル・カネロ・アルバレスvsフリオ・セサール・チャベスJrを視聴。

 序盤にペースを握ったのは予想通りカネロ。1Rから的確なジャブを次々と突き刺すと、2Rには左右のアッパーを立て続けにヒット。体格に勝るチャベスだが、パワープレーに持ち込む前にジリ貧になりそうな雰囲気が早くも漂ってくる。
 カネロのペースは変わらず、アッパーから顔面、さらにボディも混ぜたコンビネーションでカネロをめった打ち。5Rにはチャベスの打ち終わりに切れ味抜群の右クロスを叩き込む。いいところなく中盤戦に突入したチャベスだが、6Rに入るとようやく頭のつく距離で打ち合う場面が出始め、体格差を活かす糸口がつかめてきた。ここから流れを変えることができるか?
 後半戦に入るとチャベスはカネロをロープ際まで詰めてパワフルな上下の連打を放っていくものの、カネロはがっちりガードを固めて凌ぐと、アッパーを起点とした連打ですぐさま反撃。チャベスにいい場面を作らせても、押しきらせることなく自分のペースに引き戻す。9Rぐらいまでは攻める時間帯を作っていたチャベスだが、攻め切れないまま終盤戦は手詰まりの状態に。
 一方のカネロも体格差もあってか無理にKOを狙う様子はなく、終盤はカネロが的確なパンチを入れるもののチャベスが倒れる気配は見えず…という展開が続きラウンドが経過。正直カタルシスに欠ける内容だったが、三者とも120-108のフルマークという圧倒的大差でカネロがスター対決を制した。

 チャベスはマラビージャ戦と同じく、パワープレーを仕掛けるタイミングをつかめないままズルズルと時間を浪費してしまった。マラビージャ戦では最後にダウンを奪ったからまだいいが、今回は見せ場らしい見せ場は皆無のまま完敗。とはいえ今回の試合でチャベスが何かやってくれると思っていたファンはほとんどいないはずで、「スター対決」としての商品価値が保てるギリギリのタイミングでこのカードを実現させ、しかも計量をちゃんとクリアしてくれた時点で彼は仕事をしてくれた、と評価しておくべきでは。

 一方のカネロはKOはならなかったものの、コンビネーション・パンチの精度・攻守の切り替えとそのテクニックを存分に見せつける完勝劇。次なるビッグマッチは果たして…という状況の中、場内ビジョンに紹介Vが流れゴロフキンが登場!そして9月16日の対戦が公式発表!正直今日の試合はいまいち面白みに欠けたものの、ゴロフキン戦の露払いと考えればまあ納得。
 遂に実現の運びとなるGGG対カネロ。これまでの戦績を考えるとゴロフキン優位は動かないはずだが、連続KO防衛が途切れ多少なりともゴロフキンに衰えが見えるこのタイミングであれば「ひょっとして」が起こる可能性は決して小さくない。間違いなく2017年最大のビッグマッチとなる一戦、今から9月が待ち遠しい。

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by nugueira | 2017-05-07 22:24 | ボクシング | Comments(0)
 WBA・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ、アンソニー・ジョシュアvsウラディミール・クリチコをWOWOWで視聴。

 開始と同時に前に出て先手を取るクリチコ。ジョシュアはやや慎重な立ち上がりだが、ラウンド後半は細かいパンチを返していく。
 続く2Rは開始早々、クリチコの右ストレートがヒット!しかしジョシュアは徐々にジャブの手数を増やし、そこから右へつなげる。クリチコはヒットはもらっていないものの手数が少ないか。
 3Rに入るとジョシュアが懐へ飛び込んで左右のパンチを繰り出すようになり、スピードのギアを上げてきた印象。4R開始と同時にまたもクリチコの右がヒットするが、ジョシュアも右を入れ返す。このラウンドはクリチコが前に出るが、ジョシュアも飛び込んでのパンチを狙っていく展開。
 前半戦はクリチコが上手く戦っている印象だったが、5R開始と同時にジョシュアが猛然とラッシュ。左フックを効かされたクリチコはそのままジョシュアの連打に呑みこまれ、前のめりにダウン!しかしここから持ち直したクリチコは攻め疲れの見えるジョシュアに左フック、右アッパーを次々とヒット。ラウンド後半は一転してジョシュアが棒立ちになる。
 続く6R、ダウンのダメージから回復し軽快な動きを取り戻したクリチコが右ストレート一閃!ジョシュアが崩れ落ちるようにダウン!大逆転のチャンスを迎えたクリチコだが、残り時間はジョシュアが凌ぎ切る。
 7R、クリチコは細かい左ジャブから左フックや右を狙っていき、回復待ちのジョシュアは防戦一方。8Rもクリチコが左ジャブでジョシュアを寄せ付けないものの、ジョシュアは多少持ち直してきたか。
 9Rはジョシュアが久々に自ら前に出て攻勢。右がクリチコのアゴを浅く捕える。10R、クリチコは細かい左。ジョシュアは飛び込んで連打を狙うが、終盤にジョシュアの踏み込みに合わせてクリチコがカウンターの右!クリチコ優位の印象で試合は終盤戦へ。
 しかし迎えた11R、開始と同時にジョシュアの右がヒット!足がフラついたクリチコはなんとか凌ごうとするが、距離が詰まったところでジョシュアが右のショートアッパー!さらに追撃の左を食らったクリチコが遂にダウン。何とか立ち上がるクリチコだが、ジョシュアの連打で再びダウンすると、最後はコーナーでパンチをもらい続けたところでレフェリーストップ。ジョシュアが劇的な逆転KOでヘビー級の世代交代を果たしてみせた。

 「ジョシュアKO勝利」という結果だけを見れば大方の予想通りだが、ここまでエキサイティングな展開を想像できていた人はいただろうか?5R以降はテレビの前で思わず叫び声をあげてしまう場面の連続で、解説陣が連呼していた「年間ベストバウト確定」という台詞にもただ納得するしかない。
 これだけの名勝負を生んだ功労者は間違いなくクリチコ。出だしから圧力をかけてジョシュアの機先を制し、一年半のブランクを感じさせない百戦錬磨のベテランらしい試合運びを見せてくれた。6Rにダウンを奪ってからの戦い方は全盛期のクリチコそのもので、10Rが終わった時点で「時計の針は結局クリチコの時代に巻き戻るのか」と思うしかなかった。
 その絶体絶命の状況から最後の反撃に打って出て、それをものにしてみせたジョシュアもお見事。早期KO決着が多いが故に長丁場に不安があり、現にその通りの展開になりかけたが、最後は強引な突破力で新時代への道を切り開いてみせた。
 かつての絶対王者クリチコが強さを見せつつも新世代の前に崩れ落ちる、という世代交代劇としてあまりにも完璧すぎる内容。試合後はリマッチへの意欲も垣間見せたクリチコだが、41歳という年齢を考えればこの一世一代の名勝負を花道にリタイアすべきなのでは。果たしてジョシュアvsワイルダーの統一戦は実現するのか。ヘビー級新時代がどう展開していくのか、一気にワクワクしてきた。

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by nugueira | 2017-04-30 23:36 | ボクシング | Comments(0)

井岡&大森

 TBSのボクシングダブル世界戦の感想。まずはWBO世界バンタム級タイトルマッチ、マーロン・タパレスvs大森将平。
 
 1R、大森が左右のボディから右。タパレスも右ボディを出すが、大森はガードを上げて相手をよく見ている。
 2Rは圧力を強めたタパレスがアッパーからフックのコンビネーション。上下とも変則的な角度からパンチが飛んでくるが、大森もワンツーからボディを返す。この後も圧力をかけるタパレスに大森はガードを固めながらパンチを入れる展開。
 5Rに入ると大森がボディの連打。右ボディをもらったタパレスがたまらずコーナーへ下がり、ここから更に大森が左右のボディをラッシュ。しかしタパレスもカウンターを狙っている。一気に主導権を握りたい大森だが、攻め疲れか6Rペースダウン。逆にタパレスが圧力をかけて手数で優位になる。
 7Rは開始と同時に大森がボディ。ロープ際に詰めてボディとフックを連打するがここも攻め切れず、ラウンド後半はタパレスが強烈なアッパーとフックを振るい反撃。続く8Rは疲れの見える大森にタパレスがアッパーと左のオーバーハンドで攻勢。大森は攻めるラウンドと休むラウンドがハッキリ分かれすぎている。
 迎えた10R、序盤は大森が前に出ながらボディと左で攻勢。だがタパレスは左のオーバーハンドを繰り返し当てると、左アッパーをヒット!膝がガクリとなった大森に連打をまとめダウンを奪う。ラウンド終了までは凌いだ大森だが、11R開始早々にコーナーに詰められラッシュを仕掛けられたところでレフェリーストップ。

 大森はタパレスの強打を警戒しつつ序盤から落ち着いて試合を組み立てており、勝てない雰囲気ではなかっただけに残念。とはいえ5R・7Rとチャンスがあったのに決めきれず、その後はタパレスに簡単に反撃を許してしまったりと、ラウンドごとの緩急があまりにハッキリし過ぎていたのも確か。世界を獲るには試合の組み立てがあまりに正直すぎた。タパレスの計量オーバーもあり微妙な空気だったが、減量苦の相手に長丁場の末に逆転負けというのは「詰めが甘い」と言うしかないか。

 続いてWBA世界フライ級タイトルマッチ、井岡一翔vsノクノイ・シットプラサート。

 序盤はジャブの差し合い。ノクノイは時おり強いパンチを振るうが井岡はスッと距離を外す。3R辺りから近距離での打ち合いが増え、井岡が左右のボディをヒット。ノクノイも打ち終わりを狙っていく。ここで井岡にローブローの減点。
 4R、井岡が左ボディから顔面へ左フック。ノクノイのパンチはバックステップとブロッキングで防ぐ。この後も井岡はジャブの連打でノクノイの前進を止めると、ボディから顔面へのコンビネーション。ノクノイは近距離で連打を繰り出すが、井岡のペースで後半戦へ。
 7R、ギアを上げた井岡は左右のボディからフック。ノクノイもパンチの回転数を上げ、井岡の顔面を捉える。8Rも井岡がボディを起点に攻勢。終盤に右ストレートが入り、遂にノクノイの動きが落ち始める。
 9Rは井岡が上下のコンビネーションで滅多打ちにし、ノクノイはサンドバッグ状態。10Rは左をもらったノクノイが効いた様子で後退。井岡はロープ際に詰めてパンチを重ねるが、無理なラッシュには行かない。
 11R、右ストレートをもらったノクノイが後退し、またもロープ際で井岡が連打。レフェリーが止めておかしくない場面だったがノクノイは凌ぎきり、最終ラウンドも井岡がコンビネーションを入れ続けるが倒しきれず試合終了。ダウンは奪えなかったが大差の判定で井岡が5度目の防衛に成功。

 ノクノイは要所要所でディフェンス勘の良さを見せ、決して与しやすい相手ではなかったが、ピンチらしいピンチもなく井岡が攻守ともに完成度の高いボクシングを見せつけた。とはいえ3連続KO防衛中だったこともあり、やはり「倒しきれなかった」という印象が強くなってしまう。具志堅の世界戦14勝という記録にプレッシャーを感じたわけではないと思うが、10R・11Rはもう少し強引にフィニッシュへ持っていってほしかった、という要求は贅沢すぎるだろうか。
 井岡の実績・パフォーマンスはいずれも申し分ないのだが、山中や井上と比べると「後世に語り継がれる名勝負」が欠けている印象。記録云々ではなく、やはり他団体王者との統一戦などヒリヒリするカードに挑んでほしい。

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by nugueira | 2017-04-26 23:46 | ボクシング | Comments(2)

久保vsセルメニョ

 WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、ネオマール・セルメニョvs久保準の感想を。

 1R、久保が左ボディストレート。セルメニョが右フックを入れるが、すぐさま久保が連打を返し、立ち上がりから悪くない動き。
 2Rも久保が左ストレートと左ボディで先手先手を取っていくが、セルメニョは右を入れてからの連打で反撃。キレはないが一発一発体重を乗せている。3Rは久保が徹底した左ボディ攻めでリード。
 4R、圧力を強めたセルメニョが強引に距離を詰めながら右のロングフック。しかし久保は落ち着いて左のボディとストレートで再び距離を取る。5Rも自分の距離をキープした久保が的確に左をヒット。
 6R、久保がワンツーから左ボディを連打。セルメニョは身体がくの字に曲がり、かなり効いている様子。続く7Rも久保が優勢に試合を進めるが、セルメニョの右がヒット!グラついた久保にセルメニョが連打をまとめ、久保がまさかのダウン。
 一転してピンチになる久保だが、セルメニョもダメージが濃いのか攻め切れない。8Rに入ると再び久保がボディを起点に攻勢。セルメニョは時おり近距離で怖いパンチは出すものの、久保は落ち着いて左アッパーから左ストレートをヒット。
 10Rも左のボディを起点に攻めていく久保。セルメニョの右をもらいヒヤリとする場面はあったが、ラウンド後半は再びボディを入れペースを取り返す。すると11R開始時にセルメニョが立ち上がれず、そのまま試合放棄し久保が勝利。

 久保は世界初挑戦とは思えない、終始落ち着いた試合運び。ベルト奪取に十分値する内容だったとは思うものの、やはり7Rのダウンはいただけない。セルメニョに追撃の余力が残っていなかったから建て直せたが、あのまま一気に試合をひっくり返されてもおかしくなかった。このピンチも含めていい経験になったはず…とまとめるのはやはり結果論でしかないように思う。
 久保が安定王者になれるかどうかは今回の試合を判断材料にすると心もとないが、まだ伸び代があるのは確か。「長谷川の後継者」のキャッチフレーズに名前負けしないだけのパフォーマンスを、今後の防衛戦では期待したい。

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by nugueira | 2017-04-13 23:51 | ボクシング | Comments(0)
 5月20日に村田諒太vsアッサン・エンダムによるWBA世界ミドル級王座決定戦が行われることが決定。年明けから世界戦決定直前と言われながら情報が二転三転していた村田だが、遂に大一番までたどり着いた。

 村田のプロ転向直後にブログにアップした記事を振り返ると、「世界タイトルに挑戦するだけでも一苦労」「ビジネス面での成功を半ば義務付けられた村田のプロ転向はやはり茨の道になりそうな予感」とけっこう辛辣なことを書いていたのだが、こういう外野の野次を気にすることもなく、4年間にわたり白星を積み重ね世界戦へ到達。本当に申し訳ありませんでした。

 試合ごとのムラはありつつも昨年の4戦4KOは世界前哨戦として申し分のない結果だし、対戦相手も結果的に現役正規王者を回避。ホーム開催に持ち込んだ点も含め、「厳しいだろうが勝算もなくはない試合」と言っていい状況は作れている。相手のエンダムの試合映像を見た記憶がないので、楽観的すぎるかもしれないが。

 日本人金メダリスト初の世界王座獲得、竹原以来となる日本人のミドル級制覇、5億円規模とも言われる大型興業、村田のプロ転向と同時にボクシング中継を開始したフジテレビ側の期待等々、リング内外で村田にのしかかる重圧は半端なものではない。とはいえそれを覚悟の上でのプロ転向だったはずで、村田に求められるのはこの重圧の中で結果を出すことに他ならない。
 勝てば世界王者の栄光とさらなるビッグビジネスのチャンスを得る一方、負ければこの4年間の積み重ねは灰燼に帰す。村田にとっての集大成であり、日本ボクシング界にとっても大勝負となる一戦。当日はテレビの前で正座しながら観なくては。

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by nugueira | 2017-04-04 22:29 | ボクシング | Comments(2)