反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

カテゴリ:ボクシング( 483 )

年末ボクシング

 大晦日のダブル世界戦、田口良一vsミラン・メリンドと京口紘人vsカルロス・ブイトラゴが決定。

 ワタナベジムの大晦日世界戦自体は恒例行事で、内山が引退しても田口がそのお鉢を継ぐわけね…ということでそれほど驚きはないのだが、サプライズなのはTBSが中継すること。
 井岡の王座返上が決まった時点で「TBSの大晦日中継はこれで絶望的。テレ東も内山不在で継続するのかなあ。大晦日格闘技コンテンツはひょっとするとRIZINだけか」という予想を書いたのだが、蓋をあけるとTBSがワタナベジムを引き抜き→テレ東の大晦日中継が消滅という予想の斜め上をいく展開。これ谷村奈南はテレ東に一生出入り禁止ですよ。

 田口は田中恒成との統一戦が消えてしまったのは残念、かつテレビ局的にも痛いところなのだが、それでも他団体王者との統一戦路線を貫徹したのはアッパレ。外国人王者にアウェーで試合させるにはいろいろ資金も必要になりそうだけど、その辺も含めてTBSが面倒見たということなのだろうか。

 30日の井上尚弥の防衛戦も決まり、気づけば 12/29 RIZIN → 12/30 ボクシング → 12/31 RIZIN&ボクシング という例年と同様の格闘技スケジュールに。今年も日本の年末は格闘技が熱くするのだ。

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by nugueira | 2017-11-18 21:01 | ボクシング | Comments(0)
 井岡一翔がWBA世界フライ級王座を返上。4月の試合以降大阪のジムを離れ引退危機、という雑誌記事は見ていたが、遂に最悪の展開を迎えてしまった。まだ引退とは言っていないので、正確には最悪の一歩手前か。とはいえ一度切れてしまったモチベーションが簡単に戻るとも思えず、井岡の試合を今後観ることはできない、と覚悟を固めておいた方が良さそう。

 比較的安全パイ中心のTBS的マッチメイクは好きになれなかったが、ここ3~4試合の井岡が攻守ともにハイレベルなパフォーマンスを見せ、円熟期を迎えようとしていたのは間違いないところ。このまま現役を続けていれば統一戦などのビッグマッチが見れたはず…かどうかは保証できないが、3階級制覇王者のキャリアがこういう形で終焉を迎えるのは寂しいという他ないなあ。

 こうなると気になるのはTBSの大晦日ボクシングの行方。2011年から6年連続でボクシング中継が行われてきたのは井岡の存在があったからこそで(2014年は井岡がノンタイトルマッチだったのでリゴンドーを引っ張り出した例はあるが)、こうなると中継自体なくなる可能性も出てくるのでは。そういえば魔裟斗もこの時期に何も動きがないということは、さすがにもう試合はしないのかな。

 大晦日ボクシング中継のもう一方の雄であるテレ東も、内山が引退し田口はビッグカードだった田中との統一戦が当面は消失。さすがにこのラインナップだと今年は厳しくなるか?

 総合格闘技不在の時期に「大晦日のテレビ格闘技」を支えてきたボクシングが、ここに来て大きな曲がり角に。RIZINとしては裏番組の類似コンテンツがなくなるわけだが、これは吉と出るのか凶と出るのか。

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by nugueira | 2017-11-09 22:41 | ボクシング | Comments(0)
 WBA世界ミドル級タイトルマッチ、アッサン・エンダムvs村田諒太を視聴。

 前回と同じく圧をかけていく村田。これまた前回と同じくエンダムが手数を出していくが、村田も距離を詰めたところで左右のボディフック、さらに右ストレート。前回よりも手数は出せており、悪くない出だしでは。
 2Rはエンダムが距離を取りつつ手数で上回り、接近するとクリンチ。このラウンドは手数で取られた印象で、同じ展開を繰り返されると辛いか。
 3Rに入ると村田が一層距離を詰め、左右のボディ。エンダムも連打を返すが、村田はブロックしてさらにエンダムの打ち終わりに反撃。右ストレートも入れ、微妙だがこのラウンドは取ったか?
 このまま我慢比べの展開になるか…と思ったが、4Rは序盤からエンダムが足を使って逃げ回る展開。村田はエンダムを追いかけながらジャブを突き刺すと、ラウンド終盤にボディがヒット!エンダムは明らかに効いた様子。
 5Rはエンダムが再び手数を増やし、互いに右ストレートがヒット。村田はここから左右のボディを打ち込み、有効打では上回っている印象。とはいえ前回の判定があるので、エンダムの手数に打ち消されていないか?という不安感がぬぐえない。
 6Rもフットワークで動き回るエンダムを村田が追う展開。村田は打ちおろしの右を繰り返し出していくと、ラウンド終盤にエンダムのガードをすり抜けるように右ストレートをヒット!ダウンこそしなかったもののエンダムがガクリと腰を落とし、村田が一気に流れを引き寄せる。
 エンダムは7Rは完全に防戦一方となり、手数はほとんど出ずに動き回るだけ。村田はこのラウンドはストレート以上にジャブがよく突き刺さり、ボディも交えて上下の打ち分けをしていく。村田が一方的に攻め立て、これはいけるぞ…という空気になった7R終了後、エンダム陣営が試合を棄権。やや唐突な終幕だったが、村田が5月の不可解な判定負けを払しょくする快勝劇で、悲願の世界王座を奪取!

 もうねえ、村田がプロ転向する際に「まあ世界戦が一度組まれれば御の字じゃない?」とかもっともらしいことを言ってた奴、正座して謝罪な。本当にすいませんでした!しかも今回は戦前に村田敗北という予想までしており、深く陳謝いたします!!

 エンダムは試合後に足の負傷を明らかにしていたけど、まあこの世界はリング上の結果が全てなわけで、お見事というしかない村田のリベンジ劇でした。手数で遅れを取った前回の反省をしっかり活かしており、ダウンは奪えなかったものの内容的には5月よりも明確に試合を支配していた。振り返ってみると3Rがターニングポイントで、接近戦の我慢比べでも押し気味に試合を進めたことが大きかったか。
 これで止まっていた時計の針がようやく動き出した。さあ、待ってろゴロフキン!…というのはあまりに時期尚早だが、理屈上この台詞を言う権利のあるポジションに日本人がいるということに改めて驚きと感動を禁じ得ない。村田がここに切り開いた、日本ボクシング界の新たな1ページ。今日がゴールではなく、我々はここから始まっていく歴史の目撃者となるのだ。

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by nugueira | 2017-10-22 23:40 | ボクシング | Comments(0)
 22日に行われるWBA世界ミドル級タイトルマッチ、アッサン・エンダムvs村田諒太の予想を。5月の敗戦時は「次のチャンスはいつか、そもそもまた順番は巡ってくるのか…」と思っていたので、これだけあっさりダイレクトリマッチが決まったのは驚き。帝拳の資金力と政治力の賜物ですかね。

 さて、試合の方の予想。日本ボクシング史に残る悪夢の判定となった前回の憂さを晴らしてほしいところなのだが、状況は村田にとって良くないのでは…というのが率直な感想。

 前戦の判定がおかしかったのは言うまでもないのだが、手数で村田が後れを取る場面が多く見られたのも事実。村田としては「5月と同じ戦いをやれば勝てる」とまでは言い切れず、序盤から手数を増やしていくことが必要になってくる。ただ村田はこれまでの試合でも手数が豊富な方ではなかったし、いきなり切り替えができるのか、という不安がある。
 一方のエンダムは前回と同じ戦い方で勝てる…と言ってしまうとこちらも語弊があるのだが、4Rのダウンがなければ明確に勝っていておかしくない展開だった。今回の試合を「前回から続く13ラウンド以降を戦う」と捉えると、エンダムが不用意な一発をもらう場面はそうそうないのでは。

 「前回負けたから何かを変えなければいけない村田」と、「前回勝ったので最低限の修正でいいエンダム」。悪法もまた法なり、ではないのだが、是非はどうあれ前回の結果は両者に確実に影響を及ぼすし、それは村田にとって不利に働きそう。新しい歴史の扉を開いてほしいという期待は当然あるのだが、エンダムが判定勝利で村田を返り討ち、というシビアな予想をしておきます。

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by nugueira | 2017-10-18 23:46 | ボクシング | Comments(0)

リナレスvsキャンベル

 WBC世界ライト級タイトルマッチ、ホルヘ・リナレスvsルーク・キャンベルをWOWOWで視聴。

 長身のキャンベルは懐が深くパンチを入れるのに苦労しそうだったが、リナレスは初回から鋭い踏み込みで距離を潰していく。キャンベルも迎撃のパンチを返してくるのでしばらくは我慢比べか、と思った2Rにリナレスが踏み込んで左右のパンチ、さらに下がったキャンベルに追い打ちの右!あまりのハンドスピードの速さに何が起きたか分からない、見事な連打でダウンを奪取。序盤に大きなリードを奪う。
 3R、キャンベルは距離が詰まったところで連打を出すが、リナレスは柔らかい上体の動きでこれを回避。4Rまでリナレスのペースで進むが、キャンベルもダウンのダメージを感じさせずボディからの連打で反撃。五輪金メダリストのポテンシャルの高さを見せる。
 5Rに入ると手数でキャンベルが押し始める展開に。リナレスは目立った有効打は許さずカウンターの左アッパーを繰り出すが、手数が減って印象が悪い。続く6Rにはキャンベルがボディからの右ストレートをヒットさせリナレスの頭が跳ね上がる。流れが変わってきたか。
 7Rに入るとリナレスの打ち終わりにキャンベルがパンチを合わせる場面が続き、完全にペースを握られてしまう。リナレスも踏み込んでのコンビネーションは繰り出すがキャンベルにがっちりガードされてしまい、ジャッジの印象に残る攻撃につながらない。
 8R以降はダメージパンチはリナレスの方が入れているはずだが手数はキャンベル、という微妙なラウンド。9Rにリナレスの左アッパーでキャンベルの動きが一瞬止まるものの、終了間際に連打を入れられ帳消しにされてしまう。
 5R以降はリナレスが明確なラウンドを取れず、かなり苦しい展開で迎えた11R、リナレスが飛び込んで左右のパンチをヒット!10Rまでと違って手数が落ちたキャンベルから、ようやく明確なポイントを取り返す。迎えた最終Rはリナレスがギアを全開にし、フットワークでキャンベルを翻弄。相手の距離を作らせず着実にパンチを入れ、終盤にポイントを奪い返す展開で試合終了。

 個人的採点では5~10Rをキャンベルが取り、114-113でリナレス。微妙なラウンドの多さを反映しジャッジも割れたが、スプリット判定でリナレスが接戦をものにし、苦戦の末にベルトを防衛。
 最後までお互いが主導権を奪い合う高度な技術戦だったが、勝負を分けたのは11R。キャンベルは前のラウンドまでペースを握ったにも関わらず、ここで手数が落ちてしまい主導権を奪われてしまった。最終ラウンドに勝負を仕掛ける作戦だったのかもしれないが、世界戦の最終ラウンドは両者が死力を尽くすので11Rが重要になるのは分かり切った話。この辺は世界戦の経験の差が勝敗を分けたとも言えるし、結果的にリナレスの精神面での逞しさが見て取れた一戦でもあった。

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by nugueira | 2017-09-24 22:36 | ボクシング | Comments(2)

ゴロフキンvsカネロ

 三団体統一世界ミドル級タイトルマッチ、ゲンナディ・ゴロフキンvsサウル・カネロ・アルバレスを視聴。

 開始から前に出るゴロフキン。カネロは打ち終わりにボディを入れ、さらにアッパーを合わせようとする。2Rはカネロがワンツーからボディで先手を取ると、右から返しの左フック。手数で優位に立つ。更にカネロが右を狙うがこれはゴロフキンがガード。
 3R序盤はゴロフキンがジャブを連打。カネロはボディを返す。ゴロフキンは飛び込んで左フック。カネロのアッパーがガードの隙間から入るが、クリーンヒットではなかったか。4Rもカネロがワンツーからボディを入れるものの、圧力を強めたゴロフキンが初めてカネロにロープを背負わせる。カネロの打ち終わりにゴロフキンが右をかぶせる場面もあり、徐々にカネロの動きを把握してきたか。
 5Rもゴロフキンがカネロにロープを背負わせると、右クロスがヒット!カネロは首を振ってアピールするが、少し効いたか。6R序盤は前に出るゴロフキンに対しカネロがボディアッパーを返すが、ゴロフキンは右ストレートからの連打でカネロを下がらせる。ゴロフキンのプレッシャーは弱まらず、ロープ際に詰めてパンチを入れる。
 7Rも前に出るゴロフキン。ボディから顔面、さらにアッパーを繰り出していく。8R、ゴロフキンのパンチをもらったカネロが一瞬腰を落とす。攻めていくゴロフキンだが、カネロはボディを返すとゴロフキンの飛び込み際に右アッパー!しかしゴロフキンはなおも前に出て距離を潰してしまう。
 9R、カネロが流れを変えようと序盤にコンビネーションの連打。だがゴロフキンが圧力で押し返す。カネロの右がヒットするものの、ゴロフキンは効いた素振りを見せず前進。カネロはゴロフキンの圧力を捌ききれない。10R序盤もカネロが連打。ゴロフキンはバランスを崩すが、中盤からはまたもプレッシャーを強め、カネロを下がらせる。
 11R、止まることなく前に出ていくゴロフキン。カネロは9・10Rの反撃でスタミナを使ったか手数が出ない。ただゴロフキンもさすがに疲れたか、こちらも手数が落ちてきた。12R開始と同時に、カネロがまたも力を振り絞るように連打。右がヒットするが、ゴロフキンも圧力をかけていく。最後は両者近距離でパンチを振るっていくが決定打は出ず試合終了。

 連休は北海道に行っていたため、小樽の寿司屋で順番待ちをしているときに6R以降を生観戦。帰ってから改めて全体を見たのだが、結果を知ったうえで見ると「カネロは自分のやりたい試合を貫いたのかな」という印象。ライブで見ているときはゴロフキンの圧力にカネロが動かされているとしか見えなかったのだが、なんだかんだでゴロフキンの決定打をもらうことなく12Rを乗り切って見せた。
 個人的採点では2、3、10、12R以外はゴロフキンが取っていたと思うのだが、その他のラウンドもカネロが自分の攻める時間帯を作ったり、ジャッジの印象に残りやすいパンチを入れたりと、とにかく老獪に試合を組み立てていた印象。118-110でカネロは論外だが、ドローにするジャッジがいたのはまあ理解できる。
 期待したKO劇ではなかったものの、両者が技術の粋を出しきった、見ている方が呼吸困難になるぐらいの緊張感みなぎる攻防を最後まで続けたのはさすが。メイvsパックマン以来のメガマッチ、の看板に偽りはなかった。こうなるとダイレクトリマッチへの機運が嫌でも高まってくるが、そうなると「時の流れの力」でカネロ有利になりそうな気がするんだよなあ。

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by nugueira | 2017-09-19 23:39 | ボクシング | Comments(0)

小國vs岩佐

 ボクシングダブル世界戦の感想。まずはWBO世界ライトフライ級タイトルマッチ、田中恒成vsパランポン・CPフレッシュマート。
 
 試合はジャブの応酬からスタート。田中がジャブと左アッパーを突き刺すが、終了間際にパランポンの右ストレートがヒットし田中がバランスを崩すようにダウン!
 いきなりビハインドを背負った田中だが、2Rはフットワークで横に回りながら左ジャブ。パランポンも右ボディを返すが、田中は左ボディを繰り返しヒットさせる。3Rは足を止めて左右のフックを振り回すパランポンに対し、田中は距離を外しながら左ジャブや右アッパーをヒット。4R、田中は細かい出入りを繰り返しながら左右のアッパー、ボディ、打ちおろしの右。パランポンは打ち終わりを狙って強いパンチを振るっていく。田中が落ち着いて1Rの劣勢を挽回している。
 5Rに圧力をかけた田中はロープ際で左ボディ。下がったパランポンにボディからのコンビネーションを叩き込む。6R、ヒッティングで田中が右目の上から出血。かなり視界が悪くなってくるが、ボディと顔面にタイミングよくパンチを入れていく。
 7Rはパランポンが体力回復狙いか下がり続けるが、田中も追いきれない。続く8R、スタミナを戻したパランポンは再び強いパンチを出す。田中は手数がほとんど出ないが、ラウンド後半にボディから顔面へつなげるコンビネーションで攻勢。
 迎えた9R、開始と同時に左右のアッパーから攻めていく田中。左アッパーを餌に右ストレート一閃!仰向けに倒れたパランポンは立ち上がるが足元がおぼつかず、田中が顔面へ連打を叩き込む。玉砕覚悟で突っ込むパランポンだが、最後はロープ際で連打をもらったところでレフェリーストップ。
 いきなりのダウンに始まり後半戦も嫌な流れになりつつあったが、最後は右の一発で勝利を引き寄せた。インパクト十分のKO防衛でいざ田口と防衛戦!という状況の中、田中の眼窩底骨折が判明。こういう統一戦はずるずるタイミングを逃さないうちにやってしまった方がいいんだけどなあ…。

 続いてIBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、小國以載vs岩佐亮佑。
 1R、小國がボディストレートで先手を取ると、岩佐も左ストレートを返す。小國が積極的にストレートを繰り出し手数でリードするが、残り30秒で岩佐の左ストレートがヒットし小國ダウン!
 2Rも小國はボディストレートを起点に攻めるが、岩佐が左ストレートを突き刺しまたもダウン奪取!終了間際に岩佐はこれまた左ストレートを入れ、あっという間に都合3度目のダウンを奪う。
 3Rも小國は岩佐の左ストレートを真正面からもらい続ける苦しい展開。4Rから小國は圧力を強め左ストレートと左ボディでやや盛り返すものの、要所要所で岩佐のノーモーションの左が入り流れを取り戻しきれない。
 そして6R、岩佐は左ショートを立て続けに顔面へ打ち込むと左右の連打。小國の口からの出血が激しくなり、ここでレフェリーストップ。
 岩佐の出来が良すぎたのか小國が悪すぎたのか、ちょっとびっくりするぐらいのワンサイドゲーム。出だしの小國の動きは悪くなかったはずだが、最初のダウンを喫した後はなす術なく岩佐の左をもらい続けてしまった。しかしまあ、岩佐のジムの会長がセレス小林で、田中のジムの会長が畑中。時間は流れていくんだねえ、と妙な感慨にふけってしまった。

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by nugueira | 2017-09-15 23:16 | ボクシング | Comments(0)
 17日の3団体統一世界ミドル級タイトルマッチ、ゲンナディ・ゴロフキンvsサウル・カネロ・アルバレスの予想を。

 まず客観的に見て、今回の試合がカネロにとって絶好のタイミングで組まれているのは確か。ゴロフキンは前回の試合で連続KO防衛がストップし、強さのピークを過ぎつつある感は否めない。一方のカネロはミドル級へのアジャストも着実に進めており、年齢的にも絶頂期。この対戦は時間が経てば経つほどカネロ有利になるので、カネロ陣営にとっては満を持しての激突なのではないか。3月の興業ではゴロフキンの連続KOストップとロマゴン初黒星が同じ興業で現実のものとなってしまったが、昨日はそのロマゴンが完膚なきKO負け。ゴロフキンにとって嫌な流れであることは間違いない。

 とは言いながらも、ロマゴンが階級アップによるパワー差に屈したのに対し、今回はカネロが階級を上げてきた側。チャベスJr戦では終始圧倒しながらフィニッシュはできず、まあこれについてはゴロフキン戦を見越してリスクを負わなかったという見方もできるが、今回どこまで積極的に攻めていけるかはふたを開けてみないと分からない。5月にリング上で両者が対峙したときもゴロフキンの大きさが目立っていたし、ゴロフキンはチャベスJrと違ってただデカいだけでなく、確かな技術の裏打ちもある。

 どういう展開でどちらが勝っても驚かないのだが、やはりミドル級での戦いであれば衰えつつあるとはいえゴロフキンに一日の長があるのではないか。お互い致命傷は負わないものの、ゴロフキンが競り勝って判定勝利、と予想。というかゴロフキンは今回に限っては攻め急がない方が勝率が上がる気がする。待望のビッグマッチ実現にゴロフキンが入れ込みすぎてしまわないか、というのはこれまた不安要素ではあるのだけど。

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by nugueira | 2017-09-11 23:22 | ボクシング | Comments(0)
 WOWOWで見たボクシング・スーパーフライ級ダブル世界戦の感想。まずはWBO、井上尚弥vsアントニオ・ニエベス。

 1Rから全く固さを感じさせない井上は、ジャブを面白いように突き刺すとそこから右ストレート、左ボディ。いつも通りの動きでニエベスを呑んでかかる。
 井上の強打を警戒したニエベスはガードをがっちりと固め、相手の打ち終わりを狙っていく戦法。それでも井上はガードの隙間をくぐるように左ボディを突き刺し、ニエベスの腰が一瞬落ちる。チャンスを迎えた井上だが、残り10秒の拍子木でラウンド終了と勘違いしてコーナーに戻ってしまうボーンヘッド。
 その後も井上は一方的に攻め続けるものの、さすがにここまでガードを固められるとなかなか打ち崩せない。4Rには井上の方から一旦距離を置いて、相手のパンチを誘いだそうとする。
 迎えた5R、これまでも何度か出していた井上の左ボディブローが、ガードの隙間を縫ってグサリ!たまらずダウンしたニエベスは何とか立ち上がるものの、これで試合の趨勢はほぼ決着。6Rはガードを上げて逃げ続けるだけのニエベスに、井上はプレッシャーをかけながら上下のパンチ。ノーガードでニエベスを挑発する動きを交えながら一方的に攻め続ける。後はどうフィニッシュにつなげるか…と思っていた6R終了後のインターバルにニエベス陣営が続行を諦め、井上が圧勝のTKO防衛。
 6Rのパフォーマンスはやや過剰な感じで、ここだけ若干入れ込み過ぎの印象がなくもなかったが、全体的にアメリカ初進出のプレッシャーを感じさせない完璧といっていい試合内容。名のある相手ではないものの、ボディで相手の心を折ってのTKOはインパクト十分。本場のファンに「モンスター・イノウエ」の凄さは十二分に伝わったのではないか。

 続いてWBC、シーサケット・ソールンビサイvsローマン・ゴンザレス。
 ロマゴンは前回の反省を踏まえてか、やや大人しめの出だし。対するシーサケットはボディ・顔面への左をガンガン繰り出して先手を取っていく。ロマゴンは繰り返しバッティングのアピールをし、やはり神経質になっている様子。
 2Rからはロマゴンも圧力を強め、近距離での乱打戦に。これまでならこの展開が続くうちにロマゴンが主導権を握るはずなのだが、シーサケットはロマゴンのパンチを浴びながらもひるむことなく打ち返し、逆に左ストレートで先手を取る場面が目立つ。バッティング抜きに、ロマゴンがやりにくそうな印象のまま3Rが終了。
 そして迎えた4R、ロマゴンが接近しての打ち合いを挑むが、シーサケットの右フックがカウンターで直撃!もんどりうつようにダウンしたロマゴンは何とか立ち上がるが、ダメージの深さは明らか。シーサケットはすぐさま追撃に行くと、またもカウンターの右フック!大の字に倒れたロマゴンを見てレフェリーがストップ!

 あのロマゴンがKO負けを喫した、というだけで十分ショッキングで、しばらく目の前の光景が理解できなかったのだが、それ以上に衝撃的だったのはこの負けが出会い頭の交通事故ではなく、ロマゴンは負けるべくして負けたとしか思えないこと。これまでは至近距離の打ち合いでも自分は有効打をもらうことなく一方的に殴り続け相手を消耗させていったが、今回はその展開になっても逆にパワー差で押される場面が目立ち、最後は狙い澄ましたカウンターに沈んだ。
 前回の判定負けが微妙かつ不運な内容だったことは今も疑いのない事実だが、やはりロマゴンが全盛期の力を失い、階級の壁に阻まれる立場になってしまったこともまた事実なのだ…ということを改めて思い知らされた形。正真正銘、今日は一つの歴史が終焉を迎えた日になった。

 完璧なアメリカデビューを飾った井上だが、同じ日の同じ会場でターゲットだったロマゴンが凋落の時を迎えたのは皮肉というべきか、神様のいたずらというべきか。ソールンビサイとの統一戦を来年まで引っ張って実現する必要性もあまり感じられないし、早々にバンタム級に転向しかないのだろうか…。

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by nugueira | 2017-09-10 23:01 | ボクシング | Comments(3)

久保vsローマン

 WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、久保隼vsダニエル・ローマンを視聴。

 1R、距離を取ってボディを打つ久保。ローマンの入り際にパンチを合わせるが、ローマンもアッパーを返す。2Rに入ると圧力を強めたローマンが距離を詰めてボディ。久保はローマンが入ってくるところに左アッパーを繰り出す。
 3R、ローマンの左右のパンチが次々と久保の顔面にヒット。久保もボディ連打を返すが、流れがローマンに傾いてきた。4Rに久保は距離を取ってボディを叩くが、ローマンの圧力を止められない。終盤にローマンの右ストレートがヒット。
 5R、ボディの削り合いからローマンの右ストレートがヒット。久保は近距離での打ち合いに巻き込まれてしまっている。6Rも被弾し下がらされる場面が目立つ久保。終盤に右アッパーをもらいグラついたところにローマンがラッシュ。久保は滅多打ちにされるが、なんとかダウンは免れる。
 勝負どころと見たローマンは7R開始と同時に猛攻。右をもらった久保はよろめくようにダウン。何とか立ち上がる久保になおもローマンが襲い掛かるが、攻め疲れかラウンド後半はペースダウン。8R、ダメージの残る久保は下がりながらもカウンターのタイミングを狙うが、終盤にローマンの右をもらい力尽きるようにダウン。9Rもローマンの攻勢は止まらず、最後はストレートを食らい久保が腰を落としたところでレフェリーがストップ。

 初防衛戦の難しさを証明するような試合だったが、やはり久保に工夫というか引き出しが足りなかったか。徹底して圧力をかけてくるローマンを捌ききれず、ズルズルと相手のペースに呑みこまれてしまった。王座を獲得した試合も内容的に物足りなさが残ったが、初防衛戦までにその「物足りなさ」を埋めきれなかった、という感じ。

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by nugueira | 2017-09-07 23:53 | ボクシング | Comments(0)