反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

2017年 08月 27日 ( 1 )

 フロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガーをDAZNで視聴。格闘技好きだがこれまで有料動画コンテンツに一切関心を示さなかった知人が今回ばかりはこの試合のためにDAZNと契約し、このカードの経済効果の高さを思い知らされた。

 最初に向かい合った時点でマクレガーの肩幅・胸板の厚さが目立ち、「リーチ差がある」というより「デカい」という印象。1Rはガードを上げて様子見のメイウェザーに、マクレガーが積極的に手数を出していく。メイウェザーが時おり飛び込んでいくものの、マクレガーはそこにアッパーを合わせてくるのが怖い。
 2R、3Rも手数で押すのはマクレガー。メイウェザーの打ち終わりにもきっちりパンチを返していき、メイウェザーにチャンスを作らせない。ブランクと体格差で序盤はメイウェザーがリズムに乗りきれないのは予想の範囲内とはいえ、マクレガーの想像以上の動きの良さが序盤は目立つ。
 しかし4Rに入るとマクレガーに疲れが見え始め、接近戦でメイウェザーにもたれかかるなどラフな動きが目立ってくるようになる。メイウェザーはマクレガーのパンチを見切ったのかこのラウンドから圧力をかけ始め、一気に試合の流れが変わってくる。(余談だが、3R後半あたりで既にマクレガーのスタミナ切れを見極めていた千原ジュニアは凄いと思う。発言の端々にボクシングマニアらしさが出ていて、悪くない解説だった。)
 メイウェザーは5Rにボディストレートを次々と突きさし、マクレガーのスタミナを奪いに来る。マクレガーは接近するとクリンチする場面が増え、かなり効いている様子。6Rはマクレガーが組み付いてから後ろに回り込んで殴ろうとするMMAの動きを連発するものの、これにイラッときたのかメイウェザーが右ストレートを入れてから強めのパンチを連打。
 7Rに入るとメイウェザーの左右のストレートが次々とヒットし、マクレガーの顔面が跳ね上がる。いつもはこういう決定的な場面を作ってもフィニッシュに行けない(行かない?)メイウェザーだが、9Rもマクレガーを滅多打ち。マクレガーはMMAファイターの本能かタックルのように組み付く動きを連発してしまい、立っているのがやっとの状態に。
 迎えた10R、メイウェザーは攻撃の手を緩めず、左右のパンチをマクレガーに叩き込む。ふらつきながら後退するマクレガーがこのラウンド何発目かの強打を顔面にもらったところでレフェリーストップ。史上最大の他流試合はメイウェザーがマクレガーを寄せ付けず、圧勝してみせた。

 この試合が何かの到達点でもなければ、この試合から何かが生まれるわけでもない、ということを嫌になるくらい繰り返し書いてきたが、見終わった後もその思いは変わらず。終わってみればメイウェザーがかつてと同じ試合運びでコントロールし、終盤はラフプレーに走るしかなかったMMAファイターをきっちり仕留めた。この試合に無理やり意義を見出すとすれば「ハットン戦以来ひさしぶりに、メイウェザーのきれいなフィニッシュを見ることができた」というぐらいだろうか。
 試合後の両者の妙に清々しい表情を見ていると、二人とも巨額のマネーを得た「敗者なきメガマッチ」だったのだ、ということを改めて認識させられる。メイウェザーはこの試合が最後になることを宣言。自分はベルト戦の後も「メイウェザーの復帰は考えにくい」と書いた記憶があるので迂闊なことは言いたくないが、今回の試合もクリーンヒットはなかったものの思った以上にマクレガーに触られていたのは確かで、衰えは間違いなくあった。メイウェザーにとって今後、これ以上の破格の条件の試合が来るとは思えないんだよなあ。
 一方のマクレガー。試合後のインタビューでUFCでの現役続行を宣言したが、これを信じていいものかどうか。一生暮らせるだけの金を稼いで、今後は試合をしても今回の10分の1以下のファイトマネーしかもらえないんだから、普通に考えてモチベーションは枯れると思うが。好き嫌いはさておき、マクレガーの試合をUFCで二度と見たくないかと聞かれたら答はノーなので、本人がソロバン勘定とは別次元の気まぐれを起こしてくれることを期待するしかない。

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by nugueira | 2017-08-27 22:47 | ボクシング | Comments(4)