反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

2017年 04月 30日 ( 1 )

 WBA・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ、アンソニー・ジョシュアvsウラディミール・クリチコをWOWOWで視聴。

 開始と同時に前に出て先手を取るクリチコ。ジョシュアはやや慎重な立ち上がりだが、ラウンド後半は細かいパンチを返していく。
 続く2Rは開始早々、クリチコの右ストレートがヒット!しかしジョシュアは徐々にジャブの手数を増やし、そこから右へつなげる。クリチコはヒットはもらっていないものの手数が少ないか。
 3Rに入るとジョシュアが懐へ飛び込んで左右のパンチを繰り出すようになり、スピードのギアを上げてきた印象。4R開始と同時にまたもクリチコの右がヒットするが、ジョシュアも右を入れ返す。このラウンドはクリチコが前に出るが、ジョシュアも飛び込んでのパンチを狙っていく展開。
 前半戦はクリチコが上手く戦っている印象だったが、5R開始と同時にジョシュアが猛然とラッシュ。左フックを効かされたクリチコはそのままジョシュアの連打に呑みこまれ、前のめりにダウン!しかしここから持ち直したクリチコは攻め疲れの見えるジョシュアに左フック、右アッパーを次々とヒット。ラウンド後半は一転してジョシュアが棒立ちになる。
 続く6R、ダウンのダメージから回復し軽快な動きを取り戻したクリチコが右ストレート一閃!ジョシュアが崩れ落ちるようにダウン!大逆転のチャンスを迎えたクリチコだが、残り時間はジョシュアが凌ぎ切る。
 7R、クリチコは細かい左ジャブから左フックや右を狙っていき、回復待ちのジョシュアは防戦一方。8Rもクリチコが左ジャブでジョシュアを寄せ付けないものの、ジョシュアは多少持ち直してきたか。
 9Rはジョシュアが久々に自ら前に出て攻勢。右がクリチコのアゴを浅く捕える。10R、クリチコは細かい左。ジョシュアは飛び込んで連打を狙うが、終盤にジョシュアの踏み込みに合わせてクリチコがカウンターの右!クリチコ優位の印象で試合は終盤戦へ。
 しかし迎えた11R、開始と同時にジョシュアの右がヒット!足がフラついたクリチコはなんとか凌ごうとするが、距離が詰まったところでジョシュアが右のショートアッパー!さらに追撃の左を食らったクリチコが遂にダウン。何とか立ち上がるクリチコだが、ジョシュアの連打で再びダウンすると、最後はコーナーでパンチをもらい続けたところでレフェリーストップ。ジョシュアが劇的な逆転KOでヘビー級の世代交代を果たしてみせた。

 「ジョシュアKO勝利」という結果だけを見れば大方の予想通りだが、ここまでエキサイティングな展開を想像できていた人はいただろうか?5R以降はテレビの前で思わず叫び声をあげてしまう場面の連続で、解説陣が連呼していた「年間ベストバウト確定」という台詞にもただ納得するしかない。
 これだけの名勝負を生んだ功労者は間違いなくクリチコ。出だしから圧力をかけてジョシュアの機先を制し、一年半のブランクを感じさせない百戦錬磨のベテランらしい試合運びを見せてくれた。6Rにダウンを奪ってからの戦い方は全盛期のクリチコそのもので、10Rが終わった時点で「時計の針は結局クリチコの時代に巻き戻るのか」と思うしかなかった。
 その絶体絶命の状況から最後の反撃に打って出て、それをものにしてみせたジョシュアもお見事。早期KO決着が多いが故に長丁場に不安があり、現にその通りの展開になりかけたが、最後は強引な突破力で新時代への道を切り開いてみせた。
 かつての絶対王者クリチコが強さを見せつつも新世代の前に崩れ落ちる、という世代交代劇としてあまりにも完璧すぎる内容。試合後はリマッチへの意欲も垣間見せたクリチコだが、41歳という年齢を考えればこの一世一代の名勝負を花道にリタイアすべきなのでは。果たしてジョシュアvsワイルダーの統一戦は実現するのか。ヘビー級新時代がどう展開していくのか、一気にワクワクしてきた。

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by nugueira | 2017-04-30 23:36 | ボクシング | Comments(0)