UFC98の感想
2009年 05月 25日
レフェリーがウォルフのタップを流したときはどうなるかと思ったが、焦らず絞め直した吉田が2度目のタップを奪い勝利。日本人のリリースが相次ぐUFCだが、白星先行でとりあえず踏みとどまったか。
ショーン・シャーク×-○フランク・エドガー(判定)
圧力はかけるもののパンチの空振りが目立つシャークに対し、エドガーが着実にパンチをヒットさせ判定勝利。ボクシング+レスリングというスタイルは共通だが、完成度でエドガーが上回った感じ。シャークがこういう負け方をするのは意外だが、ライト級はやはり層が厚くなってますね。エドガーのようなスタイルが浸透しているライト級戦線で宇野がどういう戦い方を見せるのかが興味深いところ。
クルジツォフ・ソジンスキー○-×アンドレ・グスマォン(1R KO)
大味な打撃戦の末、ソジンスキーがパンチでKO。ライトヘビー級の上位戦線に食い込めるとは思えないが、緊急出場でちゃんと仕事をやってのける使い勝手のよさは特筆に値する。
ブロック・ラーソン○-×マイク・パイル(1R 肩固め)
足関節に失敗して上を取られたパイルが、そのまま肩固めを極められてタップアウト。
パトリック・バリー○-×ティム・ヘイグ(1R フロントチョーク)
先にハイキックとパンチでダウンを奪ったバリーだが、上を取られてギロチンで逆転負け。これまた大味な試合。
チェール・ソネン○-×ダン・ミラー(判定)
ミラーのギロチンを凌いだソネンがパウンドで試合を優勢に進めるものの、後半はスタミナ切れで完全に失速。結局ソネンが逃げ切って判定勝利。まあ代打出場で急遽試合が決まったことを考えると仕方ない面もあるか。やはり緊急オファーは試合する方にも見る方にも不幸ですな。
ドリュー・マクフェドリース○-×ザビアー・フォウパ・ポカム(1R KO)
ポカムがあっさりパンチをもらって秒殺KO負け。ところでポカムが以前名乗っていた「プロフェッサーX」って、「ザビアー」の頭文字がXだからなのだろうか。今さらどうでもいいですが。
マット・ヒューズ○-×マット・セラ(判定)
1Rにいきなりヒューズがパンチをもらい大ピンチ。でもスロー映像でよく見るとバッティングですね。
2Rはヒューズが上から固めてパウンドで攻勢、3Rはお互い決め手なしという展開の末にヒューズが判定勝利。1Rはバッティングなのでセラのポイントに入れるべきではないことを考えると、まあ妥当な判定では。とはいえヒューズの試合内容はここ最近と同様、全盛期の見る影もなし。やっぱり、そろそろ潮時だと思うのだが。
ラシャド・エヴァンス×-○リョート・マチダ(2R KO)
1Rは予想どおり距離の測り合いから開始。このまま5分終わることもありうるのではと思ったが、ラウンド終盤にリョートが狙いすましたミドルからのパンチを入れてエヴァンスがダウン。
2Rには一度だけリョートが踏み込んだところにエヴァンスが打ち返してパンチの応酬となったものの、それ以外はリョートが完全に間合いをコントロールし、ミドルを的確にヒット。最後はリョートがパンチ連打を入れてエヴァンスが失神KO負け。遂に猪木軍がUFCを制圧した(そういう結論なの?)。
リョートの技術は「凄い」の一言。大月の試合みたい、という表現が比較的一番しっくりくると思うが、まるで武術の達人の試合を見ているみたい。ミルコともリデルとも違う、総合の打撃の新たな完成形ですね。相手にしてみれば自分のパンチは全く当たらないのに、相手の打撃だけいつの間にか当たってるんだもん、どうしようもないですよ。
テイクダウンのスキルが強いグラップラーと戦ったらどうなるんだろう、という点は興味深いけど、今のUFCライトヘビー級にそういうタイプの選手はいないしなあ。王者交代の相次ぐライトヘビー級戦線だが、リョートは長期政権を築いておかしくないかも。