反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

K-1横浜大会の感想②

ピーター・アーツ○-×エロール・ジマーマン(延長判定)
 開始直後にジマーマンの右がヒットしたときはアーツがこのままハリ戦と同じ負け方をするのでは、とヒヤリとしたが、アーツもこの後に右を入れ返し、ラウンド中盤以降はコンビネーションで逆に押し気味に試合を進める。
 2R以降も近距離の打ち合いではジマーマンの方に分があったものの、アーツも手数を返していき主導権は渡さず、試合は延長戦へ。延長Rではローが効いたかジマーマンが失速し、最後まで押し切ったアーツが勝利。
 アーツがチャクリキに復帰したことを今回の中継で初めて知った。38歳になるにも関わらず、20代の若手を相手に最後まで手数を緩めず、持久戦をものにしてしまう。並みの選手にはできない勝ち方ですよ。05年のモー戦もそうだったが、世代交代の瀬戸際に追い詰められたときのアーツは本当に強い。

前田慶次郎○-×グーガン・サキ(延長判定)
 準決勝を延長Rまで戦ったサキは短期決着を狙って序盤から攻めていくものの、前田はきっちり守りを固めてローを入れていく。相変わらずディフェンスが上手く、相手の動きが非常によく見えている。
 2R以降は前田が完全に距離をコントロールし、スタミナ切れで動きの悪くなったサキに自分の間合いを取らせない。決定打がなく延長Rにもつれこんだものの、最後まで回転力のあるパンチを連打した前田が判定2-0で勝利。日本人初の重量級K-1王者が誕生した。
 ディフェンシブで一発のない前田の試合運びは「つまらない」と言ってしまえばそのとおりなのだが、重量級の立ち技の試合で日本人が勝つにはこのやり方しかないのも確か。自分の持つスキルをもとに勝つためのスタイルを徹底的に磨き上げ、結果を出してみせたことは素直に賞賛するしかないのでは。ワンマッチ最強というコンセプトのはずなのに、ワンデートーナメントの妙でベルトを獲ってしまったことには釈然としないものを感じますが。

レミー・ボンヤスキー○-×アリスター・オーフレイム(判定)
 アリスターが序盤からプレッシャーをかけていく展開で、お互い有効打はないもののレミーはやりにくそうな雰囲気。
 2Rに入るとアリスターが距離を詰めての攻撃で徐々にペースを握る。アリスターの攻めは単発だが一発が重く、レミーは自分の攻めができていない。アリスターは相手の腿を狙ったヒザを多用していたけど、これまでK-1でこういう攻めを有効に使っている例は見たことがない。新しい技術体系のひとつになるかも。
 2Rまでジャッジの点差こそつかなかったものの、3Rに入るとますますアリスターが主導権を握る流れに。もはやこれまでか、と思われたラウンド終盤、レミーがヒザ蹴りの後にタイミングよくパンチを入れアリスターがダウン。結局これが決め手となり、レミーがかろうじてK-1の威信を守る結果に。
 レミーは勝利という結果は出したけど、結果以外は何も残せなかった試合。ヒザの負傷とか斟酌すべき事情はあるんですが、やっぱりK-1の看板を背負った試合に臨む以上、きっちり結果を出すのがエースでしょう。一方のアリスターはレミーとは逆に負けはしたものの評価を上げた形に。本人も言うように、このまま「負け逃げ」するのが一番賢いでしょうね。

 アリスターは大晦日以降ステロイド疑惑が取りざたされていますが、K-1サイドもそろそろ真面目にこの問題に取り組まないとダメでしょう。仮に今回アリスターがこの疑惑を抱えたまま勝っていたら非常に後味の悪い展開になっていただけに、とにもかくにもレミー勝利という結果に終わってくれたことは非常に良かった。

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Commented by tarou at 2009-03-30 00:55 x
アーツのボディへのストレートが全く評価されない採点に違和感を覚えました。あれだけ集中打をまとめても1Rはほとんどドロー…。K-1はボクシングを採点では重視する、とよく言われますが、顔面へのヒットを重視する、といいかえるべきかもしれません。
Commented by 通りすがり at 2009-03-30 01:10 x
テイシェイラのミドルと同じで、入っていても明らかなダメージが見られなければポイントは入らないのでしょう。
顔面もジャブなどスローで見れば結構入っている試合もありますが、怯んだり仰け反るなどがなく効いていない感じですとポイントつきません。
顔面は仰け反る、ローは足が流れるなど目に見える嫌がり方やダメージがボディでは得にくいですからね。
まぁアマボクではないので効いていなければポイント入らないというのもそれはそれでありだと思います。
タッチボクシングになられてもこの上なくつまらないので。
Commented by nugueira at 2009-03-30 20:42
>tarou様、通りすがり様
 K-1ではないですが、男祭りのミルコVSハントでミルコのハイキックがヒットしてもハントがびくともせず判定勝ちしたことがありましたね。判定はダメージをポイント換算する、という考え方に立てば、ヒットしてもダメージを与えた様子がなければポイントが入らないというのは一つの基準だとは思います。
by nugueira | 2009-03-30 00:19 | K-1 | Comments(3)