戦極~第七陣~の感想②
2009年 03月 22日
不利が予想された小見川だが、1Rからテイクダウンを取ると上をキープし続けるとパウンド、さらには腕十字を仕掛けていき、試合を完全にコントロール。2R以降も同じ展開でデイビスの打撃を封じ、一本勝ちこそ逃したものの文句なしの完勝。
デビュー以来どうもパッとしなかった小見川だが、これで遂に覚醒したか?フェザー級GPの中で急激に注目の存在となってきた。毎回この勝ち方だとそれはそれで塩だとかの批判を呼びそうだが。
ジェームス・トンプソン×-○ビッグ・ジム・ヨーク(1R KO)
開始と同時にトンプソンが突っ込むものの、かわされるとパンチを食らってしまいいきなりピンチ。トンプソンは契約の中に「ゴング&ダッシュボーナス」とかが盛り込まれてるんだろうか。
この後はトンプソンが組み付きを狙うもののうまくいかず、両者パンチをぶん回す大味な試合展開。結局最後はヨークがカウンターのフックを入れてKO勝ちしたが、これも「お互いぶん回したらたまたまカウンターになってしまった」という感じだしなあ。トンプソンはPRIDEのフライ戦とかはけっこう細かい技術も使っていたと思うのだが、明らかに今の方が雑になっている。
門脇英基○-×ナム・ファン(1R KO)
スタンドでのパンチ合戦のまま時間が経過。最初は門脇がボディーを絡めて上手く攻め込んでいたが、ひるまずに前に出続けたナム・ファンがガードの隙間を突いてクリーンヒットを入れると、鉄槌を食らわしてKO勝ち。
門脇がこういう形で姿を消してしまうのは残念。序盤にいいパンチが入ったから調子に乗っちゃったかな。
日沖発○-×クリス・マニュエル(1R 腕十字)
開始早々テイクダウンを取った日沖が、マウントを奪ってパウンド、関節技と完全に試合をコントロール。マニュエルも多少は粘ったものの、最後は日沖が腕十字で一本。ATTの刺客を難なく退けた。
去年のバレット・ヨシダ戦でも思ったが、日沖はテイクダウン、パウンド、関節技という技と技のつなぎが非常に的確かつスムーズ。「グラウンドではひとつの技に固執しない」というのは基本ではあるけれど、それをここまで完璧にやってのけるのはお見事。総合格闘技のお手本のような選手だな。
川村亮×-○キング・モー(判定)
序盤からモーがスープレックスのようなテイクダウン、さらにはパウンドで猛攻。川村の粘り(と2R途中での手の怪我?)もあり最後はやや攻め疲れの様子も見せたが、文句なしの内容で勝利。とはいえこれまでの試合からすると判定じゃ印象不足か。
戦極は今回からジャッジの採点も公表されるようになったが(逆に去年まで非公表だった理由が分からんが)、この試合ではジャッジのうち1名が30-24。総合格闘技のジャッジでこんな点数見たの初めて。川村に明確なダウンがあったわけじゃないし、3Rはそこまでの差があったか?
興行全体としては、十分合格の内容だったのでは。フェザー級GPは選手のレベルはDREAMの方が上かもしれないが、DREAMが結果的に「負けられない」という試合をする選手が多くなってしまったのに対し、戦極は「勝ちたい」という気持ちを前面に出す選手が多かったのが好印象だった。
微差10-9、一方的10-8、KO寸前10-7、ぐらいにしてみても面白いんじゃないでしょうか。
ボクシングの10点方式も実質3点方式みたいなものですし、微差も一方的も等しく10-9なのは納得いかない事が多いですし。
まあ戦極にそんな意思があるのかは判りませんが。
コメントありがとうございます。
PRIDEの悪い影響だと思うんですが、総合格闘技のジャッジの配点方法が真剣に議論されたことってあまりないですよね。ごんたさん御指摘のように、10-8を積極的に使っていくのもひとつの考え方かもしれません。戦極がこれを機に採点基準の明確化を図ってくれればいいんですが。