HERO’S観戦記⑤
2007年 07月 21日
「PRIDEの刺客」と銘打たれた田村の紹介Vに、リングスとUインターの試合映像しか出てこない点は突っ込んでおいた方がいいのだろうか。
田村の入場時、手拍子する人ほとんどいなかったなあ・・・。とはいえ、田村が入場すると心なしか会場の空気が変わる。やはりこの男の存在感は得がたいものがある。
1Rから田村は金のキックのタイミングに合わせて度々テイクダウンを取るが、そこから先は金のクローズドガードに阻まれて攻め手を欠く。金の細かいローを田村がもらう場面もあり、田村が攻めあぐねている印象のまま1Rが終了。
2Rになると田村がタックルのタイミングを取りあぐねているまま、金の打撃をもらう展開が目立つようになる。田村は強引なタックルからテイクダウンは取るものの、グラウンドでもむしろ金の方が落ち着いている印象。田村がテイクダウン以上の攻撃をできないまま2Rが終了。
判定は金に1票のドロー。延長ラウンドは序盤に田村が打撃で前に出る場面もあったものの、結局は2ラウンドの焼き直し。上を取ってもそこから先の展開がない田村に対し、終了間際には逆に上になった金がパウンドを見舞っていく場面も。延長判定は文句なしの3-0で金が勝利。田村のHERO’S初参戦は予想外の結果に終わった。
田村の動きを見ていると、パウンドを打つことに対しての抵抗感が依然として強いように思える。テイクダウンを取っても攻めあぐねる田村に対して、上になったら躊躇なくパウンドで攻めていく金の姿があまりに対照的だった。(単純に緊急参戦による準備不足、というのもあるのかもしれないが。)
「自分の理想に殉じた」と言えば聞こえはいいが、「PRIDE対K-1」の構図を背負ってまで出陣したHERO’S初参戦の場でこういう試合をしてしまう田村に対しては、やはり「間が悪い」という表現の方がしっくり来てしまう。
桜庭、秋山など、HERO’Sのリングには田村にとってテーマ性の強い対戦相手が揃っている。とはいえ、肝心のリング上のパフォーマンスが伴わなければ、田村の試合は単なる「客寄せパンダ」、あるいはそれ以下の「自己満足」でしかない存在となってしまう。当の田村自身もそこに気がついていないはずはないのだと思うが。
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