反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

全日本キック観戦記①

3月9日(金)後楽園ホール

 行かなきゃ後悔するという100%の確信があったので、仕事のあと一路後楽園ホールへ。

全日本ウェルター級王座決定トーナメント準決勝
湟川満正○-×三上洋一郎(2R KO)

 「第4試合に間に合えばいいや」と思っていたが、狙いどおりちょうどこの試合の直前ぐらいに到着。
 湟川が開始直後からミドル・ハイをリズミカルに連打。その後も上下左右をきれいに打ち分けながら先手を取り続ける。三上も強引に前に出てパンチを当てる場面もあるものの、全体的に主導権を握っているのは湟川。1R後半から湟川のローが効き始め、2Rには遂にローキックで三上がダウン。なんとか立ち上がるものの、今度は湟川のハイキックが一閃。鮮烈なKO劇で決勝へコマを進めた。
 湟川は以前から手数をまとめるのが上手い印象があったけど、さらに力をつけている感じ。昨年は大輝に敗れチャンスを逃したベルト獲り、今度こそ手が届くか。

全日本ウェルター級王座決定トーナメント準決勝
山本優弥○-×金統光(判定)

 序盤、インローで攻める金に対して優弥はスピードのあるミドル・ハイ。さらに打ち終わりで金のガードが空いたところにタイミングよくフック。これで金の動きが一瞬止まる。
 ここから先は、金との間合いを支配した優弥が試合を完全にコントロール。金のパンチはバックステップでかわす一方、優弥の蹴りと飛び込み様のパンチが面白いように当たっていく。試合を見ながら思わず「うまい!」と叫んでしまう場面が一度や二度ではなく、優弥がひさしぶりに本領を発揮したという感じ。
 金も最後まで粘りはしたものの、2Rにダウンも奪った優弥が判定3-0で完勝。優弥はここ最近伸び悩みの感じがあったので予想も金につけさせてもらっていたけど、それを覆す完全復活。「神童」は未だ死なず。5月の湟川との一戦が今から楽しみになってきた。
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山本真弘△-△藤原あらし(判定ドロー)
 真弘は一階級上とはいえ通常体重もそれほど重い方ではないので、体格差は大きくはなさそう。序盤は互いにフットワークを駆使して距離の測り合い。飛び込みながらのパンチを狙っていくあらしに対して、真弘は手数でしっかり返している印象。両者とも出入りの早さが持ち味なので序盤は様子見か。
 試合が大きく動いたのが3R。あらしのローブローで一時中断のあと、飛び込んできたあらしに真弘がタイミングよく左フックを合わせダウン。一気に優位に立つ。
 ところが、4R以降は真弘が完全に失速。逆にあらしはダウンを取られてもペースを崩さず、ミドルとテンカオを着実に入れて試合の主導権を奪い返す。終盤は真弘のクリンチばかりが目立つ展開になり、遂に審判からイエローカードが提示された。
 試合は結局、真弘1-0のドロー決着。3ラウンドのダウンの後、4・5ラウンドはあらしが取っていた内容だから、まあ妥当なジャッジか。終盤は真弘が消極的な展開に終始してしまったのが非常に残念。せっかくの王者対決なのだから、見る方も納得できる完全燃焼をしてほしかった。あらしは国崇戦もそうだったけど、ダウンを取られてからがしぶといね。
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大月晴明×-○増田正博(判定)
 大月はいつもどおり重たいローから飛び込み様のパンチ。パンチの射程圏内に入ったら一発で試合が終わりそうな、居合の達人の演武を見ているような緊張感に襲われてくる。
 1Rには大月が連打を打ち込む場面もありこのまま押し切るかと思ったが、2Rに入ると展開が一変。慎重に距離を取る増田に大月はなかなか踏み込めなくなり、逆に増田のパンチやハイが当たり始める。そして大月のローにタイミングよく合わせた増田のストレートがヒットし、遂に大月がダウン。予想外の展開に場内が歓声に包まれる。
 打ち合いに持ち込んで逆転したい大月だが、この後も2Rと同じ展開。増田は大月の誘いには乗らずに距離を取り、逆に大月のローのタイミングに合わせてうまくパンチを入れていく。大月は最後まで増田の懐に飛び込むことができず、本人にとっても観客にとってもじりじりとしたムードのまま5Rが終了。判定3-0で増田が金星(現ライト級王者にこの言い方は失礼だとは理解しているが)を挙げた。
 見ている側としては「まさか」という以外に言葉がみつからない結果だが、5Rを通して大月を自分のゲームプランに引き込んだ増田がお見事。サトルヴァシコバ戦に続き、いやらしいほどの老獪なうまさを見せつけた。

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by nugueira | 2007-03-10 23:57 | 全日本キック | Comments(0)