反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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K-1 WORLD GP観戦記(オマケ)

 毎回、観戦記は試合の内容を書いたあたりで力尽きてしまい、大会全体へのコメントがやや薄めになってしまっているんですが、今回のK-1についてはやや総括めいたことを改めて。

 率直な感想から言うと、今回のK-1は悪くない、どころかここ最近のWORLD GPの中では非常に面白かった部類に入ると思うんですよ。ドーム観戦を始めたのは2002年からで、この年のサップ人気による異常な盛り上がりは別格としても、今年は内容としては2002年にも劣らないものだったのではないかと。
 バンナの大勝負、ホーストの引退、アーツの復活劇、それらをなぎ倒してのシュルト2連覇と語るべきポイントも多かったですし、優勝戦線に絡まなかったとはいえグラウベVSカラエフは非常に面白い試合だったし。観戦記書き始めてから改めて気づいたんですけど、どの試合もテーマ性が強くて、見所の多い興行だったんですよね。邪魔だったのはレコのローブロー騒動ぐらいか。

 02年のサップ・フィーバーが図らずも翌年以降のビックリ人間大集合路線を生んでしまい、ここから長らくK-1ヘビー級の低迷期というか迷走期が始まったわけですが、今年のGPはこの傾向にハッキリとした歯止めがかかったことの証明として評価できるのではないかと。

 一方で、この流れがちゃんと「会場の熱気」につながっているかというと、残念ながらまだそこまでは至っていないというのが素直な実感。原因は何かなあ、と考えていくと、シュルトの扱い方に行き着くと思うんですよ。

 今回のGPで客席が最も沸いた場面が、準決勝のホーストと決勝のアーツに対する声援で、要はシュルトが完全に悪役に回って、会場のほぼ全員がホースト頑張れ!アーツ負けるな!という雰囲気になってるんですよね。
 これはこれで、GPの14年という歴史がなせる技であって、決して悪いことではないとは思う。でも針の振れ幅の問題として、ちょっと偏りすぎかなあという気がしてならない。

 例えばヒョードルとかってキャラ的にはヒール扱いになってもおかしくない面があると思うんだけど、「絶対王者」としてきっちり評価を受けて、ファンが付いている。今のシュルトの強さってこれと同じぐらい図抜けていると思うんだけど、どうも「柱」としての存在感がいまいち出てきていない。この辺りに、トーナメントのレベルの高さと客席の盛り上がり方のズレが生じた原因があるのでは。

 どうしてこの状況になったかというと、PRIDEとK-1の客質の違いも一因だろうけど、プロモーター側のシュルトの扱い方が大きいと思うんですよ。
 今年の初めからルール改正やら妙なジャッジやらに「どうにかしてシュルトを負かそう」という主催者側の意図が見え隠れしていたわけですけど、シュルトがそれすらも押しのけて堂々の連覇を果たしてしまったことで、K-1の中心が誰なのかがイマイチ判然としない妙な状態に。

 こうなったら来年は開き直って、「絶対王者シュルト、3連覇へ!」というのを堂々と押し出した方がいいと思うんですよ。で、そこにカラエフやバダ・ハリとかの「新世代」、復活を期するボンヤスキーとかイグナショフ(?)とかの「やや新世代」が絡んでいく構図にすれば対立構造として分かりやすくなるんではないかと。

 ホーストが引退した今、プロモーターも旧世代への未練は思い切って捨てちゃった方がいい気がするんですよね。MAXが「日本人頼みの魔娑斗任せ」になりつつあるけど、このままだとヘビー級が「旧世代頼みのアーツ任せ」になりそうで、これだけは何としても避けて欲しい。今年みたいに期待薄の状態から結果的にアーツが勝ち上がる分には問題ないと思うので。

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Commented by at 2006-12-11 18:48 x
シュルト、3連覇へ!て押し出したほうが良いんだけど、ヒョードルと違って現実離れした体格に頼っている部分もあるし、スピード感がなく試合も面白くないからじゃないでしょうか。早期KO出来るぐらいの、マヌーフみたいな凶暴感があればインパクトあるのですけどね。
Commented by nugueira at 2006-12-12 07:53
>k様
 仰るとおり、勝ち方の地味さが足を引っ張っている部分はありますね。技術もあってただデカいだけじゃない、というのも確かなんですが、なかなか伝わりづらいのが厳しいところです。
Commented by 太郎 at 2006-12-12 14:21 x
 思えば、今年の特に前半(まあ、後半もですけど)、ルール改正という名目で、シュルト戦で特に、クリンチを厳しくとるシュルト戦特別ルールみたいな物があったように思います。シュルトは、普通なら腐るところをきっちりとこれに対応してきました。
 その結果、封じ込められたのはシュルトのアグレッシブさで、シュルト自身ではなかったということだと思います。ですが、もう少し詰めていけばKOできそうな所がいくつかあったのも事実であとは本人次第かなーといったところです。
 本当は、ルール改正なしでほかのファイター達がいろんな工夫をして白星を勝ち取ったら競技としても進化したし面白かったんですがねぇ。
Commented by nugueira at 2006-12-13 01:19
>太郎様
 シュルトはこれまで地味な勝ち方だったのが去年のGPで覚醒したと思うんですけど、ルール改悪でまたもとに戻ってきちゃったんですよね。
 技術面でのシュルト攻略はこの1年間で積み上げてきたものが先日のGPで崩れてしまったので、正直打つ手無しな感じがします。糸口があるとしたらやっぱりローキックですかね。
by nugueira | 2006-12-10 08:42 | K-1 | Comments(4)