反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

K-1 WORLD GP観戦記⑤

バダ・ハリ○-×ポール・スロウィンスキー(判定)
 1Rからいつも通りローキック主体でコツコツ攻めていくスロウィンスキーに、パンチ中心で攻め込んでいくバダ・ハリ。ある程度期待はしていたが、お互いにリズムのいい攻撃をガンガン繰り出していく、非常に噛み合った好試合に。
 2Rあたりからスロウィンスキーのローがあまり出なくなり、ハリが手数でやや優勢という印象。今回とりあえずビックリしたのが、ハリがトリッキーな動きに頼らず正統派のキックボクシングの試合運びで主導権を握ったこと。一発頼みの派手な選手という認識にはやや誤解があったか。
 ハリもそれほどクリーンヒットを入れていたわけではないので微妙な判定になると思ったが、ジャッジは3-0、うち2名が30-27でハリの勝利。そこまでワンサイドな内容ではなかったと思うけれど、スロウィンスキーは手数が落ちたのが響いたか。
 とりあえず、ハリがオーソドックスな展開の試合をやりきって勝利したのはいい意味で予想外の結果。来年はそこそこ期待しても大ハズレはなさそう。

セーム・シュルト○-×ピーター・アーツ(判定)
 なるか、暴君復活。観客のとてつもない期待感を背に、アーツ入場。団体を問わずドラマチックな展開が頻発する最近の流れを考えると、「ひょっとして」が「ひょっとして」に思えなくなってくる。
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 ゴングと同時にアーツが飛び込み様のパンチを連打、さらにそこからローキック。いきなりの攻勢に場内は大歓声。早くも観客総出でアーツを応援、という雰囲気が露骨になってくる。
 アーツは3月の対戦でシュルトとの距離感をつかんでいるのか、飛び込みながらのパンチを非常に有効に使っている。が、それでも主導権を握れたのは1R中盤まで。シュルトのヒザとボディーブローを食らい、ジリジリとコーナーに追い詰められる場面が目立ってきたところで1R終了。
 2Rに入ると完全にシュルトのペース。相変わらず前蹴りとヒザを効果的に使っているし、合間に入れるボディーブローも上手い。このラウンドはロープに詰められてラッシュからのヒザ蹴りをもらったアーツが遂にダウン。会場が悲鳴に包まれるが、ここは何とか立ち上がって堪える。
 最終ラウンドは場内から大きな「アーツ」コールが巻き起こり、アーツが攻め込むたびに歓声が起きるが、主導権はシュルトが握ったまま。アーツの飛び込み様のパンチに対しても、ヘッドスウェーでクリーンヒットを許さない。結局シュルトがヒヤリとしたのは1R序盤だけで、危なげない展開のまま終了のゴング。観客の期待も空しく、シュルトが3-0の判定勝利で2連覇をものにした。
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 大会開始前はバンナへの期待感、決勝開始前はアーツへの期待感が会場を支配したが、終わってみれば今年も磐石の強さを見せたシュルトの圧勝劇。KO勝利こそなかったものの、試合全体を通じた安定感は今回の出場メンバーの中でも群を抜いていた。バンナ・ホースト・アーツという旧世代の象徴3人をなぎ倒しての優勝は、「世代交代」を決定づける意味では昨年以上のインパクトがあったと思う。
 振り返ってみれば、今年は選手どころか主催者側まで総出になってシュルトを止めにかかるという構図だったわけだが、それをものともせず、最後のGPは文句のつけようのない完勝。「懐に飛び込めばパンチが当たる」という攻略のセオリーも今のところまともに実行できているのはアーツだけだし、そのアーツもこの決勝戦では完全に封じられてしまった。
 昨年のGPの観戦記で「今後シュルトが2連覇、3連覇をしても驚かない」ということを書かせてもらったが、この予想がいよいよ現実味を帯びてきた。シュルトを止められる選手が今のK-1にいるとは、到底思えない。
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 ようやく完結。後日オマケを書きます。人気blogランキングへ
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Commented by ヒデ at 2006-12-07 12:21 x
シュルト不利のルールが対応されちゃいましたね(笑)もう相手がいない気がします。離脱組のミルコ、ハント絡みで見たいですけど・・・
Commented by HIRO at 2006-12-07 16:16 x
本当にイグナショフがやる気を出してくれてれば・・・ドーナツ食ってる場合じゃないよ(TT)
Commented by nugueira at 2006-12-08 00:34
>ヒデ様
 こうなると谷川が一夜明け会見で言っていた「前蹴り禁止」を実現させるぐらいしか、止める手段がなくなってきますね。

> HIRO 様
 イグナショフ、ヨーロッパの試合でKO勝ちしてるんですよね。今はそんなにグダグダの状態なんですか?
Commented by at 2006-12-08 19:37 x
バダ・ハリの試合おもしろそうですね。TVで見たかったです。依然、ピーターアーツやホーストが強かったのには驚きました。体が大きくなっているのも原因かな。若い選手も頑張って欲しいです。

今のところ、シュルトを倒せるのはホンマンしかいないでしょうね。
体が大きい者が有利な現状は何か悲しいです。
Commented by nugueira at 2006-12-09 10:16
>k様
 アーツは体が大きくなっているのもありますけど、あの年齢でパンチ主体のスタイルへの切り替えに成功したというのが凄いです。本当に感心させられます。
 確かに当面シュルトにやって欲しいのはホンマンへの雪辱戦ですが、前回はどうみてもホンマンがジャッジに助けられてますからね・・・。
by nugueira | 2006-12-07 01:24 | K-1 | Comments(5)