反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

全日本キック観戦記②

チューティン・シットクヴォンイム○-×増田博正(判定)
 元・ラジャ2階級王者のチューティンVS現・全日本2階級王者の増田。
 増田は序盤からヒジを出してムエタイ相手に真っ向勝負。対するチューティンも首相撲とヒジでお返し。決定的な場面はなかったけど、2R以降は完全にチューティンのペース。3Rも首相撲で増田を手玉に取り、余裕の判定勝ち。戴冠後初戦の増田はスコア上は惜敗とはいえ、ムエタイにいいようにやられてしまった感じ。

大月晴明○-×山本雅美(判定)
 これまでブログ上でも何度も「一刻も早い復活を望む」とは書いてきた。でもその一方で、「もう無理なんだろうな」と冷めてしまっている自分がいたことは否定しない。半ば願望の域に達してした「大月復帰」の瞬間が、あまりにも唐突にやってきた。大月入場の瞬間の、場内のすさまじい興奮。約2年ぶりの国内復帰戦。誰もが、この男を待ちわびていた。
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 リングに足を踏み入れた大月自身も、しきりに足を踏み鳴らし、ゴングが待ちきれないといった雰囲気。完全にスイッチが入っている。
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 大月はいつもどおり、ノーガードの独特の構えからローキックと飛び込み様のパンチで試合を組み立てていく。一方の山本は、がっちりガードを固めてローとカウンター狙い。大月の手数は少なめだが、時おりパンチが当たるとガード越しでも山本が吹っ飛ぶような状態になり、観客は騒然。
 山本はガードはしっかり固めてクリーンヒットは許さないが、攻めるチャンスをなかなかつかめない。2R以降は手数が出なくなり、失速した印象。対する大月も相変わらずの豪打は出すものの山本を攻めきれず、このまま3ラウンド終了。手数で圧倒した大月が判定3-0で勝利。
 復帰戦をKOで飾ることはできなかった大月。試合前はタイへの興味を口にしていたが、またその姿をリング上で見れる日は、意外と近くやってくるのだろうか。

ゲーンカート・チューワッタナ×-○大輝(判定)
 破竹の快進撃を続ける大輝、遂にムエタイトップランカーとの対戦。
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 ラジャ1位のゲーンカート。ていうかコイツ、眉毛描いてないか?
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 序盤はお互い相手の出方をじっくり見る静かな出だし。ロー、ミドルの応酬に時おり大輝がパンチを出すが、ゲーンカートもお返しとばかりに強いフックを見舞っていく。1・2Rはほとんど五分だが、大輝が相手につきあって様子を見すぎている印象。
 試合が動いたのが3R。ゲーンカートはたびたび首相撲に行くが、大輝は相手にペースをつかませず、逆に細かいヒザを連打。ポイント差がつくほどではないが、わずかながら手数で大輝が押し気味になってきた感じ。
 4R、焦れたゲーンカートがいきなり打ち合いに出るが、こうなると逆に大輝のペース。パンチ合戦でフックの連打を当てると、この後も大輝は右ストレート、ボディストレートを有効に使って完全にリードを奪う。
 5Rはゲーンカートがヒジを狙いに来るが、大輝はクリーンヒットをもらわず、逆に大輝のパンチをもらったゲーンカートが下る場面が目立つ。明らかに大輝の攻めが効いている様子のまま試合終了。ゴングの瞬間、勝利を確信した客席からは大歓声が起こる。

 判定は当然3-0で大輝。もう「スゲエ」という以外の感想が出てこない。白状するが、試合前は「さすがに今回は大輝でも厳しいだろう」と思い込んでいた。4月のタイトルマッチも9月のタイ遠征もそうだが、この選手はこちらの予想を越えるような結果を本当に軽々とやってのけてしまう。
 さらに今回の試合で驚きなのが、ムエタイのリズムそのものの試合運びで勝ってみせたこと。普通日本人がムエタイに勝つには早目に殴り合いに持ち込むパターンが多いと思うのだが、大輝は序盤はじっくりと様子見、中盤は首相撲合戦と、真っ向からムエタイの試合をやりきった上でラジャのランキング1位に勝ってしまった。
 いまだに底を見せないまま無敗街道を走り続ける大輝。もはや「ラジャダムナン王者」という言葉が、俄に現実味を帯びてきている。

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by nugueira | 2006-11-15 01:01 | 全日本キック | Comments(0)