反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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PRIDE武士道-其の十三-観戦記③

青木真也○-×クレイ・フレンチ(1R 三角絞め)
 煽りVでは青木の電撃退職事件を真正面から取り上げる。なぜか就職先が静岡県警ではなく警視庁になってたけど。挙句の果てにはVの中でピーポ君を使いまくり。これ、クレーム来ないのか?
 開始早々、青木が得意の引き込み。引き込んで下になった次の瞬間には、もう足が相手の首に絡みついている。毎度のことだが、どういう関節の構造をしているのか不思議になってくる。
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 一度は逃れられてスタンドで少々危ない場面もあったものの、再び引き込むと今度はガッチリ三角で捕獲。持ち味を完璧に出し切ってPRIDE2連勝を飾った。
 試合後、青木はメレンデスをリング上に呼び出して大晦日での対戦を要求。メレンデスもこれに応じてみせた。
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 この2人の対戦は本当に楽しみ。とはいえ今日の試合内容を見ても、青木がスタンドで一発もらってしまいそうな感じはするなあ。メレンデスは怪我の治療やら裁判への対応やらで大変だとは思うが、一刻も早く復帰してほしい。

ライト級タイトルマッチ
五味隆典○-×マーカス・アウレリオ(判定)

 ヒーローは、2度は負けられない。五味にとっては決死のリベンジマッチが遂にやってきた。
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 「試合前の国家斉唱で落ち着きのない方は試合に負ける」というのが私の観戦歴から導き出した経験則なのだが、五味はしきりにウォーミングアップを繰り返し、一時もじっとしていられない。完全に気負いすぎてしまっている感じで、試合前からいやなムードが立ちこめてくる。
 開始直後から、両者とも徹底した距離の測り合い。アウレリオは細かいジャブを当てていくが、時折アウレリオがバランスを崩して寝転がったところへ五味はローキック。五味はアウレリオのタックルを恐れて完全に腰が引けてしまい、かつての圧倒的なプレッシャーが全く見られない。結局1ラウンドはお互いほとんどお見合いのまま、終了間際にアウレリオがタックルからテイクダウンを取ったところでゴング。
 2ラウンドも引き続き両者お見合い。場内からは徐々にブーイングが聞こえ始める。アウレリオが一度テイクダウンを取るものの、ポジションが中途半端だったため攻めきれずスタンドで再開。2R後半からようやく五味がタックルを切るようになり、スタンドでロー・ミドルを単発で入れたところで試合終了。
 判定は2-1で五味。微妙な差だったとは思うが、マストシステムでなければ明らかにドローだった内容なわけで、そう考えれば五味のタイトル防衛という結果は順当ではないかと思える。アウレリオは憤懣やるかたないという表情を浮かべていたけど、判定でベルトを移動させるためには圧倒的な差をつけなければダメ、というのは織り込んでおくべき前提条件でしょう。極論すれば、五味に付き合って消極的な試合をしてしまった時点で、アウレリオの負けだったのではないかと思う。
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 一方で、今回の五味の試合内容がファンを失望させたことも紛れもない事実。正直、こんな五味の姿は見たくなかった。
 五味が一か八かで攻め込めばよかったのかというとそういうわけでもなく、仮にアグレッシブに行った末に前回と同じ負け方をした場合、「進歩がない」「これが五味のスタイルの限界」という評価になっていたと思う。負けるのはダメ、つまらない勝ち方もダメ。王者に対するファンの要求は、不条理なぐらいハードルが高い。
 とはいえ、常に選手にそういった高いハードルを求めるのがPRIDEの価値観で、その価値観に真っ向から応え続けることでファンの支持を獲得していったのが五味という存在なわけでしょう。パルヴァー戦しかり、川尻戦しかり。これまでの五味は、ここぞという大一番でファンの要求すら超える圧倒的な試合内容を見せることで、これだけの存在感を築いてきた。
 その五味が、今回は勝利という結果だけを求めた安全運転の試合運び。難しい試合だったことは十分理解するが、それでも五味がこれまで築き上げてきた価値観を、自分自身の手でぶち壊してしまったことは否定できない。五味はベルトを守った代償に、ファンの信頼と絶対的存在感という大事なものを失ってしまった気がする。
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 一度守りの姿勢に入ってしまった王者が、以前のような他を寄せ付けない圧倒的オーラを取り戻すことができるのか。川尻・石田・青木・メレンデス・ハンセンと、厚みを増す一方の五味包囲網。残念ながら、今の五味がこの激戦区で勝ち続けることができるとは、とても思えない。

 次回でやっと完結。人気blogランキングへ
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by nugueira | 2006-11-09 00:30 | PRIDE武士道 | Comments(0)