PRIDE32の感想
2006年 10月 22日
オープニングのスタッフ紹介ではネバダ州アスレチックコミッションの方々に客が大ブーイング。「踏みつけ禁止にしやがってコノヤロー!」ということか?
オープニングの構成やレニー・ハートのアナウンスはいつもどおり。この辺りは「いつものPRIDEを持ち込む」という看板に偽りなしですね。
ジョーイ・ヴィラセニョール×-○ロビー・ローラー(1R KO)
開始直後にローラーの飛びヒザ一撃で試合終了。PRIDEらしいといえばらしいが、ちょっとあっけなかった気も。
ローラー参戦でウェルター級戦線異常アリ、となるか?
トラビイス・ガルブレイス×-○中村和裕(2R TKO)
直前の対戦相手変更のせいか、煽りVなしでいきなり中村入場。やっぱり扱い悪いな。「ラスベガスにまでドンペンが登場したらどうしよう」と心配していたが、杞憂に終わってくれた。
1Rに中村がフックでダウン取った時点で実質勝負ありでしたね。ガルブレイスはここからよく粘ったけど、1R後半から目に見えて動きが落ちてた。中村はこういう試合を前回もやってくれればよかったのに。
フィル・バローニ○-×西島洋介(1R アームロック)
ゴングと同時にバローニが西島のパンチをかいくぐってタックル。お前、今までそんなスタイルじゃなかっただろ!まあ、今回の相手ならこういう戦い方になるか。
西島は相変わらず寝かされてからは何もできず、起き上がれないまま最後はアームロックで一本。これで4連敗。未だ、光明見えず。
ダン・ヘンダーソン○-×ビクトー・ベウフォート(判定)
ビクトーのKO勝利、判定に行くにしても大接戦だろうと思っていたんだけど、予想に反してダンヘンのワンサイドゲームに。ダンヘンは常にパンチで先手を取り続けていたし、そこからタックルや組み付きへの移行がバツグンに上手い。ここ最近の不調がウソのような動きのよさ。やっぱりまだまだ強いねえ。
一方のビクトーは再浮上のきっかけをまたも逃してしまった形に。試合後、リングを降りてから座り込んでうなだれる姿が印象的だった。
バタービーン○-×ショーン・オヘア(1R KO)
感想を書くのも面倒くさいが、バタービーンがオヘアに何もさせず殴り勝ち。この組み合わせなら下手に長引いても大味になるだけだし、この展開になってくれてよかったのでは。どうせ客が求めてるのもこういう結果だろうし。
休憩明け、高田本部長が「プリーズ・ギブ・ミー・ミニット!(少し時間をください)」に始まる中学レベルの英単語を連ねたスピーチを披露。吉田・藤田・マッハをリングへ呼び込む。
3人も順番にマイクを持ったが、藤田は「ハロー、U・S・A!ネクストタイム、マイタイム!(次は俺の番だぜ!の意か?)」というコメント。やはり英語教育には真面目に取り組むべきだろうか、と考えさせられた。
ジョシュ・バーネット○-×パウエル・ナツラ(2R アンクルホールド)
両者が差し合いの状態で少し膠着すると、客席からすかさずブーイング。アメリカの客はこういう展開、本当に嫌いなのね。
試合の方はジョシュが予想外の大苦戦。やはり連戦疲れか。このまま判定になるとやばいなあと思ったけど、最後はアンクルで大逆転勝利。凱旋試合でとりあえず結果は出してみせた。
ナツラは総合格闘家としての完成度はどんどん高くなっているが、やっぱり最後が詰めきれない。せめて年齢があと5歳若ければなあ・・・。
ケビン・ランデルマン×-○マウリシオ・ショーグン(1R ヒザ十字)
ゴングと同時にタックルからテイクダウンを取るランデルマン。しかしショーグンがここから次々と足関を仕掛ける。そういえばコールマン戦でも下からの足関節をやっていたっけ。踏みつけがなくても、戦い方の幅が広いな。
最後はヒザ十字で極まったが、ランデルマンがヒールホールドをひたすらガマンし続けていたので、見ているこっちがイヤな汗をかいてしまった。
エメリヤーエンコ・ヒョードル○-×マーク・コールマン(2R 腕十字)
まあ予想どおり、というのが一番手っ取り早い感想。ヒョードルがタックル切りまくり、パンチ入れまくり。コールマンが2Rにようやくテイクダウンに成功するものの、そこから先は前回対戦時の焼き直しのようにヒョードルが下から腕十字を取って一本。やっぱ強いわ。
コールマンは根性は見せたが、パンチを食らい続けてボコボコになった顔は痛々しいの一言に尽きる。あと、解説の高阪の「ヒョードルのパンチもらうとこうなるんですよ」というコメントは体験者ならではの実感がこもっていてよかった。
試合後、コールマンの2人の娘がリングに上がって泣きながらコールマンに抱きついていたが、この演出はどうかなあ、と思った。娘さんたちの涙が本物であるだけに、なお更ね。
アメリカ初進出の今回、大会としては合格点をあげていいんじゃないかと思う。勝敗的には最初から結果が見えている試合が多かった中で、PRIDEの魅力はよく伝わったのでは。来年からは少なくともナンバーシリーズは、完全にアメリカに軸足を移しちゃうのかなあ。
タイソン、結局来なかったな。人気blogランキングへ
地元選手ひいきも思ったほどではなかったような。
逆転勝ちしたけど、助手はいまいち受け入れられていない気がしました。
助手×ノゲイラ戦みたいな展開になったら、あっちの客は
どういう反応したんでしょうねえ。
個人的には、どうせ日本をアピールするなら今こそ総裁の
ふんどし太鼓やってほしかった。それでブーイングもらったら
それはそれでおいしいですしね。
まあヒョードルが出る時点でこのオッズは覚悟しておかないといけませんよね。
ジョシュ戦を見る限り、向こうの客はグラップリングへの理解は薄いですねえ。ジョシュのコンディション不良で試合内容自体がイマイチだったことも考慮する必要があるとはいえ。
>ヒデ様
おそらくコミッションがここまで関与してくる国ってアメリカぐらいじゃないですかね。DSEが今後進出予定の中国とかに、こういう厳しい規制ってなさそうですし。
>gr2si様
榊原社長は以前雑誌で「来年はGPやらないかも」という発言をしてましたし、国内の大会はかなり縮小される気がしてなりません。
映像みてないんですけど、コールマンの娘の涙のシーンは今回の大会の盛り上がりに結構よい働きを果たしていたのでしょうか?