反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

PRIDE無差別級GP観戦記②

無差別級GP準決勝
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ×-○ジョシュ・バーネット(判定)

 前の試合の興奮が冷めやらぬうちに準決勝第2試合へ突入。正直、あの試合の後に出番が来ちゃうのは可哀想だなあ。などと野暮なことを考えていたが、この予想は簡単に覆される。

 序盤はスタンドでの攻防。ジョシュのパンチもかなりのスピードだが、ノゲイラのボクシング技術の方が上手。クリーンヒットが度々入り、ジョシュの顔面がのけぞる。やはりスタンドはノゲイラ有利か、と思ったところで、離れ際にジョシュの放った左がノゲイラにヒット。さほど強烈な一撃ではなかったと思うが、タイミングよく入ったかノゲイラがしりもちをつくようにダウン。一気に試合の主導権が分からなくなる。
 そしてここからは、近年のPRIDEどころか総合格闘技史上類を見ない、と言っても大袈裟でない寝技合戦のスタート。落ち着いて下からガードしたノゲイラが立ち上がり様にテイクダウンを取り返せば、逆にそこから立ち上がったジョシュがノゲイラの首を捕らえてスタンディングギロチンチョーク。再びノゲイラがグラウンドで上を取るものの、ここからなんとジョシュがアキレス腱固めへ。これを凌いだノゲイラがマウントから腕十字を仕掛ける。しかし両腕のクラッチをガッチリと離さないジョシュ、ブリッジの要領でここから体勢を入れ替えてしまう。ジョシュが上を取り返したところで1R終了。
 インターバル突入の瞬間、場内がひっくり返るような大歓声。ノゲイラの詰め将棋のような寝技をことごとく切り返していくジョシュ。近年の打撃編重の流れをあざ笑うかのような攻防をやってのける両者の技術とセンスには、ただただ恐れ入るしかない。

 さすがに2Rに入ってから両者のペースは少し落ちるが、引き続き徹底的なグラウンド合戦。下になったノゲイラがジョシュの足を刈って上を取り返せば、ジョシュは終了間際に膝十字へ。かたやどこまでも徹底的に柔術。そしてどこまでも徹底的にキャッチレスリング、いや、UWF。こいつらが15分間の攻防を通じて客に提示して見せたのは、寝技のイデオロギー闘争だ。こんな試合、これから何年格闘技ファンを続けても、おそらく二度とめぐり合えない。

 大熱戦の試合は判定へ。ジャッジの判断は2-1でジョシュ。正直、試合全体を通じて流れをコントロールしていたのはノゲイラだと思う。1Rのダウンの印象が悪かったか。
 判定結果は釈然としないものの、この試合の価値が落ちるわけではない。今年どころか、これまでの格闘技観戦歴を通じてのベストバウト、と言い切ってしまっていい一戦だった。


無差別級GPリザーブマッチ
セルゲイ・ハリトーノフ×-○エメリヤーエンコ・アレキサンダー(1R KO)

 予想どおり、両者徹底的にスタンドでの攻防。両者ともパンチスピードがめちゃくちゃ速いし、上体のスウェーバックが上手くクリーンヒットを許さない。最近の総合格闘技のトレンドを象徴するような試合展開。
 アレキサンダーのリーチの長さにてこずっていたハリトーノフだが、右ストレートをヒットさせアレキサンダーがダウン。ここからハリトーノフがパウンド→マウントというシュルト戦の殺人フルコースに持ち込むものの、アレキサンダーが決定打を許さずブレイク。
 仕留めそこなったとはいえ試合は完全にハリトーノフのペースだったと思うのだが、スタンドでの再開後、アレキサンダーのパンチをやたら簡単にもらってしまい、今度はハリトーノフがダウン。そのまま上にのしかかってきたアレキサンダーをどうすることもできず、パンチとヒザの連打を浴びたところでレフェリーがストップ。
 落下傘部隊、裏切り者の抹殺という今回のミッションは遂行失敗。怪我からの復帰戦だったとはいえ、勝てる試合を落としたという感じが強いなあ。

 完結までまだまだかかりそう。人気blogランキングへ
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Commented by at 2006-09-13 00:10 x
ノゲが試合をコントロールしていただけに敗退して無念ですね。ノゲの打撃がどれ位上手くなっているのか、ノゲVSミルコでも見たかったです。
Commented by botta at 2006-09-13 03:18 x
>これまでの格闘技観戦歴を通じてのベストバウト
ヌゲさんにそこまでいわすとは・・・
うーん早くDVDでないかなぁ。うちのボロパソではぶつ切りになっちゃうから動画みてもいまいちなんすよねー
Commented by nugueira at 2006-09-13 23:33
>k様
 あれだけの消耗戦をやった後だけに、仮にノゲイラが勝ち上がっても決勝は厳しかったでしょうね。今回の判定にBTTが怒らなければいいんですが。

>botta様
 非合法にならない範囲でどんな手を使ってでも見るべき、と断言できます。MMAのひとつの究極形ですよ、この試合は。
by nugueira | 2006-09-12 00:54 | PRIDE | Comments(3)