全日本キック観戦記②
2006年 07月 25日
サトルヴァシコバ×-○増田博正(3R TKO)
1R、前進してきた増田とヴァシコバがもつれるようにしながら倒れこむ。この際の攻防で増田のヒザが当たったか、ヴァシコバはいきなりカットでドクターチェック。序盤からいきなり不利なムードになったヴァシコバ、パンチで攻め込むがどうも狙いすぎで粗くなっている感じ。1Rは増田が完全にペースを握ったまま終了。
このまま増田の思い通りの試合になるかと思った2R、いきなりヴァシコバの左がクリーンヒットして増田がダウン。ヴァシコバが一気にポイントをひっくり返すが、増田はこれ以上攻め込ませず、終盤には首相撲からヒザの連打。一発の威力はヴァシコバ、試合運びの上手さは増田という、互いの持ち味が分かりやすく発揮された展開に。
3Rも序盤にヴァシコバの振り回したパンチが当たって増田がダウン。スリップのようにも見えたが、増田はポイント的にだいぶ不利な展開に。しかし再び首相撲からヴァシコバを捕らえた増田は、傷口を狙ってこすりつけるようなパンチを連打。ヴァシコバの出血がひどくなり、ここで無念のドクターストップ。
ヴァシコバにとってはかわいそうな結果だし、最後までやらせてあげたかったとも思うが、やっぱり試合の主導権を握っていたのは増田だったと思う。最後の露骨な傷口狙いも、「ズルい」というよりも先に「上手い」という感想が頭に浮かんだ。
あの状況ならば、とにかく出血させれば勝ち。キックというのはそういう競技で、増田はそのことをよく理解していた。その結果として、ベルトは増田の腰に巻かれた。
えげつないぐらいの賢さも強さのうちで、強いからこそ2階級でベルトを巻くことができる。多分そういうことなんだと思う。
スーパーフェザー級タイトルマッチ
石川直生○-×正巳(1R KO)
試合前、怪我により欠場となった前田がファンへお詫びのマイク。全治3ヶ月とのことだけど、松葉杖が痛々しい。早くよくなってほしい、という以外にかける言葉がみつからない。
開始早々、正巳は飛び込んでのパンチ狙い。石川を崩すにはやはり近距離の殴り合いか。
だが石川は組み付くやいなや首相撲から完全に正巳をコントロールして、面白いようにボディ・顔面へヒザを連打。正巳に見せ場らしい見せ場を作らせないままあっという間に3度のダウンを奪取。2ヶ月前に痛い目にあったばかりの王者には、慢心もモチベーション不足も無用の心配だった。
試合後のマイクで石川は、「軽量級のキックボクシングをはっきりと世に送り出したい」と宣言。個人的に石川がムカつくということに変わりはないのだが、発言に妙な説得力が生まれてきているのは確か。やはり地位が人を作るというやつか。
秋には60キロ以下のトーナメントも噂されている全日本キック。実現すれば真王杯どころじゃないメンバーが揃うだけに、期待しておきたい。
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それとも、スルーかなあと思ってたけど行きたい?
ズバリ、どっちですか?
とりあえずフェザー・スーパーフェザーの4強が一同に会するだけでもワクワクしますよね。何としても実現してほしいです。