PRIDE無差別級GP観戦記②
2006年 07月 03日
ここからがいよいよ本番。まずはリオの沈まぬ太陽が登場。
1R、予想どおりではあったが両者スタンドでの打ち合いを選択。ここでノゲイラの左フックがクリーンヒットし、ヴェウドゥムのマウスピースがふっ飛ぶ。
こりゃあっという間にノゲイラが殴り勝つな、と思っていたが、ここからヴェウドゥムが打撃スキルの上達ぶりを披露。ロープをすぐ背負うのだが、そこからスウェーバックなどを駆使して決定打は許さず、自分はよく伸びるジャブで反撃。ノゲイラが連打をもらって慌てて組みつく場面も見られた。
それでもノゲイラは何度かクリーンヒットを入れ、与えたダメージとアグレッシブさでノゲイラ優位な印象のまま1R終了。
2R以降はヴェウドゥムが引き続きディフェンシブなスタイルに徹したのに加え、ノゲイラにやや攻め疲れが見えたせいもありゆったりとした展開に。ヴェウドゥムは打ち合いで不利になると自分から寝転ぶので連打は許さないが、逆にポイントも奪えない。
2R後半からヴェウドゥムがテイクダウンを取るようになるが、ノゲイラは下になってもタイミングのいい体重移動でスルッと上下を入れ替える。こういう攻防をもっとやって欲しかったのに。
終了間際にヴェウドゥムのギロチンが極まりそうになってヒヤッとしたが、ここもノゲイラが凌いで試合終了。手数とダメージで上回ったノゲイラが判定3-0で勝利。
ヴェウドゥムは打撃も上手くなっているし予想以上の健闘と言っていいのかもしれないけど、試合運びがあまりにディフェンシブ的すぎる。根本的にもっとKO・一本を狙っていくスタイルに切り替えていかないと、上に残っていくのは辛いな。勝負的にも、興行的にも。
藤田和之×-○ヴァンダレイ・シウバ(1R TKO)
試合前の煽りV、「日本人がシウバに勝てると思いますか?」という問に、藤田は「シウバが俺に勝てるのか、逆に聞きたいね。」皮肉なことだが新日本を離脱してPRIDEに戻って以降、藤田はプロレスラーらしさを如何なく発揮している。
ゴング直後、藤田をコーナーに詰めたシウバがヒザ蹴りからラッシュ。藤田は明らかに直撃を食らっているはずなのだが、そのままタックルに行くとテイクダウン。こいつはどういう体の構造をしているんだ?
センターに戻って再開後、シウバが下から腕十字に移行。これもガッチリ極まっているように見えたが、藤田が耐え続けてなんとか逃れることに成功。予想どおり藤田は上は取れてもそこからの決定機が作れない。
スタンドで再開後は両者慎重に様子を見合う展開。時おり両者の大振りのフックが交差する。
1R残り1分を切ったあたりで、シウバがラッシュを仕掛ける。シウバの左右のフックを食らって倒れる藤田。なおも足を取ろうとする動きを見せるが(このためレフェリーのストップの判断が遅れた部分はあると思う)、シウバはなおもサッカーボールキックを連打。ここでセコンドがタオルを投入。日本・ブラジル野獣対決はシウバに軍配が上がった。
やはりヴァーリトゥードの経験ではシウバが一枚も二枚も上手だった。どの局面でも器用に対応していたし、試合の流れをよく見て仕掛けるところ・休むところを上手く判断している。敗れたとはいえ、藤田も自分の持ち味を十二分以上に発揮。技術面はともかく、観客のテンションを上げるという意味ではこの日最高の勝負だった。
残り2試合、さらに後日。人気blogランキングへ