反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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K-1MAX観戦記②

ブアカーオ・ポー・プラムック○-×マイク・ザンビディス(判定)
 ゴング直後から、互いにジリジリと距離を測りあう「間合い勝負」に。ミドルで牽制してくるブアカーオに、ザンビディスは飛び込みながらのパンチで応戦するがクリーンヒットを奪えない。
 試合はこのまま、ブアカーオが自分の距離をキープし続けて3ラウンドが終了。ザンビディスはブアカーオの蹴りの速さに懐に飛び込めず、たまにボディにヒットすることはあっても単発のままで終わってしまった。ムエタイの典型的なパンチャー潰しの術中に完全にはまってしまった感じ。
 それにしてもブアカーオは強い、というか負けないスタイルを確立している。潰すには去年みたいにトーナメントで消耗しきったところを狙わないとダメなように思えてきた。

トーナメント準決勝 HAYATΦ×-○TATSUJI(判定)
 1回戦と同様、TATSUJIはどんどんプレッシャーをかけてインファイトに持ち込む展開。HAYATΦもどちらかというとパンチ系の選手なのである程度近い距離で戦いたいのだろうが、完全にTATSUJIのペースに飲まれてしまっている感じ。
 距離を詰めてからのTATSUJIの攻めは上下のパンチの打ち分けがスピーディーかつ正確。さらにその後にローまで出してくるから厄介。結局最後までHAYATΦに主導権を握らせず、終了間際にはローでダウンを奪い完勝。試合前からビッグマウスを連発していた男がきっちり結果を出して決勝まで上がってきた。

トーナメント準決勝 佐藤嘉洋○-×上山龍紀(1R終了 ドクターストップ)
 本職、しかもトップクラスのキックボクサー相手に奇襲が通じるわけもなく、予想どおり佐藤の一方的な展開に。ローを食らい1R終了後にコーナーに戻るのも辛そうだった上山はそのままドクターストップ。入場時に足をひきずるそぶりがあったので気になっていたが、やはり1回戦で痛めたらしい。3月には本職の方の試合が予定されているから、そちらに影響しなければいいが。

魔娑斗○-×イアン・シャファー(判定)
 シャファーの入場時には日本人ラッパーが一緒に登場し、入場テーマ曲を生で披露。なんで?というか誰?
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 魔娑斗は序盤から徹底したロー狙い。シャファーは距離を詰めてフックの連打で攻めるがクリーンヒットはせず、1R途中から早くもローが効いてきた気配。
 2R以降はシャファーが自分から前に出る気配がなくなりワンサイドの内容だったが、魔娑斗もそこから攻めきれず、ダウン無しの判定勝利。うーん、自分で「めちゃめちゃ強い」と言っておいてこの内容じゃ、看板に偽りありだろう。怪我の影響か、安全運転で終わらせようという気配が見て取れたのが気になった。トーナメントまでにはきっちり仕上げてきてほしいところ。

トーナメント決勝 佐藤嘉洋○-×TATSUJI(判定)
 試合前に並んだ時点で、10センチ以上ある両者の身長差が歴然。TATSUJIにとってはこのリーチ差も大きなハンディになりそう。
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 1Rはこれまでの2戦と同じようにTATSUJIがひたすら距離を詰めてラッシュを仕掛ける展開。対する佐藤もこれまで同様にローと首相撲で攻めようとするが、TATSUJIの圧力を捌ききれずパンチをもらう場面も。とはいえこの身長差だと、上に向かって打つ姿勢になるからパンチの威力も殺されるか。
 序盤こそTATSUJIが健闘するが、2ラウンドに入ると佐藤のヒザ蹴りによるダメージでガクッと動きが落ち、圧力が弱まってくる。ここから先は佐藤がいつもどおりの試合運び。前蹴り・ロー・ヒザで主導権を握らせず、ダウンは奪えなかったもののTATSUJIを圧倒。大本命が下馬評どおりの優勝を果たした。

 総括。去年の開幕戦でも感じたけど、判定決着の比率が高くなっているのでどうもスカッとしない(レベルが上昇しているので当然の流れではあるけど。)。世界クラスが集まってるならともかく、日本代表決定トーナメントでこれを見せられるのは辛い。
 A級戦犯は佐藤。優勝しておいて戦犯扱いはひどい気もするが、実際場内の空気を完全に停滞させていたのだから仕方ない。一言で言えば「競技的にはOK、興業的にはNG」。「強ければいい、勝てばいい」が佐藤の哲学かもしれないし、実際そのスタイルでここまで上り詰めてきたわけだけど、MAXのリングに上がる以上はそこから先の対観客、対世間というところまで求められる。この日の佐藤の試合内容はその意味では及第点はあげられなかった。
 ここからさらに進化して倒すスタイルを身につけるか、あるいはかつてのホーストのように、地味でもつまらなくても勝ち続けることで雑音をシャットアウトするか。いずれにしても、佐藤は優勝賞金だけでなく大きな宿題まで抱え込んでしまった気がする。

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Commented by wateru at 2006-02-07 05:34 x
うーん僕は佐藤選手の試合をとても面白いと思いましたが。
ちなみにご存知のことと思いますが、佐藤選手はこれまでキックではKOやダウンを結構奪っているんですよね。
ただ膝制限のあるMAXでは今後も派手な展開にするには厳しいかと…
TATSUJI戦でも、膝制限がなければ間違いなくダウンはとってたと思いますが。
ムエタイ系選手の武器を奪っておきながら、KOできない、ダウン取れないとかいうのは納得がいかないんですよねぇ。愚痴すみません
Commented by nugueira at 2006-02-07 08:11
> wateru 様
 はじめまして。コメントありがとうございます。
 wateruさんの御指摘はもっともで、通常のキックの基準で言えば佐藤の試合は十分以上のできだったと思います。
 ただキックとK-1の間には求められる価値観の違いがあるわけで(どっちが上とか下とかではなく)、佐藤は全日本を離脱してK-1に参戦した以上、K-1の価値観を満たす試合が求められると思います。
 並の選手なら優勝したのに文句をつけられることなんてないわけで、今回の批判の背景には佐藤に対する期待の大きさもある、というのを御理解いただければ、と思います。
Commented by ヒデ at 2006-02-07 20:59 x
今日の朝日新聞の夕刊に佐藤の記事が載ってました!見出しが『K-1のニューヒーロ-』と少しは知名度UPですかね笑
Commented by nugueira at 2006-02-07 23:20
>ヒデ様
 朝日新聞見ました。
 「目立つ技より結果がすべて」というコメント、良くも悪くも非常に佐藤らしいですね。
by nugueira | 2006-02-06 08:58 | K-1MAX | Comments(4)