那須川vsスアキム
2018年 02月 12日
開始と同時にスアキムが右ミドル。リーチで上回るスアキムは遠い間合いからパンチを出してくる。那須川はヒジを警戒してか思った以上に慎重な滑り出し。それでもローでスアキムをコカすと、相手の入り際に右フックをヒット。スアキムのパンチとハイキックもかわし、落ち着いて対処している。
2Rも那須川はスアキムの蹴り足をつかんでからのボディストレート、ボディブローを着実にヒット。スアキムは那須川のカウンターを警戒して迂闊に飛び込めなくなってきたか。
那須川は3Rもスピードで優位に立ち、ボディストレートや左フックをヒット。しかしバッティングでの中断が入った後、スアキムが一気に圧力を強め攻勢を仕掛ける。それでも那須川はフットワークで距離を取りながら左フックをヒット。
4Rも前に出てくるスアキム。那須川のパンチは着実に顔面やボディに入っているのだが、顔色一つ変えず淡々と攻め込んでくるのが不気味。しかしラウンド終了間際に那須川の左ストレートがヒット!スアキムは一瞬ロープによりかかるような姿勢になり、明らかに効いた様子。この試合最大のチャンスを迎えた那須川だが、もう時間が残っていない。
最終Rはピンチを脱したスアキムが逆に攻勢。右ストレートや右ミドルが那須川を捉えるようになる。那須川はやや逃げ切りモードの様子も見えたが、それでも終了直前には左ストレートを叩き込み、5Rを戦い抜く。判定は50-48×2、49-47で那須川。
いやもう、「いい試合だった」の一言に尽きる。前評判通り那須川にとって過去最強の敵だったが、それでも最終ラウンド以外は目立ったピンチを見せず、ヒリヒリする展開の接戦をキッチリものにした。スアキムは那須川のスピードにはついていけなかったものの、それでも3R以降の勝負所でしっかり攻めにシフトチェンジしたのがさすが。最後まで「こいつ何しでかすか分からない」感を出し続けていたのが最高だった。
那須川は昨年9試合を戦っているが、その合計よりも今日1試合の満足度の方が上。分かりやすいKO劇も悪くはないのだが、やっぱり強い相手と戦ってこそ那須川の凄さが際立つ、というのを再確認させられた。