Krush.82の感想
2017年 11月 10日
開始早々に左ミドルからの左ストレートを入れたゴンナパーが、この後も左ミドルで間合いをコントロール。林は距離を詰めてパンチを返していくが、ここでゴンナパーが右フック一閃!何とか立ち上がる林だが足元がおぼつかず、レフェリーがストップ。ゴンナパーが貫録のKO勝利。
寺戸伸近○-×久保賢司(延長判定)
寺戸は開始からバックステップで距離を取りつつ右ローを連打。さらに左アッパーも入れる。パンチ勝負に持ち込みたい久保だが、寺戸は2Rも着実にローを入れ続け、さらにワンツースリー。寺戸のペースで3Rに突入するが、ここで久保の左フックがヒット。下がった寺戸に久保が左右のパンチを打ち込み、流れが一気に久保へ傾く。寺戸は跳びヒザからパンチを返すものの、回転力で上回るのは久保。それでも寺戸はダウンすることなく終了のゴングを迎え、試合は延長戦へ。
主導権は完全に久保かと思えたが、延長Rは寺戸が落ち着きを取り戻し、2Rまでと同じく距離を取って徹底してローキック。次第に久保の体が流れるようになり、明確な差をつけた寺戸が判定勝利で防衛に成功。
試合前は明らかに久保が勝つ流れだったし、実際に3R終了時の展開は久保がこのまま押し切っておかしくなかった。それでも最後は寺戸が冷静な組み立てで久保を振り切るのだから、格闘技はわからない。試合後の久保の引退表明を聞いたうえでこういうことを書くのは後出しなのだが、「ここで終わってもいいと思っている男」と「ここではまだ終われない男」の差が最後の最後に出た、というのはあまりに感傷的な見方だろうか。かつての全日本キック勢が次々とリングを去っていく中、Krushのベルトを護り続ける寺戸。この光景にはやっぱりグッとくるなあ。