村田戴冠!日本ボクシング界の新たな1ページ!
2017年 10月 22日
前回と同じく圧をかけていく村田。これまた前回と同じくエンダムが手数を出していくが、村田も距離を詰めたところで左右のボディフック、さらに右ストレート。前回よりも手数は出せており、悪くない出だしでは。
2Rはエンダムが距離を取りつつ手数で上回り、接近するとクリンチ。このラウンドは手数で取られた印象で、同じ展開を繰り返されると辛いか。
3Rに入ると村田が一層距離を詰め、左右のボディ。エンダムも連打を返すが、村田はブロックしてさらにエンダムの打ち終わりに反撃。右ストレートも入れ、微妙だがこのラウンドは取ったか?
このまま我慢比べの展開になるか…と思ったが、4Rは序盤からエンダムが足を使って逃げ回る展開。村田はエンダムを追いかけながらジャブを突き刺すと、ラウンド終盤にボディがヒット!エンダムは明らかに効いた様子。
5Rはエンダムが再び手数を増やし、互いに右ストレートがヒット。村田はここから左右のボディを打ち込み、有効打では上回っている印象。とはいえ前回の判定があるので、エンダムの手数に打ち消されていないか?という不安感がぬぐえない。
6Rもフットワークで動き回るエンダムを村田が追う展開。村田は打ちおろしの右を繰り返し出していくと、ラウンド終盤にエンダムのガードをすり抜けるように右ストレートをヒット!ダウンこそしなかったもののエンダムがガクリと腰を落とし、村田が一気に流れを引き寄せる。
エンダムは7Rは完全に防戦一方となり、手数はほとんど出ずに動き回るだけ。村田はこのラウンドはストレート以上にジャブがよく突き刺さり、ボディも交えて上下の打ち分けをしていく。村田が一方的に攻め立て、これはいけるぞ…という空気になった7R終了後、エンダム陣営が試合を棄権。やや唐突な終幕だったが、村田が5月の不可解な判定負けを払しょくする快勝劇で、悲願の世界王座を奪取!
もうねえ、村田がプロ転向する際に「まあ世界戦が一度組まれれば御の字じゃない?」とかもっともらしいことを言ってた奴、正座して謝罪な。本当にすいませんでした!しかも今回は戦前に村田敗北という予想までしており、深く陳謝いたします!!
エンダムは試合後に足の負傷を明らかにしていたけど、まあこの世界はリング上の結果が全てなわけで、お見事というしかない村田のリベンジ劇でした。手数で遅れを取った前回の反省をしっかり活かしており、ダウンは奪えなかったものの内容的には5月よりも明確に試合を支配していた。振り返ってみると3Rがターニングポイントで、接近戦の我慢比べでも押し気味に試合を進めたことが大きかったか。
これで止まっていた時計の針がようやく動き出した。さあ、待ってろゴロフキン!…というのはあまりに時期尚早だが、理屈上この台詞を言う権利のあるポジションに日本人がいるということに改めて驚きと感動を禁じ得ない。村田がここに切り開いた、日本ボクシング界の新たな1ページ。今日がゴールではなく、我々はここから始まっていく歴史の目撃者となるのだ。