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by nugueira
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史上最大の「敗者なきビッグマッチ」。メイウェザー、マクレガーを寄せ付けず。

 フロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガーをDAZNで視聴。格闘技好きだがこれまで有料動画コンテンツに一切関心を示さなかった知人が今回ばかりはこの試合のためにDAZNと契約し、このカードの経済効果の高さを思い知らされた。

 最初に向かい合った時点でマクレガーの肩幅・胸板の厚さが目立ち、「リーチ差がある」というより「デカい」という印象。1Rはガードを上げて様子見のメイウェザーに、マクレガーが積極的に手数を出していく。メイウェザーが時おり飛び込んでいくものの、マクレガーはそこにアッパーを合わせてくるのが怖い。
 2R、3Rも手数で押すのはマクレガー。メイウェザーの打ち終わりにもきっちりパンチを返していき、メイウェザーにチャンスを作らせない。ブランクと体格差で序盤はメイウェザーがリズムに乗りきれないのは予想の範囲内とはいえ、マクレガーの想像以上の動きの良さが序盤は目立つ。
 しかし4Rに入るとマクレガーに疲れが見え始め、接近戦でメイウェザーにもたれかかるなどラフな動きが目立ってくるようになる。メイウェザーはマクレガーのパンチを見切ったのかこのラウンドから圧力をかけ始め、一気に試合の流れが変わってくる。(余談だが、3R後半あたりで既にマクレガーのスタミナ切れを見極めていた千原ジュニアは凄いと思う。発言の端々にボクシングマニアらしさが出ていて、悪くない解説だった。)
 メイウェザーは5Rにボディストレートを次々と突きさし、マクレガーのスタミナを奪いに来る。マクレガーは接近するとクリンチする場面が増え、かなり効いている様子。6Rはマクレガーが組み付いてから後ろに回り込んで殴ろうとするMMAの動きを連発するものの、これにイラッときたのかメイウェザーが右ストレートを入れてから強めのパンチを連打。
 7Rに入るとメイウェザーの左右のストレートが次々とヒットし、マクレガーの顔面が跳ね上がる。いつもはこういう決定的な場面を作ってもフィニッシュに行けない(行かない?)メイウェザーだが、9Rもマクレガーを滅多打ち。マクレガーはMMAファイターの本能かタックルのように組み付く動きを連発してしまい、立っているのがやっとの状態に。
 迎えた10R、メイウェザーは攻撃の手を緩めず、左右のパンチをマクレガーに叩き込む。ふらつきながら後退するマクレガーがこのラウンド何発目かの強打を顔面にもらったところでレフェリーストップ。史上最大の他流試合はメイウェザーがマクレガーを寄せ付けず、圧勝してみせた。

 この試合が何かの到達点でもなければ、この試合から何かが生まれるわけでもない、ということを嫌になるくらい繰り返し書いてきたが、見終わった後もその思いは変わらず。終わってみればメイウェザーがかつてと同じ試合運びでコントロールし、終盤はラフプレーに走るしかなかったMMAファイターをきっちり仕留めた。この試合に無理やり意義を見出すとすれば「ハットン戦以来ひさしぶりに、メイウェザーのきれいなフィニッシュを見ることができた」というぐらいだろうか。
 試合後の両者の妙に清々しい表情を見ていると、二人とも巨額のマネーを得た「敗者なきメガマッチ」だったのだ、ということを改めて認識させられる。メイウェザーはこの試合が最後になることを宣言。自分はベルト戦の後も「メイウェザーの復帰は考えにくい」と書いた記憶があるので迂闊なことは言いたくないが、今回の試合もクリーンヒットはなかったものの思った以上にマクレガーに触られていたのは確かで、衰えは間違いなくあった。メイウェザーにとって今後、これ以上の破格の条件の試合が来るとは思えないんだよなあ。
 一方のマクレガー。試合後のインタビューでUFCでの現役続行を宣言したが、これを信じていいものかどうか。一生暮らせるだけの金を稼いで、今後は試合をしても今回の10分の1以下のファイトマネーしかもらえないんだから、普通に考えてモチベーションは枯れると思うが。好き嫌いはさておき、マクレガーの試合をUFCで二度と見たくないかと聞かれたら答はノーなので、本人がソロバン勘定とは別次元の気まぐれを起こしてくれることを期待するしかない。

Commented by スラッカー at 2017-08-28 00:43 x
今回予想勝負?は負けてしまいました

そもそもメイウェザーがインファイトをしてくるというのが想定外でした
マクレガー相手なら打ち合いでも勝てるという事なのか、接近戦ではパンチの他に色々選択肢があるMMA選手のマクレガーは逆にその分弱くなると踏んだのか
前者ならメイウェザーも空気を読んだという事でしょうか
Commented by インザーギ at 2017-08-28 14:31 x
コナーは試合後インタビューでUFCに戻るか?に対して もちろん!と言ってました。
あと何試合見れるかわかりませんが、またオクタゴンで彼が見れたら嬉しいです!そして将来的にはUFCの代表にダナの代わりになるのではないかと密かに思っております。
Commented by おっさん at 2017-08-28 22:54 x
マクレガーはかなり健闘したと思いますが、やはりスタミナで展開が変わってしまったのが残念でもあります。
ネイト戦の2回目でも後半失速しているので、予想通りとも言えますが。
最もパンチを貰わない選手相手にあれだけ出来たというのは、パンチの上手さの証明にはなったと思います。

メイウェザーはやはり上手いですね。
ここまで冷静で上手い選手はいないと思います。
クリンチや後頭部打撃もほとんどメイウェザーから誘っていたように見えました。
年々フットワークや上半身を振るスピードが衰えて戦い方は変わってきていますが、昨日の亀ガード戦術も非常にレベルが高く、中盤以降はマクレガーのパンチをほとんど見切っていましたね。
マクレガーは中盤以降は、どう戦えばいいか迷っているようにも見えました。
7Rぐらいで仕掛けても圧倒出来たと思いますが、戦略通り9R以降の勝負にする辺りもメイウェザーらしいと思います。
さすがの確実に勝ちに行く姿勢です。
ストップは早めでしたが、今の基準では妥当だと思います。

見終えた今でも違和感のあるままですが、これはこれでUFCの看板のグレードをまた1段階押し上げたかなと思います。
ただ、ボクシングもMMAも新たなスターがこれから生まれてくるかという問題に直面していくんじゃないでしょうか。
この両者やパッキャオやラウジーを超える販売力のある選手が出てくるかどうか。
Commented by nugueira at 2017-08-29 22:51
>スラッカー様
 予想しておいて何ですが、メイウェザーが最後しっかり仕留めたのは私も驚きました。メイウェザーの性格的に危ない橋を渡るまねは絶対しないはずなので、実力差を見てとって「いける」と踏んだのだろうと思っています。

>インザーギ様
 ここはとりあえずリング上での発言を信じるしかないですね。個人的にはオクタゴンでマクレガーを打ち負かす選手が出てきてほしいです。

>おっさん様
 試合後に「5分×5ラウンドの試合時間を超えたところを狙っていた」と言うのを聞いて、脱帽するしかなかったです。今後のスター不在は仰るとおりで、今年に入ってからUFCが目に見えてつまらなくなっているのが気になっています。
by nugueira | 2017-08-27 22:47 | ボクシング | Comments(4)