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by nugueira
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田口&京口

 ボクシングダブル世界戦の感想。まずはWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ、田口良一vsロベルト・バレラ。

 1R、大振りのパンチを出していくバレラをいなした田口がラウンド後半に左ボディをヒット!効いた様子のバレラに連打を仕掛ける。
 この後も田口はペース配分お構いなしの攻勢を続け、ボディの連打、バレラのガードが下がったところに顔面へのパンチと次々有効打を入れていく。完全に田口のペースだがバレラもタフで、一瞬腰を落とすもののダウンは喫せずに堪え続ける。
 バレラは5R辺りからスイッチを多用し距離を取る展開へ切り替える。田口も攻め疲れかややペースダウンし、6R前半にはアウトボクシングでポイントを取りかけるが、ラウンド終盤に左ストレートを打ち込んだ田口がボディから再度猛攻。
 後半に入っても田口の攻めは緩まず、7Rもロープに詰めて強い右を連打。バレラは前半と同様、今にも倒れそうでそこからがしぶとく、8R前半はボディでペースをつかみかける。しかしここでもラウンド後半に押し返した田口は、9R早々にボディから左右のフックを連打。バレラが殴られ続けたところでレフェリーが止め、田口が6度目の防衛に成功。
 
 田口強い、という以外に感想が出てこない圧勝劇。いつも序盤はスロースターターな印象があるが、今回は初回から積極的に打って出て、オーバーペースでは?と心配になるほどの猛攻を続けたままタフな挑戦者を押しきってみせた。前回のドロー防衛のもやもやを払しょくしてお釣りが来るぐらいので、既定路線になっている田中との統一戦は本当に楽しみ。

 続いてIBF世界ミニマム級タイトルマッチ、ホセ・アルグメドvs京口紘人。

 1Rからアルグメドはフック、京口はボディを振り回し、お互いアグレッシブを通り越して大振りにしか見えない危なっかしい展開。京口はパンチ力を感じさせる一発は時おり見せるものの、アルグメドに手数で押されている印象。
 それでもタイミングが合いだしたのか、3Rには京口のパンチがアルグメドの顔面を捉える場面が増える。しかし京口のパンチは相変わらず力任せで、そこそこ印象のいいパンチも入れているがポイントが取れているかは怪しい展開で前半を終了。
 京口は面白い試合はしているが、逆転するにはKOしかないか…と思えた7R、京口の左がヒットし、さらにボディ連打。アルグメドは明らかに効いた様子で、一気に空気が変わり始める。露骨に失速し始めたアルグメドを京口は攻め続け、9Rに左フックをヒット!鮮血を飛びちらしながら吹き飛ばされたアルグメドに追撃をいれ、遂にダウンを奪取。流れをひっくり返す。
 しかし京口も攻め疲れのせいかパンチが粗くなり、10Rは効果的な追撃はできない。11Rは手数が出なくなった京口がアルグメドに反撃を許し、最終ラウンドへ。余力のない両者はともにへろへろの状態になりながらパンチを振るい続け、世界戦とは思えない雑な展開で試合終了。
 ツイッター上の反応は京口が勝つにしても1ポイント差という声が多く、自分も同様の感覚だったが、判定は3~5ポイント差で京口。勝利という結果自体はそれほどおかしくないけど、採点はかなり下駄をはかせてもらった感じ。こんな力ずくのボクシングじゃ勝てないだろう、という展開から力ずくでひっくり返してみせたのは凄かったが、相当大味だったアルグメドの攻めにも助けられた印象。キャリアを考えればまだまだ伸び代はあるけど、もっとボクシングの精度を高めていかないと防衛戦は茨の道になりそう。

by nugueira | 2017-07-24 23:26 | ボクシング | Comments(0)