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by nugueira
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村田戴冠ならず。ボクシングの神は金メダリストを見放したか。

 WBA世界ミドル級王座決定戦、村田諒太vsアッサン・エンダムを視聴。

 1R、エンダムはサークリングしながらジャブ。村田は圧力はかけるものの終了間際に右ストレートを出しただけでほとんどパンチを出さずに終了。計算通りに動いている感じではあるが、どこから攻勢に転じられるか。
 2Rは、圧力を強めた村田が右ストレートから左ボディを入れるが、エンダムも連打を返す。3Rは村田がボディストレートと右のショート。手数を着実に増やしているが、ポイントを奪うところまでは行っていないか。
 迎えた4R、さらに手数を増やした村田が打ち合いの展開からカウンターの右ストレート!エンダムが前のめりにダウンし、村田が序盤の出遅れを一気に取り戻す。
 しぶとさに定評のあるエンダムは5Rは逃げることなく反撃に転じ、近距離での打ち合いの場面が増える。ここでも村田の右が入りエンダムが腰を落とすが、ダウンはなんとか回避。
 6Rに入るとさすがにエンダムも足腰の踏ん張りが効いていない様子で、村田の右で吹き飛ばされる。7Rも足を使って回復を図るエンダムに村田は右。エンダムはロープに手を掛けて何とかこらえる。
 8Rに入るとエンダムはダメージから回復してきたのか、再び手数が増えてくる。村田にとっては嫌な流れだが、続く9Rは左をもらったエンダムがバランスを崩したところに、村田がすかさず右のダブル。ここでペースを引き戻したのは大きいか。
 10R以降も村田はペースを崩すことなく右ストレートから左ボディで着実に構成。エンダムは時おり連打を返すが、流れをひっくり返すほどの強打は出ず、村田がペースを握り続け試合終了。

 個人的採点は116-111で村田。手数で多少持ってかれている可能性はあるが、さすがに勝ったでしょう。日本人がミドル級で世界制覇。いやもう、ここから日本ボクシングの新たな1ページが開きますよ。
 …と思いつつ判定を聞いたら110-117、116-111、115-112のスプリット判定でエンダムが勝利。茫然とする村田、ブーイングが巻き起こる場内、絶句する実況席。新たな歴史の始まりとなるべき瞬間は一転、悪夢の結末になってしまった。

 「村田の圧力よりエンダムの手数が評価された」の一言に尽きてしまうのだが、それにしたってこれはない。ジャッジペーパーを見るとエンダム勝利にした2名はいずれも9R以降すべてエンダムが取っているけど、9Rは後半村田が押し返していたはず。それ以降もエンダムは手数は出しても目立ったダメージを与えたわけではなく、有効打を基準にする限り村田のラウンドだったのでは。
 試合後のツイッター上で「海外ボクシングを見ていればよくある話」というコメントが散見され、確かにエキサイトマッチで年に何回かこういう理解不能な判定を見かけるのは確か。とはいえそれがこのタイミング、この試合で出てしまうとは…。ボクシングの神様が村田を見はなしたとしか思えない。

 試合前は「どういう結果になるにせよ、これで村田のストーリーに一つの結末が出る」と思っていたのだが、待っていたのはどうしようもないくらい消化不良なエンディング。これで終わりになるのはファンも本人も納得できないのは間違いない一方で、この階級で世界タイトルマッチに再びたどり着くのは簡単な話ではない。テレビ局も含めた村田陣営はここからどうストーリーを繋ぎ直していくのか。今はちょっと、自分自身にもそこまで想像を巡らすだけの余力が残っていない。

Commented by おっさん at 2017-05-20 23:31 x
実際に圧倒出来たのは3~4Rのみで、序盤の2~3Rは獲られている可能性が大きかったですので、終盤は非常に大事だったのですが村田にも失速した感がありましたね。
終盤はもっと行けたように思います。

実際のところ、試合通してみれば村田が圧倒したとも見れる試合ですが、やはりラウンドマストは全く違うシステムだと思わないといけないですね。
相変わらず日本人のタイトルマッチの実況席はヨイショが酷いので、逆張りぐらいの警戒心で見ていたのもありますが、個人的に今回の敗戦は内容的に納得出来た所もあります。
ガードのみで相手の連打を浴び続けるのは、それだけ印象が悪いと思います。

エンダムは3~5回程度、ロープでダウンを免れていましたので、1つ2つでもダウンになっていればと思うと運が無かったようにも思います。
まああれも相手のしぶとさの表れだとも思いますし、比嘉と比べると相手を倒し切る意志が足りなかったようにも思います。
村田は真面目でコツコツと積み上げてきたものがありますし素晴らしい選手なのですが、如何せんエリート過ぎると言いますか、終わってみればもっと我武者羅に行けたのではと感じます。

今回のジャッジは物議を醸す結果になっていますので上手く再戦話になればいいのですが、その方向以外で再びタイトルマッチを行うにはまた数年掛かってしまいそうな気がします。
Commented by gsp at 2017-05-21 02:32 x
海外の反応を見ても村田はベルトを盗まれた、という意見を散見します。
このやるせない気持ちをどこにぶつければいいのかわかりません。自分は海外ボクシングを普段見ませんがUFC等を含めても最悪の判定と感じました。村田の強打を貰って体が流れ続けてるのに数が多いだけの下手な鉄砲をジャッジが取ったことが理解できません。達観してこういうこともある、ではなく自分はこの判定はおかしいと声を大にして言いたいです。
Commented by アンドレ・ホグ at 2017-05-21 09:02 x
何かデジャブを感じてましたが、昔K-1であったラスベガスだかの大会でフィリオがダウン奪っての判定負けした試合を思い出しました(かなりうろ覚えですが)。確かその時も「アメリカでは手数が重視されるから妥当」という意見があってネットが荒れたんですよね。

もしダイレクトリマッチが決まってもあの戦法はもう通用しないでしょうし、手数を増やしてガードを下げれば強打と連打の餌食になるだけ。村田と陣営にとってあの内容で勝たせてもらえないというのは、あまりに理不尽かつ厳しい黄金階級の現実を突きつけられたわけで、ヌゲイラさんのおっしゃる通りこの先の道が全く見えません。
Commented by ユウツギ at 2017-05-21 16:07 x
手数も何も、村田選手はきっちりガードしてたのに。ジャッジは、アウトボクシングと逃げの判別もつかないんすかね。
Commented by スラッカー at 2017-05-21 16:12 x
正直ナックルパートしか使っていけないボクシングで村田の戦法はちょっとズルいかなとも思っているのですが、
それをふまえても今回の判定は日本人的には理不尽の一言につきます
Commented by 拳太郎 at 2017-05-21 19:53 x
村田のボクシングは、亀田並みにつまらないので、
今回負けて良かったと思っています。
あんな待ちのボクシングでチャンピオンになってもねぇ、、、
村田のボクシング見ても燃えない、プロなんだから金取れるボクシングしろよー
勝てば良いってだけの村田、つまらんしヽ(´o`;






Commented by nugueira at 2017-05-21 21:30
 コメント欄が久々の盛況。

>おっさん様
 結果論として慎重すぎたんですが、村田陣営としてはプラン通りの試合運びだったはずで、それで負けたのがつくづく痛いです。終盤もあれでポイントが取れないのはしんどいですねえ。

>gsp様
 私もこの気持ちの持っていく先に昨日から困っています。WBA会長が再戦を指示したようですが、どう動いていくのやら。

>アンドレ・ホグ様
 ありましたねえ。ラスベガスのジャッジは基本ジャブ重視みたいです。村田陣営としては今回以上の環境でタイトルマッチを組むのは難しいでしょうし、最大のチャンスがすり抜けていってしまった感じです。

>ユウツギ様、スラッカー様
 今回はボクシングのジャッジの不合理な部分だけを濃縮還元されて飲まされた気分です。

>拳太郎様
 面白いかつまらないかで言えば村田のボクシングは間違いなくつまらないんですが、今回村田がベルトを獲れば日本のボクシングの歴史が大きく動いていったと思うんですよ。そのチャンスが潰えたことがただただ残念です。
by nugueira | 2017-05-20 23:01 | ボクシング | Comments(7)