KNOCK OUT Vol.0観戦記②
2016年 12月 06日
序盤からゴリゴリと圧力をかけるT-98が強烈な左ボディ。長島の身体がくの字に折れ曲がる。この後もT-98が圧力をかけ続けるが、長島はヒジを立て続けに放ちT-98が顔面から出血。長島が思いのほかキックルールに対応している。まあ元をたどればNJKF王者なんだけど。
しかし2Rに入ってもT-98優位の流れは変わらず、組みながらのヒザ連打で削り続けると、右ストレートでダウンを奪取。なんとか立ち上がるがダメージの色が濃い長島を最後は右フックで沈め、現役ラジャ王者の強さを見せつけた。
那須川天心○-×ワンチャローン・PKセンチャイジム (1R KO)
開始と同時に仕掛けた那須川がヒザ、ミドルで猛攻。ワンチャローンはやや面食らったか。それでも那須川のラッシュを凌いだワンチャローンが鋭い蹴りを返し、試合はやや落ち着いたリズムに。長丁場になるとまだまだ分からないか…と思った1R終盤、那須川のバックスピンキックがワンチャローンのアゴを捉え、衝撃のKO勝利!
梅野源治○-×シリモンコン・PKセンチャイジム(判定)
プロフィールではほぼ同身長のはずだが、向いあうと梅野の大きさが目立つ。序盤からこつこつローを入れる梅野だが、シリモンコンがローに左ストレートを合わせ梅野がダウン!しかしここはスリップと裁定される。両者細かいフェイントをおりまぜながら攻撃を繰り出す、派手さはないが濃密な攻防。
続く2R、今度は梅野の右が入りシリモンコンがダウン!のはずがここもスリップの裁定。これで帳尻は合ったか(?)。シリモンコンはローも効かされたか、このラウンドから一気に動きが落ちてくる。
3R以降は主導権を握った梅野がロー、ミドル、ボディ、ヒザで攻め続けるが、シリモンコンもタフさを見せなかなか倒れない。最終Rも梅野は逃げ切りを狙うことなく逆に手数を増やすが、シリモンコンを倒すことはできず試合終了。相手のレベルを考えれば十分なパフォーマンスだったが、いかんせん前の5試合が凄すぎた。
大会全体としては100点満点で1000点をつけてもまだ足りないか、と思えるぐらいの神興業。後楽園ホールに足しげく通っていた時期でさえ年に1~2度巡り会えるか、というレベルのKOをこの日だけで3~4つ見てしまった。チケット代3000円でここまで楽しんでしまっていいのか、と申し訳なくなってくるレベル。
とにかく出場選手、特に日本勢の入れ込み具合が半端ではなく、この新しい場を盛り上げてみせる、という気合がそのまま試合内容と結果に直結していた印象。大袈裟ではなくK-1MAX旗揚げ戦と同レベルの衝撃を格闘技ファンに与えたと思う。
この興業でハードルが上がり過ぎてしまった可能性はあるし、今後大会を重ねていけば全試合判定といった地味な意味での「キックらしさ」が出てしまう場面もあるのだろうけど、とにかくKNOCK OUT が最高のスタートを切ったことは間違いない。格闘技ファンを名乗るのであれば、この団体から目を離しちゃいけませんよ。
相手が打撃を出そうと前に来ているあの至近距離で、膝を畳んだ状態であれだけ綺麗に入れてるのは見たことがないですね。
見事の一言ですね。
重ね重ね武尊との邂逅を期待せずにはいられません。
この興業でどれだけ選手を呼べるのか、
那須川がこの先どれだけ大きな選手になっていくのか、
世間に認知される存在になっていけるのかに注目ですね。
2017年スケジュール発表されましたが、どの大会も週末で行きやすいのもいいですね。
私も是非現地観戦したいと思います。
私も今回のKOを見て那須川と井上がオーバーラップしました。こういう若い世代が新しい歴史を作り上げていくんですねえ。
>みゆパパ様
正直、武尊は那須川との対戦が実現しなくて助かったとさえ思ってしまいました。那須川という存在を世間に届かせるためにもKnock Outを応援していきたいと思います。