反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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クリチコ陥落!

 エキサイトマッチの感想を。まずWBCシルバー・ヘビー級タイトルマッチ、アレクサンデル・ポベトキンvsマリウシュ・ワフ。

 上背に勝るワフは打ちおろしのワンツー。ポベトキンは懐に入ってフックとアッパーを打っていく。2R、ポベトキンの左ボディがヒット。ワフはジャブで距離を取ろうとする。3Rも懐に入ったポベトキンが左アッパーから右フック。ポベトキンは攻勢を強め、ボディ連打でワフを追い込む。4Rもポベトキンは右フック・左アッパー・ボディで攻め続けるが、ワフのパンチをもらいまぶたから出血。
 5R以降もポベトキンの攻勢は止まらず、懐に入るとボディから左アッパー、右フック。ワフは手数が出ずに下がる場面が増え、防戦一方となる。8R、ポベトキンは左右のアッパー、フックにワンツー。ワフのガードをすり抜けて面白いようにパンチを当てていく。9Rも角度を変えながら左のトリプルを出したかと思うとかぶせるような右フック。多彩な攻めでワフを翻弄。
 この後もポベトキンは攻撃の手を緩めることなく左右のパンチを入れ続け、12Rにワフが顔面から出血したところでレフェリーストップ。クリチコに敗れた者同士の対戦だったが、ポベトキンがスピードで圧倒した。

 続いて3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチ、ウラディミール・クリチコvsタイソン・フューリー。

 フューリーは上体を細かく動かしながら距離をキープし、飛び込んでのパンチ。クリチコはなかなか懐に入れない。2R、クリチコの左がヒューリーの顔面に浅く入るが、逆にヒューリーの飛び込んでの左がヒット。3R、フューリーはガードを下げてクリチコを挑発。クリチコは手数が出ない。
 4Rからクリチコは焦れたように手数を増やすが、フューリーに距離を支配され一向に有効打につながらない。逆にフューリーは要所要所で右をヒット。6Rもフューリーは両手をだらりと下げてトリッキーな動き。クリチコは懐に入れず、やりにくい状態が続いている。7R、フューリーは飛び込んでのワンツー。細かくスイッチを繰り返したかと思うと両手を後ろに回してクリチコを挑発。完全にペースを握っている。
 のらりくらりとかわすフューリーに9R、クリチコはようやく右ストレートを叩き込む。だがラウンド終盤、クリチコがもみ合いから一瞬横を向いたところで左フックを被弾し帳消しに。終盤に入ってもジャブを出しながらスイッチを繰り返すフューリーに、クリチコは焦れたように攻め込むが一向に有効打が出ない。11Rは逆にフューリーに左右のフックを効かされるが、フューリーも後頭部へのパンチで減点。最終ラウンド、クリチコはようやく右ストレートと左フックを叩き込むが時すでに遅し。3ポイント差2名、5ポイント差1名でフューリー勝利。

 試合当日に結果を知った時も驚いたが、「まさか」の一言に尽きる。これプーチンのウクライナ侵攻が本格化しかねませんよ。
 クリチコの試合を見るにつけ「政権交代が起きるにはクリチコが歳を取るのを待つしかないなあ」と思っていたのだが、このタイミングでその瞬間が訪れるとは。これまでのクリチコならどういう相手だろうが最後は自分の勝ちパターンに引きずり込んで一方的に殴り続けていたはずだが、今回は懐の深いフューリーに対して最後まで自分の距離を取れなかった。逆に言えばフューリーはアウェーにも近い空気の中、最後まで自身を持ってこの戦法で闘い続けたのがお見事。後半に入っても動じることなく、完全にクリチコを呑んでいたからなあ。
 久々のアメリカ人王者・ワイルダーの誕生に続いてクリチコの長期政権が唐突な崩壊。ヘビー級戦線がにわかに激闘の時代を迎え始めた。

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by nugueira | 2015-12-19 23:32 | ボクシング | Comments(0)