反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

井上尚弥&拓真

 昨日のボクシングの感想を。まず井上拓真vsフローイラン・サルダールの10回戦。
 開始から伸びとキレのあるパンチを繰り出すサルダール。1R後半に右ストレートが顔面を捉え拓真が尻餅をつくようにダウン!いきなりビハインドを背負う苦しい展開に。
 だが拓真は慌てることなく1Rを凌ぐと、2Rは左右のボディで反撃。サルダールの右の間合いは早くも見切り始めた感じ。
 徐々にリズムを取り戻す拓真に対しサルダールは距離を取ってリズムを変えようとするが、5Rに拓真のエンジンが全開!左右の連打でサルダールを一気に追い込む。
 タフなサルダールをなかなか倒せず一度はペースダウンする拓真だが、8Rに左フックを効かせてからの右ストレートでダウンを奪い返すと、9Rにも左フックで2度目のダウンを奪取。KOはできなかったものの、完勝で世界前哨戦を制した。
 サルダールが結構ヤバい相手、というのは試合前からなんとなく目に入ってきており、実際噛ませ犬でなかったのは試合内容からも明らか。そういう相手に序盤の劣勢を跳ね返して勝てたのは大きな経験になったのでは。

 続いてWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、井上尚弥vsペッチバンボーン・ゴーキャットジム。
 1R終盤に左フックを効かせた井上は、2Rもボディやアッパーで攻勢。だがペッチバンボーンも引かずに近距離での打ち合いを挑んでくる。
 井上は3R以降もアッパーを効果的に使いながら手数・有効打数ともに圧倒するが、なかなかダウンが奪えない。5Rには井上が一瞬横を向いてしまったところでペッチバンボーンがラッシュを仕掛けるが、これで火が着いたか井上がお返しとばかりに猛攻。それでもタフなペッチバンボーンは倒れない。
 井上は6Rも不用意に被弾してしまい、更にはまたも拳を痛めたか、後半に入ると右の手数がガクリと減ってくる。8R以降はフットワークを使いながら左中心のアウトボクシングを展開し、ポイントアウトの気配も漂ってくる。
 これは2試合連続の判定か…と思えてきた10R終盤、ここまで抑えてきた井上が最後の力を振り絞るように突如左右の連打!ペッチバンボーンの顔面にパンチを集めると、最後は渾身の右ストレート!崩れ落ちたペッチバンボーンは何とか立ち上がるもののレフェリーがストップし、井上が苦戦しながらもKOでV3。
 煽りVでも触れられていたとおり今回の試合は「ロマゴン戦への試金石」が一つのテーマだったはずだが、その意味でいくと不合格の試合内容。コンディション不良でパンチが十分に打てなかったのはともかく、中盤の不必要な被弾はいただけなかった。ロマゴン相手にああいう隙を見せたら一瞬で持って行かれるだろう。
 KO防衛で文句ばかり言われてしまうのも不条理な話ではあるのだが、それも井上への期待が高ければこそ。ロマゴン戦への交渉は簡単にはいかない…というか既に次戦はコンセプシオンの名前が出ているが、軽量級史上に残るであろうこのビッグマッチを実現させるのはボクシング界の責務。井上には最高の状態で「その日」を迎えてほしい。

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by nugueira | 2016-09-05 23:17 | ボクシング | Comments(0)