反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

RIZIN~SARABAの宴~の感想④

桜庭和志×-○青木真也(1R TKO)
 開始早々、青木が胴タックルから簡単にテイクダウン。桜庭が勝つとすればスタンドの展開が生命線だと思っていただけに、この瞬間に見ているこっちがハッと息を呑む。
 グラウンドに持ち込んだ後は青木の独壇場。サイドから難なくマウントを奪うと、腕十字も狙いつつ徹底したパウンド攻勢。桜庭がブリッジで切り返そうとするが、青木はボディバランスでそれを許さず、マウントとバックマウントを繰り返しながらパウンドを入れ続けていく。桜庭が亀になって殴られるだけの時間が経過した後、セコンドがようやくタオルを投入し試合終了。

 戦前に青木勝利という予想をしてはいたものの、自分はこの試合に何を期待し、どういう結末を迎えて欲しかったのか。見ている最中も、決着がついた後もそこの答が見つからないまま、ただ息を呑んでリングの上の光景を見続けることしかできなかった。
 桜庭について言えば、12月中旬まで新日本プロレスのタッグリーグに出場していた時点で勝負ありだった、とも言えるか。今の新日本プロレスにおける桜庭のポジションを考えると欠場してMMAのトレーニングに専念するという我儘は通せなかったわけで、リング外の事情も含めて「シビアな現実」がそこにはあった。
 一方の青木。単なる残酷ショーでしかなかったこの試合が、終了後の青木のマイクによって救われた面もあるわけで、そういう点も含めて「プロとしての仕事」をやりきった。五味への対戦要求は意地悪な見方をすれば「ギャラの高額なイージーファイト」を要求しているわけだが、やっぱりこの男は自分の売り方をよく分かっている。

 この試合についてどういう感想を述べればいいのか、上手い言葉が見つからずにいるのだが、当日大会後に酒を飲んだ知人の言葉をここでは引用させてもらいたい。

 「今日のチケット代は宝くじと同じ。みんな、当たりっこないとは分かっていても、夢を買うために何万円分も宝クジを購入する。今日だって桜庭が勝てないのは分かり切っていたけど、ひょっとしたらという夢を見たくてチケットを買い、会場へ足を運んだ」

 ファンは日常では体験できない夢を見るためにチケットを購入し、それが団体にとっての利益となる。その構造自体には何の問題もない。だけど、桜庭はその図式を維持するために、あまりに闘い続け、そして傷つき過ぎた。客の夢とチケット収入のために桜庭を人柱にするのは、もう今回限りで終わりにしよう。

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Commented by ryouji at 2016-01-12 04:30 x
はじめまして。ランキングからきました。

確かにあの試合は少しむごく感じた試合でした。

でもやり切ったあの姿は忘れられないです。

一個人としてはまだまだ応援していきたいですね。
Commented by nugueira at 2016-01-17 21:27
> ryouji様
 コメントありがとうございます。桜庭に関しては、もうさすがに「おつかれさまでした」と言ってあげなきゃいけないし、周りもそうさせるべき状況だと思います。ヴァンダレイがUFCをリリースされたので、4度目の対戦を画策する動きが出てきそうですが。
Commented by スラッカー at 2016-01-19 02:30 x
桜庭は素人がみてもドランカーの症状があらわれてますし、何故試合が許されるか不思議です

そしてネット情報ですがそこまで体をはった(はらせた)のに、豪快にピンはねしてたという高田は本当許せないと思います

…まー彼の場合アルコールの影響もあるかもしれませんが
Commented by nugueira at 2016-01-23 17:16
>スラッカー様
 桜庭に試合をさせてしまうのは日本MMA最大の汚点だと思うんですよねえ…。仰るとおり、KO負けの晩も普通に酒飲んでそうなので余計心配です。
by nugueira | 2016-01-11 22:40 | その他(総合・寝技系) | Comments(4)