反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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メイウェザー、「通常運転」のラストマッチ。ブーイングの中、伝説は幕を閉じる。

 WBA・WBC世界ウェルター級タイトルマッチ、フロイド・メイウェザーvsアンドレ・ベルトを視聴。

 1R、メイウェザーはジャブ、ボディストレート、さらに左フック。ベルトは様子見でガードに徹しているか。2Rに入るとベルトはジャブを出し始めるが、距離設定が合っていない。メイウェザーはコーナーに詰められてもさっと体を入れ替えるいつもの動き。
 3R、メイウェザーが開始早々の右ストレートを皮切りに手数を増やし始める。ベルトもパンチを出すが、メイウェザーはいつもながらの反応速度とボディコントロールでヒットを許さない。4Rにベルトはロープに詰めて手数を出すが有効打は入らず、ラウンド終盤にメイウェザーの右ストレートがヒット!ベルトはクリンチでごまかすが一瞬腰を落とす。
 いつも通りの「メイウェザー劇場」の展開となり、6Rにメイウェザーは右アッパーから左、さらに右クロスで攻勢。タイミングが合ってきたせいか、強めのパンチが増える。
 7Rもメイウェザーがベルトの圧力をいなすが、ラウンド終盤にベルトの左フックがメイウェザーの顔面をかすめる。これで慎重になったわけではないだろうが、メイウェザーは無理にKOを狙わず自分のペースで着実に試合を進行。ベルトの圧力をいなしながら着実にワンツーやボディをヒットさせ、ロープやコーナーに詰められてもL字ガードで有効打は入れさせず体勢をスルリと入れ替える。メイウェザーを捕えきれないベルトはイライラが溜まっている様子・・・という点も含めて、これまでのメイウェザーの試合で何度も見てきた光景が繰り返される。
 ラストマッチでのKOを期待する空気をあざ笑うかのようにいつも通りの最終ラウンドを迎えるメイウェザー。バックステップで距離を取るとラスト10秒はステップを踏みながら終了を待ち、ブーイングの中でラストマッチは終了のゴングを迎えた。

 判定は当然ながら117-111、118-110、120-108の大差でメイウェザー。試合後のリング上でのインタビューでは改めてこの試合を最後に引退することを明言した。

 観戦記の中で何度も「いつも通り」というフレーズが出てきたのだが、あまりにも予想通り、いつも通りの高揚感とは縁遠い試合内容。49戦無敗というボクシング史に残る王者のラストマッチとしては、あまりに拍子抜けの内容だった。とはいうものの、最後の試合だから強引にでもKOを狙うなどというのは勝負論からしたら単なるセンチメンタリズムであり、迷いでしかない。そういう情緒をリングに持ち込まず、客席のブーイングを招こうともブレずに自分のスタイルを貫き通したのがメイウェザーを名王者たらしめた強さなのだろう。

 今回が本当にラストマッチなのか?という疑念は多くのファンや関係者が抱いているところだが、試合後の総てを達観しきったような受け答えからは清々しさというか、解放感すら感じられた。何が起きるのが分からないのがボクシングの世界だが、「50戦目」はない、というのが今の所の印象だ。

 5階級制覇、ロッキー・マルシアノと並ぶ49戦全勝というレコードは間違いなくボクシング史に残る存在だが、評価については賛否両論を引き起こし続けたメイウェザー。ジョー小泉が最後に言っていた「メイウェザーの進化の方向は、ボクシングファンが望む方向とは違ってしまった。メイウェザーが引退することで、ボクシングがかつての面白さを取り戻すのではないか。」というコメントは単なる懐古趣味かもしれないが、メイウェザーというボクサーの一つの側面を言い当てていることは間違いない。最後まで見る側に問題を提示し、議論を引き起こしながら、稀代の王者はグローブを置く。

 ともあれ、一つの時代が終わった。人気ブログランキングへ
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Commented by みゆパパ at 2015-09-13 18:38 x
11月にコット×カネロがありますが、
コットが勝った場合、コット×メイはアメリカでは相当話題を呼ぶ対戦になり、実現すれば巨額のマネーが飛び交うこととなるでしょう。
マネー大好きメイウェザーですから、前人未踏の50戦無敗の記録もついてくるしで、充分あるのではと私は思っています。
全然復帰してほしいなんて思っていませんがw

今日のこの「俺の時間を返しやがれ」的なもやもやは、
来週の山中、そして来月のゴロフキン・ロマゴンに晴らしてもらいましょう。
Commented by おっさん at 2015-09-13 23:09 x
私はそもそももう一戦やるものだとは思ってるんですけどね。
今回はカードが弱いのもありますし、ラストマッチが売りだった訳で、新記挑戦でもう少し大きな試合を組んでそれをラストにする青写真じゃないかと予想してます。
本当にベルトをラストマッチに選ぶとしたら理解に苦しみますし。
Commented by 大勝KEN at 2015-09-14 02:34 x
メイウェザーは最終ラウンドは倒しに行ってましたね。でも、ラスト10秒でやめました。

パンチ力はこの階級では強くないので、しかたないですね。

ジョー小泉さんの意見には賛成です。メイウェザーはディフェンスのテクニックは文句なしにすばらしい。

しかし、格闘技の本質は防御合戦とは思いません。

浜田さんは、それでもメイウェザーは人気があると言ってましたが、メイウェザーが大物相手に全勝だったからであり、皆が彼のようになったら、ボクシング人気は衰退するでしょうね。

ま、でも真似しようと思っても無理ですが。

次のゴロフキンの試合が楽しみです。
Commented by nugueira at 2015-09-15 23:25
>みゆパパ様、おっさん様
 うーん、やっぱり復帰の可能性はありますかね。引き際を見誤った格闘家の例は枚挙に暇がないだけに、メイウェザーには完璧なタイミングでの引退を期待したいんですが。

>大勝KEN 様
 ジョー小泉はみんながメイウェザーのようになることを危惧していましたが、「メイウェザー2世」と呼ばれつつもボロが出てしまう選手も多いわけで、このスタイルをここまで完成させたボクサーは今後出てこないかもしれませんね。その意味では間違いなく空前絶後の存在なんだと思います。
 私もゴロフキンの試合が待ち遠しいです。
by nugueira | 2015-09-13 14:33 | ボクシング | Comments(4)